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特集

札幌指折りのヘラクレスブリーダー!ブリードルーム訪問!!【Lucanus7】

KAZ.YOSHII

その名もLucanus7さん!

第1回目は、札幌のヘラクレスブリーダー、Lucanus7さんのブリードルーム拝見です。

この企画は全3回の予定で、たくさんの人にヘラクレスやカブトムシ、クワガタ飼育に興味を持ってもらいたいと思い、北海道ではトップクラスのブリーダーであるLucanus7(ルカヌスセブン)さんにお話を伺っていく企画となっております。

私と、ルカさんの出会いは、六脚堂主催の札幌のクワガタ・カブトムシの販売イベントである、『EZO−クワカブフェスタ』で出店者としてご参加いただいたところからお付き合いが始まりました。色々話をしているうちに、この人の取材をしたら面白い!

思ったら即実行!ということで実現した企画です。心良く受けてくださって感謝です。

ちなみに、数年前から私は3回ほどルカさんからヤフオクで虫を購入していましたが、私のことを覚えていらっしゃいませんでした笑笑

では早速始めましょうか!

小学生時代からカブトムシ、クワガタを初め昆虫、爬虫類などに魅せられてきたL7さん。

2024年春に新築のご自宅を建てる際に、ブリードルームを併設されました。

その長年で培った経験から、今回のルームを作る際にこだわった場所や、現在のヘラクレスブリードに関する方法などを伺ってまいりました。

ブリードルーム紹介

まずはルームの紹介をしていきましょう。

大きく2つの部屋で構成されているブリードルームは、22〜23℃の部屋と、18℃の部屋の2つに

分かれています。

まずは22℃の部屋から。

扉を開けるやいなや目に飛び込んでくるのは、所狭しと並ぶボトル、ケース、飼育用品。

中段の右手には人工蛹室のケースが並んでいます。他にもマットの保管ケース、作業台、ふるい、など必需品が。

この第1ルームはおよそ8畳間の壁面を、上下4段に分けており、棚は工務店さんが強度など考慮した設計になっているようです。

また、棚のそれぞれの高さはコバエシャッター中を2段重ねできるサイズに統一してあるそうです。こちらの棚は、主に卵と種親の♀を管理してありました。

管理温度の制度を上げるために、1台40万円弱のエアコンを採用。センサーの感度がとても良いそうです。またエアコンの電気関連は住居スペースとは全く別に配線され、無干渉となっているそうです。

天井の換気口も電気設備同様、住居スペースとは全く別にブリードルーム独立。これだけで、数百万かかっているそう。虫に人生掛けてますね!!!だって、虫の飼育辞めたらこの部屋、何にも転用利かないですよ!

自分のブリード構想から、最適と考えられることは妥協せず行なったそうで、他のヘラクレスブリーダーさんからのアドバイスを頂いたり、見たものから着想を得て、さらに小さい頃からの夢も盛り込んで作りました!

とのことです。

ヘラクレスのために蓄積された、様々なノウハウがここには詰まっています。

棚の奥に初2令幼虫管理ボトル発見。

こちらは卵。プリンカップとボトルがありますが、なにかこだわりがあるのでしょうか??

※次回!その謎が解き明かされます!お楽しみに!

こちらは人工蛹室の蛹のスペース。

おや??ここは、22度のスペースなのに、産卵セット発見!!

 私が知るうえで、色々な情報を見ると産卵セットは23〜25℃位の高めの温度設定で組んでいる人が多いと思うんだけど、こんなに温度が低くてもいいの??そんな疑問が。。

ということで質問してみると、あくまでもL7さんのイメージということなのですが、

「25℃以上でやってしまうと一気に産んで、すぐ☆になってしまうんです。」

「低めの温度で、じっくり長く産んでくれたほうが結果的に寿命も伸び、結果たくさん産んでくれるんですよね〜。」

なるほど。

ということで、この第1ルームでは、

・産卵セット

・卵の管理カップ

・初2令ボトル

・蛹

が管理されています。

では、奥につづく扉を開けてみると!

奥まで延びるきれいな棚、そこに収まるコバエシャッター!!

これはもう、男のワンダーランド!!

右を向けばコバエシャッターが整然と並び、

左を見ればパンケースとコバエシャッター!!ここも計算されていて、コバエシャッター中の2段重ねと、パンケースの3段重ねがほぼ同じ高さに!

スペース効率が最大限に生かされています。しかし、パンケースはもうDAISOでは廃盤になっているので、コバエシャッターで統一していく方向のようです。

管理ラベルが統一されているのが本当に見やすいです。これは私も見習おうと思っています。

小さいものだと老眼の私にはきつくなっているので笑 これは見やすくて最高です笑

QRコードが追加されまして、ルカヌスさんのXの情報が出てきます。

そして赤から黒へまた戻っています。イベントでもルカヌスさんのブースは皆、黒いロゴTシャツを統一されているので、販売する際の手法も美しく見せることにこだわりがあります。

このQRコードを付けることで、購入いただいたお客様からどんな相談でも受けますよ。という体制をとっているそうです。さすがですね。

このマインドは、六脚堂が主催する『EZO‐クワカブフェスタ』でも出店者が見習っていこうと話をしています。

なお、この第2ルームは10帖。18℃をキープしています。

その環境を維持するために、壁の4面、天井、床と、一般的な基準の倍近くの断熱材を入れいているそうな。ブリーダーあるあるですが、家族よりも虫たちのほうが環境良くしますよね笑

それの更にグレードの高いバージョンだと思ってもらえるといいでしょう笑

ちなみにL7さん。ヘラクレスだけではなく、息抜きにクワガタなんかもやっています。

でもその息抜きのレベルもやばいです。今回写真は撮れませんでしたが、90mm近いタランドゥスを種親として持っていたり、

あの九州のyoutuber、『ファミリアしょうきち』さんから世子(せじゃ)を購入してブリード予定だそうです。写真ではなかなか大きさが伝わりませんが、やばい迫力です。

子の第2ブリードルームも、上下に4段の棚が両サイドに3列続いています。

コバエシャッター中なら1スペースに30個。1400ボトルなら約200本。

これが縦に4段分と、横に3列。

ケースの大きさにもよりますが、この部屋だけで私なら2000は飼育可能はキャパです。

L7さんは血統ヘラクレスがメインでイケそうな♂ならコバエシャッター大で単頭管理とのことなので1000頭くらいかとは思いますが、まだブリードルームを新設したばかりなので、これから更に増やすとおっしゃってました!

値札がついているボトルはイベントの持ち帰りとのこと。

実際にブリードルームに遊びに来て、購入して帰る方もいらっしゃるそうです。

第1ブリードルーム同様に、第2ルームも、換気口が独立。湿度管理もぬかりはありません。

天井まで積み上がるケースは圧巻です。この見えているパンケースだけで40個!!棚の1スペースだけでこれだけの収容能力。

一般人としては羨ましすぎる、圧巻のスケールですよ!

しかし、まだまだスペースには余裕があります。

更に増えて行く予定ですが、今後六脚堂とのコラボで令和6年、「何かが」起こりますのでお楽しみに!(何をするかはまだ内緒。)

そろそろ蛹とか見てみたいな〜と思った頃。

ちょうど良く、見せられるのがいますよ!と言ってケースを開けてくれました!

※ ♂1頭をコバシャ大で飼育できるスペースがあるとは本当に贅沢。。。

「大した大きくはないんですけど」って。。。もうこれでやばい雰囲気があるんですけど笑

この模様は動画で御覧ください!

私の驚愕の声が大きくて邪魔かも知れませんがお許しください。

ちなみに、の話ですが。

L7さんは太いヘラクレスが本当は好みでして。種親となった標本も見せていただきました。

完品になっているこんな太い個体は正直初めて見ました。標本としての価値も大きいかも知れませんね。写真では色々見てきたつもりですが、生で見ると本当にすごいんですよ。

その子がこちら。メテオ系です。(血統については今後の記事をお楽しみに!)

親ほどの太さはありませんが、これが動いているとなると驚愕なんです。

残念ながら現在は太い血統は力を抜いており、長くてバランスのいい美しい個体を目指しているそうです。

その理由を聞いてみたところ、イベントなど販売界でも注目を浴びるのは、やはり大きいサイズ。ならば大きい個体を目指すべき。ということで目標をサイズ基準にしているそうです。

そして番外編です!

実は、取材にお邪魔してブリードルームに入ったときに一番最初に目にしたのは実はこれなんです。

※鏡面ドアの冷蔵庫のため、いろんなものが映り込んでますが笑

まあ、虫をやっている方ならお察しなのでしょうが、そうです。低温の生体を管理しています。

ワインセラーや、冷やし虫家などを使うのがセオリーかと思っていましたが、なんと冷蔵庫でこれをやっている人は初めて見たのですが、冷蔵庫自体をサーモで制御しています。

16℃で設定し、16℃を切ると冷蔵庫の電源を落とし、また16℃を超え始めると電源が入る。

誤差は0.5℃程度と精度の高いコントローラーを愛用。

ちなみにこのサーモは、レイシーのサーモコントローラーといいまして。

なかなか高価なものですがセンサーの精度が抜群に高く良いそうです。たくさん苦い経験をして、温度管理だけは抜かり無く行いたい。とのことでした。

扉を開けてみると、中身はミヤマでした!

しばらく寝かせているそうです。ミヤマは低温種であり、寝かせておくには冷蔵庫の温度がマッチするそうです。たしかに、ショップさんでも羽化ずれしたミヤマを13℃くらいの菌糸保管庫で管理しているのを見たことがあります。

中古の冷蔵庫なら安価で手に入るし、息抜きで行う種ならこのサイズで十分なのだそうです。

いかがでしたでしょうか!!

本気のブリーダーさんのブリードルームを見に行くことはなかなかできないことです。一般の方は特に、ここまで真剣に飼育に向き合っている人が存在していることも、知らないと思います。北海道は、カブトムシ、クワガタ飼育には気温差が大きいので関東、関西に比べると飼育者が少ないという現状があります。

六脚堂では、もっとたくさんの子供達に飼育の楽しさを伝えたいと思い、この企画を行いました。ここまでやらなければイケない!ということではなく、これだけ夢中になれる趣味であることを伝え、命の尊さを知ってもらいたいと思っています。

今後の企画は、

第2回 Lucanus7の「ヘラクレス飼育のルーティーン」初心者さん向け飼育法も!

第3回 Lucanus7の「ヘラクレスの血統の話」

を掲載予定です。

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□□□□ Lucanus7さんが使っている飼育用品はこちら □□□□

マット

「RUSH レギュラーマット」(ヤフオクにて購入が可能です)

ケース

コバエシャッター大コバエシャッター中硬質クリアボトル1400

パンケース(DAISO。現在は廃盤になっています)

エサ

KBファーム プロゼリー

温度管理

レイシーのサーモコントローラー

□□□□□□□□ リンクはAMAZONです □□□□□□□□□□□

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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