ババクルビデンスオオクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『ババクルビデンスオオクワガタとは』
オオクワガタの仲間の中でも裏の人気者(六脚堂調べ)のババクルビデンスオオクワガタ。
一般的なオオクワガタの仲間でいうところの小歯型のフォルムでありながら、最大80mmを超えてくるのが魅力です。
特徴としては内歯の位置が極端に下に位置しているところで、見た瞬間それとわかる存在感があります。
そして大顎は弧を描くように強く湾曲、顎先は矢印のように尖ります。とても個性的なオオクワガタなのが人気の所以ですね。
クルビデンスオオクワガタは、本種の他にインド、ネパール、ブータン、ミャンマーなどの「ヒマラヤ系」と、タイ、ラオス、ベトナムなどの「インドシナ系」がいます。
中でもこのババクルビは、Dorcus不明種とか、南ベトナムクルビデンスとか、クルビデンスssp.など様々な呼び名で市場に流通していました。
実際に「ババクルビデンス」と呼ばれることが多くなったのは、2010年にクルビデンスオオクワガタ Dorcus curvidens の亜種『Dorcus curvidens babai Fujita, 2010』として記載されました。
なので、ババクルビ。と呼ばれるようになったのは2018年あたりからでしょうか。
ちなみに、ビークワレコードではババクルビデンスではなく、
『クルビデンス(南ベトナム)』の表記となっており、2023年飼育レコードは81mmです。
なお、他にもオオクワガタの仲間は世界にたくさん存在します。
1)ホペイオオクワガタ(中国)
ちなみに日本のオオクワガタは、ホペイの亜種になります。
2)グランディスオオクワガタ
ラオス、ベトナム、中国。
ミャンマー、インドに生息するのは亜種で moriyaiと呼ばれます。
3)パリーオオクワガタ
フィリピン パラワン島
などがいます。それぞれの顎の特徴を見て、好みのオオクワガタを探すのもまた楽しいいですよ。
和名:ババクルビデンスオオクワガタ
学名:Dorcus curvidens babai
内歯の位置がとても美しいです。
クルビデンスはいわゆるオオクワガタに近い内歯の角度(大歯と重なるような)ですが、雰囲気はグランディスなんですよね。
グッと内側に大顎が入り込むグランディスに比べると、弓なりで大きく弧を描く感じなのがババクルビの特徴。クルビデンスは割と大顎がストレートなイメージです。
光沢が強く、上司の点刻が♀の特徴。
どちらかというと、クルビよりもグランディスの♀に近い感じがしますね。
ここからはババクルビデンスオオクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。なお、ババクルビの飼育方法は一般的なオオクワガタの飼育方法と同様に考えて結構です。
ただし、飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の育て方 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は、1年~3年ほど。
飼育の適温:
室内なら常温飼育が可能です。温度管理が可能なら、20〜23℃で飼育すると良いでしょう。
ただし夏場は30℃を超えないように、冬季は氷点下になるような環境は避けましょう。18℃を切ると活動が鈍ってきます。また極端な乾燥・蒸れも好みません。
飼育場所としては直射日光の当たらない室内が良いでしょう。
使用するケース:
おとなしいと言われるオオクワガタですが、♂♀一緒にしておくのはペアリングの時のみにし、普段は別々に管理しましょう。♂同士は喧嘩もしますので別々にしましょうね!
飼育するケースはデジケース HR-2がおすすめです。
成虫育成メモ:
2〜3ヶ月で後食し、その後3〜6ヶ月で成熟と言われています。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
【ペアリング】
2〜3ヶ月で後食し、その後3〜6ヶ月で成熟と言われています。
(大きさにより個体差が大きいです。しっかりと様子を見てあげて判断してください。)
ペアリングするのは6〜8ヶ月程度待つ必要があります。また、常温管理の場合ペアリングのタイミングは気をつけましょう。ペアリング、並びに産卵には23〜25℃程度あるのが理想です。
また、寒くなってくる秋口にペアリングしても、冬季間に産卵するには温度が低い状態になってしまいます。
よって常温飼育の場合は、春以降にペアリングを行うのが理想です。オオクワガタは体内時計のようなもので季節を感じ取っているようなので、春にペアリングを始めるのが良いと思います。
温度管理をしていても、10月頃から4月までは産卵をしない場合が多くあります。
【産卵セット】
産卵材セットになります。基本、材産みですので、2本程度入れたほうが良いでしょう。
※1本でも構いませんが、♀の選択肢として2本あると産卵の確立が上がるという意味です。
材はクヌギ、コナラ。どちらでもOK。材を固定するためにマットは何でも構いませんが、成虫管理用の針葉樹マットはNGです。
また、植菌カワラ材なども反応が良いようです。
【ケース】
材の大きさに合わせて選びましょう。
中サイズの材を2本の場合は、クリアスライダー(ラージ)、コバエシャッター(中)などを使用します。
産卵管理適温:
24~26℃が理想です
【SET方法】
水分量は材の加水時間、使用するケースにもよりますが少なめで良いです。
底面のマットは固く詰め、材が半分以上露出するように埋めてください。いわゆる「転がしセット」です。
材の周りを掘り進むので、時間が経つと材は動くようになります。
『産卵材セットの作り方はこちらから』
□□□ 幼虫の育てかた □□□
【お勧めのエサ】
オオヒラタケの菌糸ビンがよく使われています。
マットでも飼育は可能ですが、菌糸ビン飼育のほうが大型が期待できます。
♂は800〜1400CCのボトル交換で途中2〜3回。
♀は800〜800CCで2回程度。
※温度や菌糸の劣化具合、食い進みにより変化はあります。
【設定温度】 20~25℃前後で
3令から18〜20度の低温で管理すると、幼虫期間は長くなるが大型が出やすい傾向にあります。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂:10~12ヶ月程度
♀:8~10ヶ月程度
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2023年8月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
★★★★★★★★★★★★★★★★
たくさんの種類のカブクワ情報発信中です!
舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
X(旧Twitter) ぜひフォロー& 通知を取ってください!
★★★★★★★★★★★★★★★★