発送時における梱包方法(六脚堂:夏バージョン)
カブトムシ・クワガタをネット通販などで購入すると、送り主さんによって様々な梱包方法で商品が到着します。
六脚堂は札幌なので、多くの地域からは翌々日到着になってしまいます。が、余程のことがなければカブトムシ・クワガタは死着というのはありません。
六脚堂が販売した虫たちも死着の経験は今のところありません。
(現段階で、一番遠くへ送ったのは愛知県です。)
ただ、死着では無くとも「見えないところ」にダメージを負っていることがしばしばあります。
クワガタ・カブトムシは、呼吸ができるかどうかの空気穴問題よりも、
・大きな温度変化
・湿度
の2点が大きく個体へのダメージを与えてしまいます。
(空気穴に関しては、本当に小さくても2日間ならほぼ問題はありません。)
少しでも皆さんの助力になればと思い、本件をお伝えしようと思います。
□□□ 夏の梱包 □□□
8月〜9月。日中の札幌は例年20〜25℃。夜は20℃を切ります。
北海道内での輸送なら、保冷剤など入れずにやり取りできる季節ではありますが、今回は埼玉県への発送です。
天気予報を見ると埼玉は日中30℃近い様子。
ゆうパックだと翌々日到着。恐らく、冷凍した保冷剤やペットボトルは15時間程度で効果は切れることでしょう。
しかし、入れることを今回は決めました。
保冷効果を持続させるために、発泡ケースを使用します。冷気をキープするなら発泡箱はダンボール箱よりも若干効果が高いです。
(熱をキープするならダンボール箱のほうが優れ、且つダンボール箱の中に発泡箱を入れると更に保温効果が上がります。)
まずは保冷剤を新聞で包みます。
保冷剤は汗をかきます。この新聞紙で余分な水分を吸い取ってもらいます。
更にジップロックで包みます。新聞が吸い取った水分を外に出さないためです。せっかくの保冷効果ですが、結露でケース内がビチャビチャになると「蒸れ」により急激な温度上昇を招いてしまいます。
また、生体を入れたケース内に水分が入ると大惨事です。
そして更に新聞紙でくるみます。
2重で結露を防止するのとともに、冷えすぎず、冷気を長持ちさせたいという
効果を狙っています。
発泡ケースにマウントします。注意として、冷気は下方に降りていきます。
セオリーは、ケースの上に置きますが、札幌の気温の方が送り先のさいたまよりも低いので、更に冷やしてしまうのを避けるためです。
また、氷が溶けた後の、埼玉との寒暖差が出てしまうので、今回は下にマウントしています。
※暑いところから寒いところへ送るときは逆ですね。
【次にケースです。】
今回送るのはグランディスオオクワガタのペアです。プリンカップは高い確率で脱走します。
半日で穴を開けてしまいます。(固い材を噛み切って穴を掘りますから、プラスチックも余裕ですよね。
よって、100均などで販売されている硬質なプラケースを採用します。(塩ビのタッパーなども穴を空けます。)
水苔をそのケースに入れるのですが「無加水」です。そこに、硬絞りしたティッシュで水分をまかないます。
このティッシュを掴ませて、個体に安心感を与えます。
なお、ケースに関しては500〜800CCの菌糸ボトルなど、丸いもののほうが削りにくいため理想ではありますが、輸送サイズが大きくなるのでここも、購入者さんと相談の上で決めることも有ります。
ティッシュを2枚ほどを湿らせて、、、
ギュッと絞って丸めます。
これで2日分の水分は充分に賄えます。また、『購入者さんに確認をした上で』ゼリーは入れません。きちんと管理していれば、2日くらいは平気です。(産卵セットに入ったら2週間は食べませんしね。)
逆にゼリーを入れて全体が湿り、「蒸れ」が起きることや、ゼリーがこぼれて気門を塞いだり、空気穴を塞いでしまう事故のほうが怖いです。
上にも水苔を足して、揺れても個体が動かないようにしてあげます。これは大事です。トラックの移送中に常に動いてしまうとストレスで体力を使い切ってしまいます。
クワガタ・カブトのパワーを見くびってはいけません。人間のサイズに換算すると、1トンのものを運べます。蓋くらい簡単に開けてしまいます。なのでセロテープを十字に巻き付けてください。
♂は大きいので大きいケースに。小さすぎて動けないとそれもストレスになりますので。
上にたっぷり水苔を。実際に振って、動いていないか確かめましょう。
空気穴は四隅に1つづつでOKです。テープ止めを忘れずに。
発泡ケースにも穴を忘れずに。冷たくなりすぎないように今回は下に穴を開けました。ドライバーの太さくらいでOKです。両サイドに一つづつ開けました。
発泡ケースに生体を入れたら、それも動かないように新聞紙などでパッキンしましょう。とにかく中が動かないことが大事です。また新聞紙は、一度ぐちゃぐちゃにしてから再度開き、詰めていくと、振動も吸収してくれます。
あとは絶対にあかないようにガムテープ止めです。
以上です。
とにかく六脚道で大切にしていることは、ケース内が「ビチャビチャ」にならないこと。
これは、夏も冬も変わりません。
冬は、24時間効果が続くカイロや、12時間効果が続くものと用意し、輸送時間を計算して使い分けています。
暖気は冷気と逆に上に上がっていきますので基本は下に入れます。しかし、カイロにも最大温度があり、60℃以上になるものもあります。
そのため、新聞紙の厚さや空気穴で調整するようにしています。
また、「天気予報を見て、送り先の気温」なども考慮してください。
六脚堂で購入する場合も、こちらから色々指定させてもらい、別料金がかかってもあれこれ注文をつけさせていただいています。生体が無事に届くことを前提にできるだけ「ポテンシャルを下げない」ことを優先しています。
是非皆さんも、梱包には気を使ってください。生体を大切にしていると思っていただけたら、リピートで購入いただけると思いますし、この業界も発展するかと思います。
是非、生体に優しい梱包を目指してください!
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