発送時における梱包方法(六脚堂:冬バージョン)
カブトムシ・クワガタをネット通販などで購入すると、送り主さんによって様々な梱包方法で商品が到着します。
六脚堂は札幌なので、多くの地域からは翌々日到着になってしまいます。が、余程のことがなければカブトムシ・クワガタは死着というのはありません。
しかし、1〜2月の厳冬期はそうは行きません。
とはいえ、六脚堂が冬に購入した虫たちも、こちらから販売した虫たちも死着はありません。やり取りは100件程度でしょうか。
輸送において、クワガタ・カブトムシは呼吸ができるかどうかの空気穴問題よりも、
・大きな温度変化
・湿度
の2点が大きく個体へのダメージを与えてしまいます。
(空気穴に関しては、本当に小さくても2日間ならほぼ問題はありません。)
少しでも皆さんの助力になればと思い、本件をお伝えしようと思います。
□□□ 冬の梱包 □□□
12月〜3月。札幌は例年1〜10℃。夜は-5℃になることも。
北海道内での輸送なら、カイロさえ効いていれば翌日到着で全く問題なく到着します。(大雪で輸送トラブルを除く)
大雪は交通マヒが恐ろしいので、天気予報だけでは判断ができませんので注意は必要です。
なので、ここはあくまで、冬の輸送のポイントをお伝えしようと思います。
必要なもの
・ダンボール箱
・発泡箱
ここで大切なのは、ダンボール箱か、発泡箱かの選択です。夏の梱包編でも書きましたが、熱をキープするのはダンボールのほうが若干優れております。
しかし、厳冬期の場合は下記の様に段ボール箱の中に発泡箱を入れるのが最強といえます。
・カイロ
六脚堂では、輸送距離によって10時間〜24時間を使い分けています。
24時間タイプのカイロは取扱店舗が道外は少ないと聞きます。
最後に
・新聞紙
となります。これらをどの様にセットするかが大切なポイントになります。
【カイロを入れる際のポイント】
この様に、新聞紙などにくるむのは、高温になっても直接の暖気をケースに与えない。という面では非常に良いのですが、これだとカイロに「酸素」が不足し、すぐに冷たくなってしまうのです。
なので、カイロ用の空気穴を作ります。穴の位置は、フタ部分、横、下、カイロの温度をどのくらい保温に使いたいのか。によって選択します。
この空気穴の部分にカイロを貼り付けることで、規定時間通りにカイロは機能してくれます。
これはダンボールでも同様です。
穴の部分にカイロを貼ります。
カイロのスペックによって、最高45℃を持続するものや60℃を超えるものが有ります。
箱の大きさ、生体のケース、生体の数、によってカイロの数が決まりますが、六脚堂では60サイズの発泡ケースなら1つ。120サイズなら3つとし、天候と温度によって暖気の逃げ道用の穴を増やして調整するようにしています。
通常、春・秋の保冷保温が不要のときは穴はボールペンサイズを2つにしております。
なので、冬は4〜8箇所の穴を開けて調整します。
【次にケースです(夏冬同様です)】
今回送るのはグランディスオオクワガタのペアです。プリンカップは高い確率で脱走します。
半日で穴を開けてしまいます。(固い材を噛み切って穴を掘りますから、プラスチックも余裕ですよね。
よって、100均などで販売されている硬質なプラケースを採用します。(塩ビのタッパーなども穴を空けます。)
水苔をそのケースに入れるのですが「無加水」です。そこに、硬絞りしたティッシュで水分をまかないます。このティッシュを掴ませて、個体に安心感を与えます。
なお、ケースに関しては500〜800CCの菌糸ボトルなど、丸いもののほうが削りにくいため理想ではありますが、輸送サイズが大きくなるのでここも、購入者さんと相談の上で決めることも有ります。
ティッシュを2枚ほどを湿らせて、、、
ギュッと絞って丸めます。
これで2日分の水分は充分に賄えます。また、『購入者さんに確認をした上で』ゼリーは入れません。きちんと管理していれば、2日くらいは平気です。(産卵セットに入ったら2週間は食べませんしね。)
逆にゼリーを入れて全体が湿り、「蒸れ」が起きることや、ゼリーがこぼれて気門を塞いだり、空気穴を塞いでしまう事故のほうが怖いです。
上にも水苔を足して、揺れても個体が動かないようにしてあげます。これは大事です。トラックの移送中に常に動いてしまうとストレスで体力を使い切ってしまいます。
クワガタ・カブトのパワーを見くびってはいけません。人間のサイズに換算すると、1トンのものを運べます。蓋くらい簡単に開けてしまいます。なのでセロテープを十字に巻き付けてください。
♂は大きいので大きいケースに。小さすぎて動けないとそれもストレスになりますので。
上にたっぷり水苔を。実際に振って、動いていないか確かめましょう。
空気穴は四隅に1つづつでOKです。テープ止めを忘れずに。
発泡ケースにも穴を忘れずに。ドライバーの太さくらいでOKです。両サイドに一つづつ開けました。(暖気は上から抜けていきますので、下に開けます。)
発泡ケースに生体を入れたら、それも動かないように新聞紙などでパッキンしましょう。とにかく中が動かないことが大事です。また新聞紙は、一度ぐちゃぐちゃにしてから再度開き、詰めていくと、振動も吸収してくれます。
あとは絶対にあかないようにガムテープ止めです。
以上です。
とにかく六脚道で大切にしていることは、夏も冬もケース内が「ビチャビチャ」にならないこと。これは、夏も冬も変わりません。
夏は、冷凍ペットボトルや、保冷剤を用意し、輸送時間を計算して使い分けています。
冷気は暖気と逆に下に下がっていきますので基本は上に入れます。よって、カイロは下に。ただしケースの数や置き方によっては横につけることも有ります。
さらに、新聞紙の厚さや空気穴で温度を調整するようにしています。
また、「天気予報を見て、送り先の気温」なども考慮してください。
六脚堂で購入する場合も、こちらから色々指定させてもらい、別料金がかかってもあれこれ注文をつけさせていただいています。生体が無事に届くことを前提にできるだけ「ポテンシャルを下げない」ことを優先しています。
是非皆さんも、梱包には気を使ってください。生体を大切にしていると思っていただけたら、リピートで購入いただけると思いますし、この業界も発展するかと思います。
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