♀が卵を生んでいなかった時の考え方
〜産卵セットに卵がなかった時〜
こんな事、良くありますよね。
良くあっては困るのですが。でも、なぜ産んでいなかったのかの原因を特定できないことには次のセットも産んでいない確率は高まってしまいます。
これはあくまで生き物の話です。昆虫と言語によるコミュニケートはできませんので、特定はほぼ不可能だし、♂♀のポテンシャルによるものも非常に大きいと感じています。そこで、♀が卵を産まなかった場合、どんなことが起きているのかを六脚堂バージョンで考察いたします。
まずはどんな原因が考えられるのか。
これを挙げていくにあたり、♂、♀ともにダメージが無く正常である。と言うことを前提に上げていきます。前述しましたが、♂の生殖機能に問題があった場合、♀の生殖機能に問題があった場合。これが起きている確率は決して低くは無いと思っていてください。
良く、うちの♀が産まなくて・・。という質問をいただくことが良くありますが、根本的に駄目だったことも考えられるのです。
では挙げていきたいと思います。
※あくまでも要素として疑う部分になりますので、全てにおいて確実では無いことをご容赦ください。
1)成熟していたか
後食を初めてすぐにペアリングさせて、産んでくれる子もいます、そしてちゃんと孵化します。そういったケースはクワガタでもカブトムシでもよく聞く話です。
ただし、多くの場合は成熟前にペアリングを行うと、無精卵しか産まなかったり、ペアリング後に突然☆になったり、いいことはありません。
種によって、後食〜成熟までの期間はまちまちなので、調べておくことが大事です!
色虫系のノコギリクワガタは成熟まで6〜9ヶ月かかることもあります!
2)ペアリングは確実にできている?
カブトムシなどはハンドペアリングで確実に成功しているところを目視できたりしますが、ハンドペアリングの難しいクワガタだと、同居ペアリングをしなければいけません。
目視できなかった場合は、
□同居から、最低3日、長くて5〜7日を完了の目安にされる方が多いようです。
□メイトガードをしているかどうか。で判断します。
(メイトガード・・♂が♀に覆いかぶさり守っている様子。)
3)産卵セットは適切だったか
カブトムシ、クワガタ、種によって産卵行動を起こすためのセットがあります。
3−1 マットの種類
・針葉樹マットには卵を生みません。広葉樹のマットを使用します。
さらに、マットの種類も大切になります。 微粒子かどうか。などのマットの粒に工夫が必要な種や、 樹木に近い1次発酵のものか、2次発酵以上で完熟に近いものか。はたまた真っ黒の土に近いものか。
これらも、カブトムシや、クワガタでもさらに種に依存しますので、確かめてみましょう。
なお、しっかり《ガス抜き》されていたかどうかもポイントとなります。ガスは、バクテリアが生きている以上必ず発生するもの。これも用意したマットの特性にもよりますが、購入時にどの様な特性のマットなのかを確認しておきましょう。
・材に卵を産み付ける種(材産み、と表現します。)には、産卵木が必要となります。
子の産卵木も、すべてマットに埋め込むのか、半分だけ埋めるのか、転がしと言ってマットの表面に置くだけなのか。バリエーションが必要だったりします。
さらに、種によって産み付ける材の硬さの好みが違うこともあります!というよりもあります。
・オオクワ系→硬めから中くらいのが好き
・フタマタ,ヒラタ,ノコギリ,ニジイロクワガタ、あたりは柔らか目が好き
など。(セット状況や加水状況で一概には言えませんが!)
・強く握って水が染み出ない程度。という表現が良く使われますが(六脚堂でも使っています)多めになっているケースを良く聞きます。近くに部位r−℃されている方が居なくてリアルに見ることができない方は、イメージよりも少なめにしたほうが結果が良いような気がします。
ぐっと握って、ぱっと開く。崩れなければOKです!ただ、マットが微粒子だと団子になりやすく粒子が粗いと団子になりにくいのです。ゆえに、微粒子のときに加水が少なく、粗いときに加水が多くなりがち。
結局どっちだよ!!と言われそうですが笑
握ったときに、手にマットが少しまとわりつく?感じであればOKです。手が濡れるようだと多いと私は判断しています。
・産卵セットの温度です。一般家庭では朝、日中、夜と気温の変動が10℃近く起きる時期もあると思います。なお、ケース内は加水のため蒸れが起きると3〜5℃、部屋の温度よりも高くなることがあります。蒸れが起きるようでしたら少し設定温度を下げてみましょう。
ブリーダーさんの中では、23℃でだめなら組み直して25℃。25℃でだめなら27℃。と変化を与えて産卵を促す方法をとっている方もおります。
六脚堂では、ムシの最適温度を見分けながらですが23℃程度でスタートします。
ご参考までに
・暗所で静かに置けたか。が結構ポイントだったりします。六脚堂では暗いスペースに置けない場合は、ケースを2重にした新聞紙で巻いています。音はしょうがないのですが、最低限明るくないように配慮しています。
虫たちは本当に敏感なので(鈍感な子も居ますが笑)、暗所においてあげると良い成果が出たりします。
・普通なら調べようもありません。ただし、♀を複数頭用意できていれば検証は可能なのですが現実的な話ではありません。
しかし、上記全てに問題がなければもう、♂の生殖機能を疑うしか無いのです。
・♂の生殖機能同様、♀に問題がある場合もあります。1♂から2♀に掛けて、同条件を用意したときに片方は産むのに片方は産まない。
そんなことは結構あるものです。六脚堂で昨年3♀に掛け、1♀は0個。2♀は爆産。3♀はちょぼちょぼ。というケースがありました。
まとめ
これらをチェック項目として、産まなかった原因をしっかりと検証しておくことは今後のブリードに活かせる経験値となりますので、是非チェックしてみてください!
また、たくさん♀を用意する。というのが確実に数を採りたいときのブリーダーさんの手段です。うちではせいぜい2♀ですが(^o^)
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