レイシ材の産卵セットの作り方
成虫をペアで迎えたら、必ず思います。この子達の子供を残したい!
幼虫から育てて羽化するまでを観察したい!
そのためには、♀に卵を産んで貰う必要があります。
そして、卵を産むための大前提として、「ペアリング(交配)」を済ませている必要があります。
ペアリング後、普通に飼育している環境とは違い、より♀が卵を産みやすい状態を作り上げること。これを産卵セット。といいます。
今回は、レイシ材(カワラ材)での産卵セットの作り方をお伝えします。
まず、あると便利なものはこちら。(写真の材は一般的な材です。)
・トロ船(緑色のプラケース)
建築現場で使われるもので、マットと水を混ぜたりする作業が楽になります。
・園芸スコップ
端が角になっている方が使い勝手が良いです!
・マットプレス(右上の銀色の専用工具)
マットを固めるのに便利なグッズです。拳で押し付けても構いません。
※木製のものからアルミ製まで様々あります。
・レイシ材
・昆虫ゼリー
産卵中は動かしたり覗いたりしないよう、ゼリーをたくさんおいておきます。
六脚堂では、すぐに潜る♀が多いので置かないこともあります。
・転倒防止材
ひっくり返った時に復帰できるものをおきます。今回はレイシ材を使いますので
樹皮を使いましょう。
(白いレイシの部分をつけっぱなしにしておくとコバエが出やすいので私はきれいに取ってしまいます。)
□□□ 作り方の手順 □□□
1:マットに加水をします。
レイシ材は水分が多いので、少なめで大丈夫です。
私はレイシ材やカワラ材のときは加水をしません。
※マット産みをしないタランドゥスや、オウゴンオニ系の場合は、マットを引く必要はありません。材が転がらないように、針葉樹ペレットなどでOKです。
水分量はマットをぐっと握って、
パット開いた時に固まるくらい。
で、ちょっと押すと固まりがほぐれる程度が目安です。
あまり水分が多いと、産んだ卵に酸素が行かずに腐ってしまうので注意です!また、マットが再発酵(リンク)することもあります。
2:次にレイシ材の準備をします。
特殊な通気口のあるビニールに、大体1〜2本セットで販売されております。すぐに使わない場合に常温保管をすると当然傷んできますので注意が必要です。保存する場合は、冷蔵庫や10℃程度の場所に保管してください。
水分が多いのと、きのこが育ち、材がどんどん柔らかくなってしまいます。使いたい時に良いタイミングで購入するのがベストです。なお、ブリードする環境に1~2日置いて温度をなじませることをおすすめ致します。
袋を開けるとこんな感じです。
材の周りにびっしりと菌糸が張り巡らされています。(写真は植菌カワラ材です)
硬さのチェックです。千枚通しでグッと差し込むと、サクッと入るくらい。ちょうど良い硬さです。
側面はどうでしょうか。こっちもサクッと入ります。
菌を剥がすのはなんとなくもったいない気がしますが全ての皮を削ぎ落とします。
削る工具は100均でも購入ができます。ステーキナイフでもなんでもOKです。
中のオレンジ色の部分もすべて削ってしまいます。
(写真が赤っぽいので全てオレンジに見えますが、リアルでは白くなりました。)
なお、切り口の部分だけ剥がし、樹皮側を剥がさないブリーダーさんもいます。材が乾くのを防ぐ考え方と、樹皮と材の間に生むケースがあるからです。
六脚堂では、産卵セットを作る際にスペースの都合上「クリアスライダー」や「デジケースHR-2」を使うことが多いため、皮を剥いでしまいます。
(この2ケースは、空気穴が小さいので湿気が溜まりやすいのです)
3:次にケースの底面から2~3cmほどマットを固く詰めます。
4:その上にレイシ材を横に入れ、転がらないように押し付けて固定します。
※ちょっとマットを熱く引きすぎました!この半分で充分です。なお、ホペイやコクワ系でレイシ材を使う場合は8割ほどマットで埋め込みます。
5:ここでひと手間入れます。
クリアスライダーなど、保湿に優れたケースの場合、レイシ(カワラ)材は水分が多い為ケース内が蒸れてしまうのです。そこで、蓋を開けた状態で2日ほど水分を飛ばします。そのままだとコバエがついては困るので、洗濯ネットに包んでしまいます。
特に、材を埋め込む場合のセットで起きるのですが。材の水分でマットが発酵したり材自体がグズグズになって卵は腐り、ベチャベチャの状態にしてしまうというミスもありました。
そんなときは、蓋の裏側や側面に相当な結露が見られていました。当然乾燥し過ぎも良くはありませんので微調整が必要です!
このネットは100均で、「洗濯用ネット」として販売されております。目の大きいものもありますので、購入する際は細かい方を選んでください!
6:あとは2〜3日後に、♀ちゃんを入れるだけです。
是非参考にしてください!
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