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カブトムシ・クワガタ、羽化後の管理方法

KAZ.YOSHII

クワガタ・カブトムシのブリードをスタートし、幼虫が初めて蛹になり、そして成虫になったときの感動って忘れられない感動の瞬間になりますよね〜。 

今はyoutubeやブログでも、様々な情報が事細かく公開されているのですごく困ることって少ないと思います。

思い返すと、自分が探した情報でとても少なかったのが、人工蛹室や羽化したあとの管理の話。こうしたら大きくなるよ!的な情報は多いのですが、羽化して休眠中はどうする?とか何に入れておいたら良いか。

この情報がなかなか見つけられませんでした。

本来ならボトルの中で羽化し、体が固まったら上に出てくる。(自力ハッチ)

その頃にはもうお腹が空いていますので、出てきた瞬間に後食開始!となりますが、人工蛹室で羽化した場合は、しばらくぼーっとしてます。自然界なら本来は土の中にいますからね。

カブトムシ・クワガタとしての見た目(外骨格)は出来上がっていても、体の内側(内蔵・消化器官など)が出来上がっていない。そんな状態なのです。

しかし、ボトルの中で羽化したのは見えていても、コバエの発生やダニが徘徊しているなど、マットの状態が悪い場合、救出しなきゃいけないケースや、限られたスペースで飼育しなければいけないので場所を確保したい場合。

そんな、理由があっての羽化掘り出し。

ソコからの管理方法を、六脚堂での手法をこのページではお伝えいたします。

□□□今回は羽化後の管理 □□□

2令幼虫の状態で飼育ができなくなったというお客様がおりまして。六脚堂が里親になったスマトラオオヒラタ君(アチェ産)です。

この子のボトルは蛹になった時にコバエが湧いておりまして、救出下個体で人工蛹室に避難。

23年9月に無事完品羽化してくれました。(小さいけど。)

ちっさ!!

実は他の兄弟はまだ幼虫で、この子だけ早期羽化しちゃったんです。でもしっかり立派な姿で羽化してくれました。幸せです。

では一応計測を。

羽化後2週間くらいです。体も赤みが取れて黒々としていますので避難いたしましょう。(羽の部分やお腹が赤いときはまだ体が固まっていないので動かさないようにしましょう。)

活動はまだしませんので、小さめのケースで大丈夫です。

マットにはしっかり霧吹きしておきましょう。乾燥はさせないように気をつけてください!

取り出したるは、ティッシュ。

2枚を重ねて半分に。これを裏表に霧吹きします。びしゃびしゃにする必要はありません。

それを布団のようにかけてあげてください。そして暗く静かな部屋に置いて置きましょう。明るく振動の起きる場所では驚いて落ち着けません。

エサや水はいつあげるの??と思うかも知れませんが、スマトラオオヒラタは小さい子で2〜3ヶ月。大きい子で4ヶ月はエサを食べません。

むしろこの時期に与えてしまうと、消化器官ができていないので突然☆になったりしてしまうのです。お気をつけください。

(エサを食べるタイミングは種類によって違うのでTOPページから種類名で検索してみてください。)

その2〜4ヶ月間で気をつけることはとても簡単。いじらないことです笑

暗所で管理しつつ、乾燥させないように気を付けます。10日に一度くらい、ティッシュを交換してあげましょう。(管理している湿度や環境で乾くのが早い場合は調整してください。)

活動を始める合図としては、このティッシュがボロボロになっている!という日がやってきます。それが活動を始めた合図であり、ゼリーを入れるタイミングになります!

写真は、ラテラリスノコギリクワガタ。

この子は23年10月15日に羽化を確認し、2週間程度放置していましたがボトルを空けたかったので掘り出しました。

プリンカップは80cc。羽化したときのボトルに入っていたマットをひいて、湿らしたティッシュを被せます。この子は、自力ハッチではなく、掘り出した個体なのでもう少し休眠すると思います。

(写真に生体が写っていませんね笑)

2週間ほどでティッシュがボロボロになりました。エサを探し始めている合図です。この状態になったら16gゼリーの1/4くらいを入れて、舐め始めるを待ちます。

この、エサの食べはじめを、「後食(こうしょく・ごしょく)」と言います。

これで完璧です!

羽化後の管理をしっかり行なって、次のペアリング、産卵もしっかりと行えるように

してあげましょう!

他にもバリエーションが出来たら追記します!

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2023-05-01

羽化後の管理『その2』

 本来カブトムシやクワガタは、土の中で羽化して体の中がしっかりと出来上がるまで地上には出てきません。

しかし、人工蛹室で羽化させた場合やマット交換の際に羽化したばかりの成虫を掘り出してしまった。という時はどうしたら良いのでしょうか。

羽化直後のクワガタ・カブトムシは体も固まっておらず、後食も始まっていないため、本来は暗く静かなところに保管してあげたいところです。

パプアキンイロクワガタ:上翅はまだ透明で、翅もこれから閉じられるタイミング。

しかし、羽化直後にどのような管理をおこなっていくか。私がブリードを始めた頃は周りに知人がおらず、ネットで探すことしか情報はありませんでした。

(近くのショップさんはなんか話しかけるのが難しい環境でして。)

繭玉から割り出したメリーメンガタクワガタ。まだサナギの殻を被っている状態。

1番困ったのがこれ!とは言いませんが、実際にyoutubeでも羽化後管理の情報は少ないですし、本当に苦労しました。

そこで、私が見聞きしたいくつかの例を私自身の実例として上げていきますね。

その1)

この子はボトル内で羽化し、1週間位で掘り出した「サビイロカブト」の♂です。

せっかくだからサイズを測っておきましょう。41.8mmと大きめです。

霧吹きで湿らせたティッシュをプリンカップに詰め、上に乗せてあげます。

更に上に被せるティッシュを用意し、霧吹きで湿らせ

上から被せてあげます。その際に蛹室のように空洞を作るように、少し膨らませて

乗せてあげましょう。

カップには羽化日など記入して管理して下さい。サビイロカブトはおよそ1ヶ月位で後食を始めます。羽化後およそ1ヶ月後程度経過すると、ティッシュをぐしゃぐしゃになるタイミングがきます。それがゼリーをあげる合図です。

この子達はお腹が空くと、エサを求めて行動を開始し、飛ぼうともします。それまでの間、注意をしなければ行けないのは、カップ内の環境を「乾燥」させないように、定期的な霧吹きは忘れないでください。

ただしベチャベチャにする必要はありません!カラカラに乾燥をさせないということです。

また、ティッシュとはいえ2週間位で劣化してきますので、これも取替を忘れずに。

あ、空気穴も忘れないように!針で5~6箇所もあいていれば充分です!

その2)

こちらはヘラクレスの♀ちゃんです。人工蛹室で羽化して10日ほど。動き出してしまうとオアシスをぐちゃぐちゃにされてしまうので、小さなケースに移しました。

(活動前は動かないので小さなケースでOKです。)

明るいところは怖がり、すとれすになりますので潜ることができるくらい、5cmほどマットを引きます。

サイズも測ってしまいました。ちょいと小さめの子ですね。

マットの上から湿らせたキッチンペーパー(もしくはティッシュ)を被せておきます。保湿の意味合いと、活動を始めたらペーパーをグシャグシャにします。そのタイミングでゼリーを与えるようにしています。

その3)

こちらはゴホンヅノカブトくんです。この子達はなんと!後食するまでの休眠期間が約1年!長い!

そのため、広葉樹チップを使っています。広葉樹チップは個人的に一番劣化までの時間が長いと思っているので、交換の手間が減ります。

また、針葉樹チップは羽化直後の成虫には良くないと思ってもいます。(防虫、ダニ排除効果があるぶんクワガタ・カブトにも影響があると感じています)

それと、水苔を使う場合も一度水に晒して少し日陰干しさせています。クワガタはそれほど影響を感じたことはありませんが、カブトの場合は管理中(休眠中)に☆になってしまうことがあったので少し不安です。

保湿もかねて霧吹きしたキッチンペーパーを被せています。

こちらも乾燥させないように、(忘れることの無いように)スケジュールに【霧吹き】

と入れてあります笑で、テープで止めて重ねて隅っこにおいております。(後食まで先が長いので。。)

※ちなみにゴホンヅノカブトはみなしっかりと目を覚まして累代飼育に入っております!

その4)

こちらは人工蛹室羽化ではありませんが、グランディスオオクワガタの2000菌糸

ボトルで自然蛹室羽化。

ボトル内で羽化し、露天掘りした後、そのまま後食までボトル管理している状態です。

グランディスなどオオクワガタも後食まで4〜5ヶ月の期間がありますので、一緒に育った共生菌と一緒に過ごしてもらうほうがこの子達には優しいのだと思います。(ちょっとした実験も兼ねているので)

ココでも、乾燥を避けるために湿らせたティッシュを。汚れた様子から、結構動き回ったあとがありますね。

ティッシュをめくると。。。下に潜っていました。

ティッシュがボロボロに引っ掻かれた状態になったら管理ケースに入れ、ゼリーを与えてみようと思っています。

その5)

こちらは、ミャンマーグランディス(moriyai)(左)とラオスグランディス(右)の管理中生体です。この子達は広葉樹マットと保湿に水苔を使用しています。

※この迫力の差がわかるでしょうか! 左の子はあわやレコードクラスでした。

普段はこんな感じで隠れています。定期的に水苔に霧吹きをかけています。ティッシュは使っていません。なんとなくです笑

(一番近くに置いているので、変化があれば気が付きやすいのです。)

これらの他にもマットだけではなく、ハスクチップ、広葉樹マット、水苔、様々なもので休眠管理が可能です。これはブリーダーさんによっても違うところがあります。

正解も不正解も無いのがカブクワ飼育ですし、休眠があける前に☆になる子もおります。その場合は自分の管理不行き届き以外の場合は、「天命」出会ったとおもい、手を合わせてあげましょう。

生き物である以上、そして声を発することが出来ない昆虫である以上は、原因もわかりません。

MEMO

ノギスについて。

ちなみに私は、成虫のクワガタのサイズを図るために、ロングジョータイプを使っています。

元々持っていたノギスでは測れない種もいたのでとても探しました!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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