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アヌビスゾウカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『アヌビスゾウカブトとは』

ブラジル南部、パラグアイ東部、アルゼンチン北部に生息する、「毛の生えている方の」ゾウカブトです。

同じく「毛の生えている方」のエレファスゾウカブトや、ギアスゾウカブトに比べると体長はひと回り小さく体長は♂60mm - 90.4mm、♀40mm - 65mm程度です。

上翅は黄褐色で5〜7本の縞模様がありとても美しく近年人気のゾウカブトです。名前のアヌビスは、古代エジプトの神様で頭がジャッカル、カラダが人間の容姿をしているアヌビス神から来ています。

見た目で名前を決めているわけではないですね笑

かわいいにも程があるくらい可愛いので。

そこで、ちょっと気になったので、ゾウカブト有毛種の生息MAPを作ってみました。

近年、亜種が変更されたりしているゾウカブトではありますが、エレファスはメキシコ南部とコロンビアに生息。日本に流通しているのはほぼほぼメキシコのカテマコ産。

中央アメリカ、南アメリカにも分布と何かで見たこともありますが、流通しているものは見たことがありません。なお、ssp表記ですが、コスタリカ コルコバード産のものが流通していますね。

ギアス系はブラジル周辺ですね。そしてアヌビスはアルゼンチン北部、パラグアイ、ブラジル南東部と横に分布しています。が、日本で流通しているのはブラジルのサンタカタリーナ(海沿いの街)産のものがメインです。

有毛のゾウカブトはエレファスが一番手に入りやすいと思います。六脚堂でも最初はエレファスからでした。

なんというか、ヘラクレスなども所有感満載なのですが、どんどんのめり込ませる魔力がこの有毛ゾウカブトにはありまして、一度着手するとギアスやイイジマ、オキシデンタリスも欲しくなってしまいます。そしてテルシテスやヨルゲンセンなどヒメカブトにもてお伸ばしてしまうのです。

雰囲気的には、ヨルゲンセンヒメゾウカブトの巨大版。

上翅の縞模様はリアルで見るととてもきれいですよ。

新成虫(未後食)なので、歳を追うことで体毛はどのように変化していくのでしょうか。

とても楽しみです。エレファスは剥げて黒くなっちゃいますからね。

♀も同様の縞模様。色合い的にはエレファスに近いのですが、独特な模様なので見間違えることは無いと思います。

上翅の模様は♂に比べると堀が少しだけ薄いです。

ゾウカブトの♀。というしっかりと厚みのあるフォルムです。あーかわいい。

和名:アヌビスゾウカブト

学名:Megasoma anubis

このページではアヌビスゾウカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は活動開始後、約半年。(温度管理下で)

後食まで約5〜6ヶ月かかります。ゾウカブトでは珍しく休眠が長い種です。

飼育温度:

20~25℃前後(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)

成虫育成メモ:

成熟の目安は後食からさらに1ヶ月後程度でしょうか。焦って無精卵を産ませないようにしっかりと成熟させたいところですが、寿命が長く無いのでタイミングを見定めましょう!

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。

同居ペアリングの場合は4~5日一緒にしておきます。

ハンドペアリングの場合は、30〜40分程度で終了しているようです。

ペアリングの詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

【産卵に使用するマット】

廃菌床ベースのマットよりも、無添加完熟系のカブトマットがマッチしているようです。

ブログなどでよく見るケースとしては、産卵セットから1週間毎に採卵してプリンカップで卵を管理し、10〜20個くらい採れているようです。

産卵には若干のクセを持っていますので、産卵用のマットに中古マットを混ぜて結果を出している方もいらっしゃるようですね。

産卵温度

22℃~25℃程度。

冷えていても高めの温度でもスイッチが入らなかったりします。ちょっとクセありです。

ケースサイズ

使用するケースは、中ケース程度が良いと思います。

【お勧めのエサ】

完熟系カブトマットがおすすめです。ヘラクレス用のマットでもOK。

【容器】

初2令は800CC程度。♂♀ともに3令で1400CCへ引っ越しさせます。羽化まで1400で大丈夫でした。

【えさ交換回数】

交換は途中2〜3回程度。

【設定温度】

20~22℃程度。

他のゾウカブトよりも低温になります。温度が高いとサナギでも☆になったりします。

【孵化から羽化までにかかる時間】

1年半~2年程度。

幼虫飼育は、温度変化が大きかったりすると☆になりやすい種ですので、できるだけ一定に保つことが必要です。

サナギになってからも同様で、過度な温度変化や何度も観察してしまうとこれも☆になる原因になりますので、飼育はそっと見守ることが大事です。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2024年10月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-01-20

アヌビスゾウカブトは難しい? 幼虫〜羽化まで。

【23年1月17日】

この時期になると、北海道民はオークションなどで購入することを躊躇することになります。

まあ、梱包の状態によっては死着、良くても仮死状態。もしくはグレードダウン。

そんなおり、仲間から仕入れさせていただきました。「アヌビスゾウカブト」です。

エレファスイチオシの六脚堂としましては、有毛ゾウカブトはコンプリートしたい気持ちになるわけです。また、このブログでも様々な種を、自分が手を掛けた種を紹介したいと言う思いなもので、しばらく増種が続くのです。

ということで今回届いたアヌビスたんのスペックですが、

【累代】CB

【産地】ブラジルサンタカリーナ

【種親サイズ】 ♂75mm × ♀56mm

【孵化】22年11月採卵 初2齢〜 5頭セット

【23年1月20日】

最初のマット交換は、プリンカップから出してボトルへ引っ越しです。

マットは月夜野さんの「きのこマット」で。

【23年3月10日】

ちょっと早いけどマット交換へ。 雌雄判別を行い、♂はDAISOの1.9リットルサイズのタッパへ。

【23年6月8日】

小バエがすごいことになりました。タッパは勝手に緩みが出てくるので、コバエの侵入を許してしまうんですよね〜。やはり専用飼育用品が良いんだよね。ということで1400CCボトルに移し替えます。

1)46♀

2)56♂

3)38 ♀

4)42 ♀?

5)46 ♂

ココまで写真を残しておらずすみません。

結構、体重減が目立っていました。きのこマットのガス抜きや熟度を少し上げたりする期間を採るべきだったのかも知れません。

マットの管理ミスで、あまり大きくできておりません。。。。

【24年1月31日】

マット交換します。

今回からラッシュとアルプスマットを投入です。きのこはやっぱり良くなかったかな??

半分まで痩せちゃいました。。。これはきつい。

タイミング遅すぎるけど、食いが良くなかった。

5g UP。微増ですね。

他のボトルは3g UP、1g減、4g UP。など微増。もう3令だからかも知れないけど、全体的に食いが良くなく、再発酵したわけではないし、単純にきのこがあってないイメージだったので今回からラッシュを投入。

幼虫期間は1年半から1年と10ヶ月くらいなので、あと1回交換くらいでサナギでしょうか。

そして1頭☆になっていました。。

今回は幼虫達が皆、ほやんほやんなのです。ハリがない。マットのせい?

【24年7月20日】

マット交換。

一頭蛹になってました。他も黄色め。アヌビスはマジで楽しみですねー。飼育レコードは90mmなので、この体重では80mmも微妙かもしれません。

この子達で繋いで、マットのデータも採れたので次は親超え、祖父超えを狙いたいものです!!

【24年12月10日】

大変おまたせいたしました。孵化から約2年を掛けて、羽化個体の紹介です。

最後まで4頭2ペアで残ってくれると思っていたのですが、3♂1♀でした。そして♂1頭がサナギで☆に。

♀じゃなくて良かった〜。

どなたかが言ってましたが、サナギでいじったり掘り出したりすると☆になりやすいよ。と。

本当に無念。。。

更に後食まで6ヶ月あるので、しっかりと後食できるまで管理できるかが勝負ですね。

これだもの。ヤフオクでペア1万超えしますよね。きっとショップさんなら2万は超えるでしょう。

産みしぶりもさることながら、圧倒的にナーバスであること。丸2年近く羽化までかかること。これを考えると数も増えないので希少と言えますよね。

ましてや可愛い。目が大きくて可愛い。胸角の申し訳無さもかわいい。

まるで大きなサビイロカブトですよ。

では紹介です。

新成虫なのでストレスを与えたくないのでサイズは測っていませんが、案の定サイズは70mm程度です。

でも良いんだ!!完品羽化してくれれば!!

カブトムシとしての「兜」な感じが出てますよね〜。かっこいいしかわいい。

背中のシマシマがまあきれい。

上から見たときの、ズングリムックリ感もたまりませんな。

頭角と胸角のバランスがまるでヨルゲンセンヒメゾウカブト。

これはやったほうがいい虫です。ボトルも1400でいいし。2年待つけど。

♀ちゃんです。この子が☆担ったら終了なので、厳重管理です。それはもうお姫様のように扱う予定です。撮影も10分で終わらせました。起こしてしまってごめんね〜。人間のエゴでごめんね〜。

エレファスなどの大型種に比べると♂も♀も足が短いので、同じ南アメリカに生息していても生態が少し違うのかも知れないですね。

前足の符節がパタンとなっているのを見ると、犬がおすわりしているみたいでマジ可愛い。

毛むくじゃら。

で、♂Bです。

♂Aと比べると、Bのほうが胸角の先の二股が広いかも知れません。上翅のシワは、手相みたいなもんで違いが出ています。

今回の羽化は2頭なので、個体差があまりわかりませんが、オオツノメンガタカブトのように胸角の先の広がり方の違いのような感じがあるのでしょうか。

そこまでは無いか笑

真上から撮って絵になる子はあまり多くは無いけど、アヌビスは絵になりますね。色の感じといい、上翅のシワといい。

あーーーーーかわいい。ペタってしてるーーー。

♀は恐らく9月には羽化。♂2頭は10月羽化なので、ちょうど春頃にでも後食が始まり、GWあたりでペアリングができるのでしょう。

虫達に囲まれると、お世話に追われるので1年があっという間だな〜と感じるようになりました。1000頭くらいでもこんなに忙しいのに、何千と飼育しているブリーダーさんはレックスとかでも一瞬で羽化する感覚なのでしょうか笑

今年度はイベントの運営にも追われていたのもありますし、来年はもしかしてショップをオープンさせるかも!!という構想もあります。

もっともっと子どもたちに飼育の楽しさと命の尊さを伝えていこうと思います〜。

□□□□ 今回使った用品はこちら □□□□□□□□

マットは月夜野きのこ園、 きのこマット

六脚堂:高栄養マット、ラッシュレギュラーマット

ケースは1400CCボトル

□□□□□ AMAZONリンクです □□□□□□□□

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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