ヤエヤママルバネクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『ヤエヤママルバネクワガタとは』
まずお伝えしておきたいのは、ヤエヤママルバネクワガタは沖縄県の石垣島と西表島に生息するクワガタで、現在は生息数が減少し準絶滅危惧種に指定されており、石垣島では採捕が禁止されています。
採集は禁止されていますが、現状飼育者が持っているものについては累代が可能。とはいえ、近年採集禁止にな理想な種として挙げられています。
特徴としては、体は赤褐色から黒褐色で光沢があり、体高が高く、特に♂のアゴは短めで内歯が発達しています。
(すいません。一刻を争ったので、ダニが付いたままの撮影になってしまいました。)
1〜2ヶ月ととても寿命が短いので、それもあってすぐに産卵セットを組みたかったのです。
大きな個体になると、もう少しアゴがのびて内歯が大きく張り出し、「両手を差し伸べるような形(伝わらないかな。。)」で立派になるのですが、マット交換のタイミングが遅く前蛹になってしまったので、このような結果に。。。
詳しくは下の記事でレポートいたします。
体長は♂:40~67mm、♀:30~45mm程度になります。
なお、この種は八重山諸島に生息する一種なのですが、マルバネクワガタには結構なバリエーションがあります。
和名 | 学名 | 分布 |
---|---|---|
チャイロマルバネクワガタ | Neolucanus insularis | 石垣島,西表島 |
ヤエヤママルバネクワガタ | Neolucanus insulicola insulicola | 石垣島,西表島 |
(ヨナグニマルバネクワガタ) | Neolucanus insulicola donan | 与那国島 |
アマミマルバネクワガタ | Neolucanus protogenetivus protogenetivus | 奄美大島,徳之島 |
(ウケジママルバネクワガタ) | Neolucanus protogenetivus hamaii | 請島 |
オキナワマルバネクワガタ | Neolucanus okinawanus | 沖縄島 |
この子の累代は大歯を出したいものです。
このまま行くと、高い確率で採集禁止になると思われるので、しっかりと繋いでいきたいです。
その思いもあって、自力ハッチしてきたこの子達(ちなみに♂2♀6、2頭☆)から確実に次世代を採りたくて慌てて写真を撮りました!
こちらは♀ちゃん。
まるでツヤクワガタですね。
褐色かかったボディカラーは本当に熱いです。こんなに美しい子達が短命なのは神のいたずらとしか思えないです。もう少し楽しませてほしいのに。。
♀ばかりだったので、♂1に対して♀3で産卵セットを組みました。
次世代はちゃんと観賞用に、大きくて美しい子をとっておきたいのです。
和名:ヤエヤママルバネクワガタ
学名:Neolucanus insulicola insulicola
このページではヤエヤママルバネクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は2ヶ月程度ととても短いです。
種を残すための機能しか無いと言われています。
飼育温度:
20~22℃
成虫育成メモ:
今回六脚堂では自力ハッチを待っていたら一気に出てきたので、ゼリーを与えること無く直ぐに産卵セットを組みました。後述しますが、それでも卵を産んでいます。
温度は一定を保っていました。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
後食・成熟:
羽化後1ヶ月程度で自力ハッチしてきますので、成熟は1ヶ月と考えて良いと思います。
《ペアリング方法》
クワガタは、人がいると警戒心が強い子が多いので同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう)
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
産卵:
産卵は多少クセがあります。基本的には完熟で添加無しの微粒子マットがオススメ。
赤枯れマット、また幼虫飼育していたマットをブレンドして作ることになります。
タイプとしては非常に多産です。
水分は多目で。
RTNさんのNマットが良い結果を出しています。なお、六脚堂ではカブト一番で実験中。
産卵管理適温:
20~23℃前後
産卵数の目安:
10〜30個程度
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
無添加発酵マットで、赤枯れマットを30%〜50%混ぜます。
最初は多頭飼育で行きましょう。3~4ヶ月くらいでマットの継ぎ足しを2回程度。
1年経過後くらいから単頭飼育に切り替えです。(その前から単頭飼育だと早く?繭入りしちゃう子が出てきます。)
で、800CCボトルに引っ越しさせ、あとは繭入りを待ちます。
【設定温度】
22〜24℃をできるだけ一定にすることが理想です。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂、♀ともに1年半〜2年程度で羽化してきます。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2025年8月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
各種情報発信中!
舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★