リョフスジクワガタ(ドルクスリョフ)の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『リョフスジクワガタ(ドルクスリョフ)とは』
中国が主な産地のスジクワガタです。2022年頃は採集困難とされ日本に入ってくる数も少なく、レア種でしたが、2年経って割と見かけるようになりましたが飼育情報についてはWEBにはごく限られた数となっています。
そこで六脚堂で飼育している個体の情報をベースに掲載しますので、あくまでも参考として捉えてください!これが100%ではございません!
なお、本種は日本のスジクワガタの中国亜種となるそうです。
スジクワガタは、平地から山地にかけて広葉樹の森に広く分布しており、アカアシクワガタやコクワガタと混生することもあります特に気温が低い環境を好みます。
大きな特徴として、見た目がコクワガタとよく似ておりまして、生息地域によっては、コクワガタよりもこのクワガタのほうが個体数が多く見られる場所もあるのです。
成虫は5月下旬から10月にかけて活動し、主に夜明けから朝の時間帯に活発になります。ただし、北方地域や高山のような寒冷地では、日中でも活動が見られることがあります。
自然界での産卵に関しては、メスは広葉樹の小さな朽木に卵を産むことが多く、約1ヵ月で孵化した幼虫は朽木の中で成長します。幼虫はその朽木を食べながら生活し、約1年間の幼虫期間を経て春に蛹室を作り始めます。春に羽化した成虫は約3ヵ月後に蛹室から出て活動を始めますが、晩夏から秋に羽化した成虫はそのまま越冬し、翌年の春から活動を開始します。とあります。
スジクワガタの亜種(Wikiより)
クワガタの4つの亜種
1. スジクワガタ・原名亜種
学名:Dorcus striatipennis striatipennis
生息地:北海道、本州、四国、九州、口永良部島
大きさ:オス13.5~40.0mm(最大40.2mm)、メス14~24mm(最大26.5mm)
特徴:黒褐色の体色
2. ヤクシマスジクワガタ
学名:D. s. koyamai
生息地:屋久島
大きさ:オス20.5~40.0mm(最大40.2mm)、メス17~21mm
特徴:赤褐色で光沢のある体色
3. スジクワガタ・台湾亜種
学名:D. s. yushiroi
生息地:台湾
大きさ:オス17~27mm、メス16~20mm
特徴:複眼突起が発達
4. スジクワガタ・中国亜種
学名:D. s. davidi
生息地:中国(四川省、湖北省、陝西省など)、ベトナムでも記録あり
大きさ:オス19.7~37.3mm(最大41.8mm)、メス20.3mm
特記事項:以前「continentalis」とされていたが、2012年にシノニム(同義語)となった
なお、本種のドルクスリョフの種名は三国志最強の武将の呂布からとったようです。
D.s.davidiに非常によく似た種類でやや大型になり、内歯の開きは大きく、上側の内歯は鋭くなく、端歯は大きい。3つ山状の頭楯の両端は突出し、前胸前方のえぐれは大きい。また、交尾器も異なるそうです。
販売されている本種の中でも、D.striatipennis davidiとの混同に注意する必要があります。
ショップさんでも、下記の注意事項が記載されているところもありました。とても参考になります。
重慶と貴州北東部はリョフの模式産地です。また確定する為採集ポイントで採集されたサンプル個体の交尾器を確認しリョフであることを確認しています。D.s.davidiは四川から福建で様々なタイプがありリョフとの同定は交尾器を確認する以外方法がありません。またリョフとD.s.davidiの混生は広西から始まり貴州南東部にはD.s.davidiが生息します。
和名:リョフスジクワガタ
学名:Dorcus lvbu
六脚堂飼育個体 ♂(34mm) 重慶産(WF2)。かなり貴重個体のようです。
スジクワガタと言われても、スジブトほどのスジでは無いので判別が難しいですね。でもアゴの感じはかなりかっこいいです。
何が良いって、『呂布』の名前ですよね。三国志マニアの自分にとっては最高の所有感でしかありません。
♀も可愛いです。
♂に比べると、♀のほうがスジとなる点刻がはっきりしています。
この子達の飼育記もアップしていきますのでお楽しみに。(たくさん生まれると良いのですが。)
ここからはリョフスジクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は、1〜2年ほど。
※ペアリングの回数によっては短くなります。
飼育の適温:
18~20℃程度
成虫育成メモ:
およそ後食まで1ヶ月程度。成熟までは羽化から1〜3ヶ月程度です。
高温が苦手なので、温度管理さえできればブリードは割りと簡単な部類です。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
《ペアリング方法》
同居ペアリングがおすすめです!とはいえ、気性も荒いらしいので、入れっぱなしよりはハンドペアリング感覚で観察しながらペアリングできるのが望ましいですね。
希少種なので、1ヶ月掛けて見届けた、という方もいらっしゃいました。
1)プリンカップなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう。この種は縛らなくても問題は無いと思われます。
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
【産卵セット】
材産みですので、下に引くマットは何でもOKです。産卵木はクヌギ、コナラなどの埋め込みセットで。また植菌カワラ材やニクウスバ材で結果を出している方もおります。
【ケース】
投入する材の大きさに合わせます。コバエ抑制ケース中サイズ(セパレートケース)くらいで良いのでは無いでしょうか。多産種なので、1回でたくさん取りたいときは大ケースなどに材を2〜3本入れるのも良いのではでしょうか。ブログなど見ていると、1回で20〜30は産んでいるようです。
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
【えさ交換回数】
500ccのボトル程度で1本孵し。もしくは途中1回程度。プリンカップでも行けそうですね。
※温度やマットの劣化具合、食い進みにより変化はあります。
【設定温度】
20℃前後で管理するのが良いでしょう。
【孵化から羽化までにかかる時間】
6〜10ヶ月程度。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年10月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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