アクベシアヌスミヤマ(ユーロミヤマ)の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『アクベシアヌスミヤマクワガタとは』
ヨーロッパミヤマクワガタの一種で、トルコ中西部からシリア北西部に生息するミヤマクワガタです。
赤褐色に光る細長いしなった大アゴが最大の魅力。日本のミヤマクワガタのように体毛はなく鈍い光沢があります。
その迫力ある姿はミヤマクワガタの中の最高峰と称され、大アゴは先端の二又が大きく開く点で、よく似たユダイクスと区別が可能です。
また、体色が黒っぽくツヤがある点や触覚の先端が6節ある点で、他のヨーロッパミヤマの各亜種と区別がつきます。
2024年のBE-KUWA飼育レコードは、104.8 mm。野外では100.2mm。
なお、ヨーロッパミヤマには6亜種あり、
・原名亜種に、 L. c. cervus (ケルブスミヤマ)
イギリス南部以南およびヨーロッパ大陸全域。大顎の赤みが濃いのが特徴。原産地で保護対象である。
・L. c. akbesianus (アクベシアヌスミヤマクワガタ)
シリアとトルコの国境付近に産する。体長が90mm以上になる大型種で、後述するL. c. judaicusと同様に頭部が肥大化するように大きい。大顎の基部の湾曲が強くなり、L字に近い形となる。大顎の先端部の開きも大きい。触角6節となり、特大個体の体長は100mmを超え、ミヤマクワガタの仲間では世界最大となる。名称由来はトルコ(旧シリア)領内のアクベシアヌス地方からで、大型個体の体色は原名亜種に比べて黒っぽくなる。
・L. c. judaicus (ユダイクスミヤマクワガタ)
シリア、トルコの国境付近及びアラブ。ジュダイクスミヤマクワガタとも言う。L. c. akbesianusと並ぶ世界最大のミヤマクワガタで、同じく最大で105mm近くにも達するともいわれる。L. c. akbesianusより顎の先端はやや狭まるが、同じように体も頭部も大型化し、特に顎を含めた頭部は体長のおよそ半分を占める程巨大である。全身が白い毛で薄く覆われる。触角は原名亜種同様4節となる。L. c. akbesianusと分布が重なる場合もある。体色は原名亜種よりもややくすんだ赤茶色。
L. c. laticornis Deyrolle
L. c. syriacus Planet
L. c. turcicus Sturm
『wikipediaより』
最後の3つ、イタリア語をカタカナ化できませんすみません。。。むしろ上の3つが代表亜種と言われています。ただ色々資料を見ていると、シロカブトやゾウカブト同様に、ヨーロッパミヤマも亜種関連で何やら固まっていない部分もある様子。
むしろ細かいこと言うと、トルコ、シリアは、西アジアでは。。。なんて。
私はあまりきにせずに、かっこいいクワガタを飼育したいと思います。笑
和名:アクベシアヌスミヤマクワガタ
学名:Lucanus cervus akbesianus
この子達はトルコ産のCB。♂89mm、♀48mm
♂のぐっとダウンフォースされた大顎がたまらない。
ぎゅっとくびれた胸元。
張り出した前胸部。(頭楯)
アスリートの様なしまった横からのカット。
90mmを超えてくると、胸部の幅がどんどん広がり、迫力が出てきます。
これまで、実はあまりミヤマに興味はありませんでしたが、見た途端にかっこよさに惹かれました。クワガタ、カブトはやっぱり写真よりも実物が8倍くらい良いですよね。
♀48mm。ちょっと大きめ。
このページではアクベシアヌスミヤマクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は活動開始から2〜3ヶ月と言われています。
飼育温度:
15〜23℃前後。
成虫育成メモ:
とにかくかっこいい。最悪羽化まで2年かかり、温度管理の環境を作るのが一手間かかりシビアなのに、羽化しても休眠期間(後食するまで)が7〜9ヶ月かかり、活動は3ヶ月くらいと、とても儚い人生を送る種なので、飼育は本当に好きじゃないときついかもです。
ある種ゾウカブト的なイメージですが、雑にマットを使ってもゾウカブトは育つ分もっとシビアかも。
活動開始後の成虫は短命なので早めにブリードのセットに投入する必要があり。繁殖が難しいと言われるミヤマクワガタの中でも本種はブリードが容易な方です。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。
【産卵セット】
黒土系のマット、カブト系の完熟マット、無添加微粒子マットを使います。特に熟度の深いマットを好みます。(茶色よりも黒に近いマット)
材には産みませんので不要です。
KBファームのフェロールマットでも好成績が出ていると聞きますね。
加水:
ちょっと多め。握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!
産卵セットの作り方はこちらから
《産卵温度》
18〜20℃程度。
状況次第ですが、15℃程度でも産卵結果は出ているようです。
【使用するケース】
コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など。
ケースサイズ表はこちらから
《ペアリング方法》
クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)♀を攻撃しがちなので、安全のために顎縛りしましょう。
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
□□□ 幼虫の飼育方法 □□□
【お勧めのエサ】
初令・・・
黒土系の熟度の高いマット。
一番良いのは産卵時に使ったマットが無難です。
月夜野さんの黒土マットや、各ショップさんのミヤマ専用マットなど。
2〜3令時・・・
廃菌床マットや添加のあるマットを少しづつ混ぜていきます。
すべてRUSHマットなどにしてしまうと、不全になることがあります。
ちなみにレコードサイズが出たのはRTNさんのUマットらしいです。
基本的に菌糸ビンは使用しませんが、カワラ菌糸でが良いそうです。しかし、大きさに
差が出ているという情報はあまり多くないため、マット飼育で良いと思われます。
MEMO
1)初令時は、産卵セットのマットを移行した方が良い
2)コバエなどが発生して産卵セットのマットをつかえない場合は、
カブト用の完熟マットや黒土など完全発酵がおすすめです。
3)大型や大歯を狙う場合は、2〜3令時にカブト用完熟マットをベースに、
廃菌床ベースのマットや添加マットを少しづつ増やしていく。
4)マットの全交換は避けたほうが無難です。
※なお、温度管理も重要です。
【容器】
初令時には500CCから800cc。
♂はそこそこサイズが出ますので2〜3令になったら1400以上のボトルを使用すると良いでしょう。
交換は途中3〜4回程度。
※環境やコバエの発生などで変化あり。
MEMO
大型を作出するブリーダーさんの中では、初令をいきなり1400ボトルに入れ1年程度放置。
2本めを♂なら2300ボトルへ。♀ならそのまま1400でまた1年以上放置。18℃で管理。
とにかく触らないのが大事。という方もいらっしゃいました。
【設定温度】
18〜20℃程度。
高くても23℃が限界値と考えてください。環境を用意できるかどうかが鍵になります。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂:初令投入して約14~24ヶ月
♀:初令投入して12~24ヶ月
温度管理の方法によって、2年1化になる場合もあります。
(1年で羽化する場合を1年1化。2年掛けて羽化することを2年1化と言います。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年5月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
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