スペキオススシカクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『スペキオススシカクワガタとは』
東南アジアで、ミャンマー東部、タイ北部、ベトナム、ラオスなど広範囲にわたって生息しているスペキオススシカクワガタは、シカクワガタの中だとディディエールシカクワガタと並んで日本ではメジャーな種です。
特に、上翅、胸部、前胸部とオレンジの紋が入り、大アゴは黒くとても色鮮やかなので鑑賞するにもとても美しく、所有感を高めてくれます。
なお、シカクワガタ属は 『Rhaetulus crenatus+亜種名』で構成されており、スペキオススシカ自体はシカクワガタの亜種の1つとなります。
このcrenatusに多くのシカ亜種が含まれており、それぞれの特徴を持っているのでファンの多い種属でもあります。
飼育レコードは67.4mm。野外で70.0mm。(2023年BE-KUWA)
なお、シカクワガタにはこれだけの亜種が存在しています。(wikiより)
シカクワガタの種類と産地
種類 | 亜種 | 産地 | 備考 |
---|---|---|---|
シカクワガタ | Rhaetulus crenatus (Westwood, 1971) | 中国からインド | 本属の基準種 |
タイワンシカクワガタ | R. c. crenatus原名亜種 | 台湾 | |
スペキオススシカクワガタ | R. c. speciosus | タイ | 背中の模様が濃い。最も大型。独立種とされることがある。 |
ボイレアウシカクワガタ | R. c. boileaui Didier, 1925 | ラオス | |
R. c. gardneri Didier, 1930 | ミャンマー | 1997年にスペキオススシカクワガタのシノニムとなった。 | |
カワノシカクワガタ | R. c. kawanoi Maes, 1996 | 中国広西チワン族自治区、ベトナム北部 | 背中の模様が存在する。 |
レーマンシカクワガタ | R. c. lehmanni Baba, 1997 | ミャンマー南部 | |
チュウゴクシカクワガタ | R. c. rubrifemoratus Nagai, 2000 | 福建省 | 脚が赤みを帯びるが、模様は見られない。独立種とされることがある。 |
フキヌキシカクワガタ | R. c. fukinukii Nagai, 2002 | インド北部 | |
ツツイシカクワガタ | R. c. tsutsuii | ベトナム南部 | 今まではR. c. ssp.とされていたが、2009年7月に記載された。 |
ディディエールシカクワガタ | R. didieri (Delisle, 1970) | マレー半島 | 大アゴ基部の尖った突起が発達する。9cmにもなるシカクワガタ属最大の種。背中の後方部に模様が見られ、また脚の腿節が赤くなる。 |
マイシカクワガタ | R. maii (Maeda, 2009) | ベトナム中部 | 2009年2月に記載されたばかりの新種で、形態はディディエールシカクワガタに似る。 |
※ちなみに六脚堂では大きい種が好きなので、ディディエールシカクワガタ推しです。
和名:スペキオススシカクワガタ
学名:Rhaetulus crenatus speciosus
とにかく色鮮やかで最高です。
紋の入り方が芸術的ですね〜。
大顎も「シカ感」たっぷり。これでディディエールくらい大きくなれば最高なんですがね。
2ショット。♀は真っ黒なのがもったいない感じがするのは私だけでしょうか。
でも絵になるのでシャッターをたくさん切ってしまいます。
目がキュルルン系(当社比)の♀は最高に可愛らしいのです。
しっかりと成熟したらこの子で、ブリードをしようと思っております。
ここからはスペキオススシカクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は4〜8ヶ月程度。
ブリードしたい方は、購入時に羽化日、後食日はしっかりと管理されているところ、またはアドバイスをいただける方から購入するといいかも知れません。クセがありますので。
飼育温度:
20~23℃前後(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)
成虫育成メモ:
2ヶ月〜3ヶ月程度で後食を開始します。が、半年かかった。という声も聞きます。累代したい場合は温度設定で調整する必要があるかも知れません。
成熟の目安は後食から最低でも1ヶ月後。早掛けすると無精卵になると言われています。
♂は好戦的なので同じケースでの飼育は避けて別々に管理しましょう。
クセが強いところもあることから、飼育何度はちょっと高め。初心者さんは避けたほうがいいのかも知れません。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態で
あることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
後食開始後、ゼリーの減り具合が♂♀早くなってピークを感じたらペアリングさせましょう。少しクセがあって、食べ始めたらまた休憩する。ということも。
マットにも産みますが、材に多く産む印象です。(微粒子無添加マットで埋め込みましょう。)
水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。(水が染み出るようでは多すぎです!)
植菌カワラ材を使うと良い結果が出ているようです。
【推奨温度】
23~25℃程度。
【ケースサイズ】
中〜大ケースが良いでしょう。材の大きさ、本数に合わせて用意しましょう。
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
菌糸でもマットでも成長します。カワラ菌糸で良い結果が出ているようですね。
※ディディエールはオオヒラタケでも、スペキオススシカはカワラがいいようですね。
最初の1〜2ヶ月をマットでプリンカップ。2令から菌糸へいれるのが理想でしょうか。(割り出しのタイミング次第)
♂♀ともに800程度のボトルで、交換は途中1〜2回でOK。
1本で羽化も可能です。
【設定温度】
23℃程度が理想です。
が、大型を狙うなら20℃くらいまでは大丈夫なようです。
【孵化から羽化までにかかる時間】8~10ヶ月程度。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年10月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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