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ギアスゾウカブト(亜種 ポリオン)の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ギアスポリオンゾウカブトとは』

ゾウカブト種の中でも、ビロード調の微毛が生えているところはエレファスゾウカブトにとてもよく似ています。

わかりやすい違いですが、エレファスゾウカブトは胸角の発達がなくコブ程度なのに対し、大きく発達した胸角を持っているのが特徴です。しかし大きさはエレファスに比べるとやや小さめになります。

(体長は♂54mm~113mmで、大型にはなりにくいようです。)

ビロード調の体毛で覆われれるボディはまるで高級絨毯。体長ではヘラクレスなどには叶いませんが、身体の太さ、体高では負けません。

ゾウカブトと言うだけあって、頭角はまるでゾウの鼻。

エレファスゾウカブトははメキシコ・カテマコが産地のものが主流ですが、本種はブラジルが産地です。

また、ギアスゾウカブトの亜種には、亜種ルンバッシャー、亜種プランディ、近親種でイイジマゾウカブトや見た目も近いアヌビスゾウカブトなどもおります。

産地の分布図を作ってみました。基本的に南米をベースに北から南へ分布しているようです。

また、ゾウカブトは亜種についての選別が曖昧なところもあり、アクティオンとレックスが別れたようにまた名前が変わったりすることもあるかと思います。

これら、茶色いゾウカブトは羽化までの期間も、黒系のゾウカブトよりもサイクルがはやく、1年半から2年程度となります。

和名:ギアスゾウカブト(亜種 ポリオン

学名:Megasoma gyas porioni

こちらはエレファスゾウカブト。胸角がコブのみですね。

ポリオンは湾曲した胸角が伸びます。

また、前脚(二の腕あたり)の湾曲具合がエレファスよりも少なく、ストレートです。

メスは原名亜種も各亜種も限りなく似ているためぱっと見での判断は難しいですね。

ここからは、ギアスポリオンゾウカブト(ギアスゾウカブト 亜種ポリオン)の飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は意外と短く、3ヶ月〜6ヶ月ほどです。

飼育の適温:

22〜25℃程度

成虫育成メモ:

ペアリングをすると極端に寿命が短くなる印象。成熟するとフシュー

フシューフシューと音を立てるので可愛らしいです。

また、餌切れするとゾウカブト系はフルパワーで脱走を図ります。クリアスライダーのようなフタが上に上がらないタイプをおすすめします。 また餌切れで☆になりやすいイメージです。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

後食までは約1ヶ月と早めです。食べ始めると途端にスイッチが入ったようにもりもり食べ、60gのゼリーも1日で平らげるようになります。

成熟:

後食が始まってから2週間から1ヶ月程度。後食してすぐにペアリングしてしまうと無精卵が多いイメージです。

産卵方法:

マット産みです。

完熟系のマットを使用し、ケースの半分程度まで固くつめ、あとはふんわりでOKです。

♂♀の状態が良ければ非常に多産な種と言えます。

産卵管理適温:

20〜25℃

ペアリング方法:

カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。

3)♂、♀を投入し3日〜7日間ほど一緒にしておきます。

※ほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。

※ ヒラタクワガタ系は興奮して♀を攻撃することもあるので、♂のアゴを縛って 同居させることをおすすめします!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の育てかた □□□

【お勧めのエサ】

完熟系の発酵マット。ヘラクレス用のマットでも大きく育ちます。

【えさ交換回数】

♂♀ともに、2000CC程度のボトルなら交換途中5〜6回程度でしょうか。

※ただしマットの劣化や食いつきの量にもよります。オスの大型を狙うなら各種大ケースなどを利用したほうが良いでしょう。

【設定温度】

23~25℃前後

【孵化から羽化までにかかる時間】

約1年半から2年程度でしょうか。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

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2023-01-10

ギアスポリオンゾウカブトの飼育記

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

札幌の真冬はご存知の通り、マイナス気温になります。

虫を送ってくれる人も極端に減ります。その中でも、仮死状態からの復活があると言うことを知っている出品者様が快く送ってくれました。

(賛否はあると思いますが当然死着の保証はありませんし、ノークレームは当たり前。こちらのわがままですので本当にありがたかったです。)

スペックはこちら。

産地:ブラジル・バイア州

累代:CBF1

孵化:♂ 2022年12月18日 自力ハッチ 94mm 

           ♀ 2022年11月    70mm 

ここからは、真冬の輸送に関するレビューも兼ねておりますので、賛否あると思いますがご覧いただければ幸いです。

【23年1月12日】

発送前日まで未後食だったようですが発送する際時点でともに後食開始したとの情報を頂きました。到着時間など、配達履歴を追いかけ、2日後の午前中に到着しました。

※ゆうパックでの輸送です。

当然のことながらカイロの効果は0になっており、タッパーの蓋をあけると♂も♀もカッチカチに固まっておりました。

そこから25℃くらいの場所でゆっくりと時間を掛けて温めてあげると、徐々に動き出します!

10時半ころからなじませて、♂も♀も夕方16時には全開に動きだしていました!

まさに仮死状態からの復活です。

3日ほどブリードルームにて休憩してもらいます。ゼリーも問題なく全開に食べています。

【23年1月15日】

恒例の写真撮影中を行っていたところ、ペアリングが始まってしまいました。撮影に使っていた流木の先にいた♀を見つけ、♂が突撃したのです。。。

これはミステイク。。

後食から数日。確実に成熟はしていないと思います。。。まずい。。。

ここからは、動画撮影をしていたので写真素材がありません。。

気になる方はyoutubeを御覧ください。

【23年1月18日】

とはいえ、3日ほどゼリーを食べさせてから産卵セットにinします。 

完熟マットの固詰め。

【23年1月26日】

試しに採卵してみます。

23個ありましたが多くがダメそうな茶色の卵です。。やはり未成熟か。。。

しかも、採卵下瞬間、『パチン』と弾けてしまう卵も。

【23年1月29日】

諦めずに2回目のセット投入。もうこうなったら行くとこまで行きます!!!

【23年2月10日】

採卵するも9個中4個が茶色。5個くらいが望みの綱に。

【23年2月27日】

最初の採卵分。23個を確認すると、全て溶けていました。。。

2回目の採卵分に期待するも、こちらも全て溶けていました。。。

【23年3月10日】

♂が☆になりました。やや3ヶ月です。ちょっと早い感じもしますね。寒さの後遺症でしょうか。

ペアリングは1回ですが、個体によってはこんなものでしょうか。

【23年3月13日in】

今度は採卵せずに幼虫で割り出すために、そのまま置いておく作戦を取ります。

吉と出るか凶と出るか。

【23年4月10日】

割り出しするも、成果は0個。

そしてついに♀ちゃんが☆になっていました。。。

まとめますと、やはり厳冬期の輸送は個体へのダメージが大きいと思われます。

さらに、未成熟でのペアリングも相まって卵も無精卵だったのかと思われます。

しかし、悪い結果だったからこその現とも思われますが、ゾウカブトの寿命としてはいい季節に輸送しても3ヶ月で☆になることも有ります。

そして、このあとも実は続きがあるのです。

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2023-03-05

ギアスポリオンゾウカブトのマット交換

ペアで購入した生体は残念なことに☆になってしまいましたが、不穏な空気を感じていた私はこんなこともあろうかと、ほぼ同時に札幌のブリーダーさんより、保険で幼虫を購入しておりました!

飼育ブログは終わらない!!!

幼虫のスペックです。

【産地】ブラジル・バイア州

【累代】CBF4

【孵化日】2023.1月〜

【サイズ】初令〜

【23年2月5日】 

購入した5頭の初齢幼虫到着後、700CCのボトル(DAISO)にきのこマットで

入れ替えをしました。(1頭サービスしてくれましたので6頭です(^o^))

【23年3月5日】 

1回目の交換。広めの1.9㍑タッパ(seria)にお引っ越し。 

♂3♀3です。(あってるかな?)まとめて購入するのはバランスが揃いやすくていいですね。

確率的に♂6頭!とかはなりにくいので。

【23年6月14日】

2回目のマット交換です。すると、、、 ♂5♀1!! むむむ。。。

同定ミスです。これはまずい。。。まずいぞ。

♀1は低温ゾーンへ。♂2を高温ゾーンへ!羽化ずれ対策がうまくいきますように。。

そしてそれぞれの体重を測ってみましたところ。

♂ 93g ・73g・ 68g・  60g ・ 49g。小さめの♂を温かいところに移動します。

♀ 58g そこそこ良い成長をしていますね。

食いっぷりも良いです。きのこマットがあってましたね!

♀だと思っていた♂のボトルはもう食べ尽くされています。

これも♀マークを記していますが、で、、でかい。。♂では??

それぞれの置き場所を考えて配置していきたいと思います!

幼虫購入しておいてよかった〜。。。

【23年9月16日】

そろそろマット交換の時期が来ました。まずは1頭目。小さめの♂49gです。

14gアップです。

次は大きめの♀ちゃん60g。

劣化がすごいですね。月夜野きのこマットはこうなると、独特の臭いが出ます。

表現が難しいのですが、科学的な臭いというか。少しツンとする感じとでも言うんでしょうかね。

おお!マットは劣化しているけど25gアップ!

次は普通の♂です。73gから、、

34gアップ!!伸び率いいですね!!

温度管理ができればきのこマットはそこそこ成績いい感じがします。

この子達にマッチしたんでしょうね。

次の子も同じくらいの♂ちゃん。

68gから、、、

19gアップ!

さっきのケースのようにきのこが出てくるというのは、この子たちにとって

環境が良いんでしょうね。

次は♀ちゃんです。58gから、、

おやおや。全然伸びていない。

彼らはまとめて同じ場所にいたのですが、空気の流れや温度の関係も微妙に

関係しているんでしょうね。

さあ。こいつは最後までとっておきました!

93gからどのくらいになったのでしょうか!

ケースもこいつだけ大きいものを使っていました。

コバエが相当出ていましたがエサ切れも無く、来たと思います。

なんと44gアップ!!!

そこまで大きくならないギアスとはいえ、やはりケースは大きいものを

使うべきなんだと認識できますね。

ゾウカブト好きなんですが、スペースに限りがあるのでどうしようかな。

2023年1月孵化の幼虫なので、羽化した姿を見るのは来年の春ぐらいでしょうかね。

続報にご期待ください。

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2024-07-08

ギアスポリオンゾウカブトの幼虫期間

【24年7月8日】 

月に購入するマットも100Lに近づいてきた最近。ガス抜きに衣装ケース60Lを2個、30Lを2個。

RUSHレギュラーマットとTENRYUアルプスマットをフル回転で回しているのですが、ヘラクレスやネプチューンなど大物にその大半を持っていかれてなかなか他にマットの配分が回っていませんでしたがそれも落ち着いてきたので、やっとギアスポリオンに順番が回ってきました。

2月から交換出来ていなかったので5ヶ月。そろそろギリギリです。

幼虫のスペックです。

【産地】ブラジル・バイア州

【累代】CBF4

【孵化日】2023.1月〜

【サイズ】初令〜

そろそろ1年と6ヶ月。蛹?になっていてもおかしくないので、ゆっくりと開いて行きます。

まず1頭目。今回の飼育では交換のたびにマットが変更されてきました。それが凶と出るかがポイントですね。

きのこマット→きのこマット→きのこマット→アルプスマット

の流れです。きのこマットとアルプスマットは近しい作りで、きのこは添加無しなのに対しアルプスは添加されています。

あらら。。。☆になっていました。

残念・・・。

2頭目です。この子は、きのこ→きのこ→完熟マット→アルプスマットです。

87g→79g。縮んでいます。

3頭目。きのこ→きのこ→完熟マット→アルプスマットです。

74g→72g。伸びは悪いですね。やはり同じマットで通したほうが幼虫へのストレスにならないのかも知れません。

4頭目。きのこ→きのこ→完熟マット→アルプスマットです。

一番体重が乗っている子です。

おー。この子は125g→131g。

最後のケースです。同定ミスって途中で♂になっています笑

え??

ハッチしてるやん。。。他の子はみんなまだ白いのに。早期羽化ですね。サイズは100mmオーバーです。

超可愛い!!固いハムスターみたい!!

この子は展覧会用の人気者になってもらいましょう!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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