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テルシテスヒメゾウカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『テルシテスヒメゾウカブトとは』

とても小さいゾウカブトの一種です。

ゾウカブトと名付けられていますが、大きさ的にはヒナカブト系と同レベルの

40〜50mmのカブトムシです。メキシコが主な産地で、写真の通り産毛が生えている変わったゾウカブトです。サイズ感としては、

・ヨツボシヒナカブト

・サビイロカブト

・フンボルトヒナカブト

・マルガリータヒナカブト  

あたりと同じくらい。

 メガソマ属というと、エレファスゾウカブトやレックス(旧アクタエオン)ゾウカブト、マルスゾウカブト、ヤヌスゾウカブトなど重量級の大型カブトムシがほとんどですが、ヒメゾウカブトの仲間はとても小ぶりなので小ケースで飼育が可能です。

 幼虫飼育も1000cc~1500ccの容器で個別飼育すれば羽化までいける、非常に省スペースで飼いやすいカブトムシです。

ですが、寿命があまり長くは無いため、後食を開始したらすぐにペアリングしたいところですね。

和名:テルシテスヒメゾウカブト

学名:Megasoma thersites

♂48mm (大きめサイズの子です。)

※写真では茶色が強いですが、灰色に近い色味です。

♀は上翅に毛が生えていません。

サタンやネプチューンのようなゴツゴツが目立ちます。

お腹の方は毛がびっしりと。まるで毛ガニですね笑

ここからはテルシテスヒメゾウカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の育て方 □□□ 

寿命:

 成虫の平均寿命は、3〜4ヶ月ほど。

※ペアリングの回数によっては短くなります。

飼育の適温:

22~26℃

成虫育成メモ:

成熟をしっかりさせれば産卵数は多い方です。

温度が高いともりもりとゼリーを食べて活動するため、23℃くらいで管理したほうが長生きするイメージです。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

およそ羽化1ヶ月程度で後食を開始します。

《ペアリング方法》

カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。

3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。

とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

テルシテスヒメゾウカブトのペアリング風景です。

【産卵セット】

マット産みです。ヒナカブトのように水苔などは不要です。

(小さめなので転倒防止用に使うのは良いかもしれません)

マットの下3割を固く詰め、8割までは手で押さえつける程度。あとはふんわりと。

水分量は握って染み出ない程度で大丈夫です。(全部を固めない。という方もいらっしゃいますが、♀ちゃん次第でしょうね。)

【ケース】

中ケース程度。

産卵管理適温:

23~25℃

サビイロカブトのように多産な種ですが、大型のゾウカブトに比べると

寿命は長くないので、後食を初めて2週間程度でペアリングをしたほうが

良いと思います。

《産卵セットの作り方》

□□□ 幼虫の育てかた □□□

【お勧めのエサ】

完熟タイプのカブトマット系

【えさ交換回数】

1000~1500CCのボトル程度で途中1〜2回。

※温度やマットの劣化具合、食い進みにより変化はあります。

【設定温度】

22~25℃前後

【孵化から羽化までにかかる時間】

10~12ヶ月程度

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年5月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-05-17

テルシテスヒメゾウカブトの飼育記

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

札幌の陽気も勢いを増してきました。寒いとやはり遠くからの輸送は聖地に対するリスクも大きいので増種も自重気味になります。さくらも咲いてきましたし、いよいよだ!ということでネットを漁っているとテルシテスヒメゾウカブトのペアが出ているではありませんか。。

光の速さで購入決定。

新しい子達が六脚堂にやってまいりました。

【産地】メキシコ バハカルフォルニア

【累代】CB2

【サイズ】♂48㎜ ♀38mm

【羽化日】♂♀ともに4月中旬自力ハッチ

【23年5月17日】

自力ハッチで後食済みという事。ということは充分成熟しているはずだ!!と判断し、ペアリングを行いました。

最初の3分ほど♀は、逃げていましたが、観念してスタート。

その間に産卵セットを組みます。

完熟マット+黒土マットを半分ずつ。加水は多めで。握った後、手が少し濡れて土がこびりつくくらいです。

テルシテスはマットを緩めにする。という定説がありますが、硬詰めした方が産んだ。というブリーダーさんのブログも発見しましたので、下3割は硬く詰めてみました。

8割まで柔めに、手でぱんぱんと叩くくらい。

転倒防止にバークチップをたっぷりと引きました。

【6月6日】

3週間経ってしまいました。もっと早めにチェックしようと思っていましたがまずは状況確認のため一旦割り出してみます。

卵が3個でしたが2個ダメ卵だったので、組み直して再度inします。

【7月1日】

卵3個から、1頭だけ孵化!!!

羽化したらお嫁さん探しですね。(♂って勝手に決めつけいる)

【7月16日】

割り出しするも0個。。。

ペアリングを嫌がっていた感もあるのでもう少し成熟していたほうが良かったのかな。。

♀ちゃんも☆になってしまいました。。ポテンシャルが大切だな〜。。。

孵化した1頭の成長は追いかけます!

お楽しみに!

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2024-06-08

テルシテス羽化してきました!!

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

23年の7月に割り出し、残った1頭。

これが羽化してきましたよ!

種親スペック。

【産地】メキシコ バハカルフォルニア

【累代】CB2

【サイズ】♂48㎜ ♀38mm

【羽化日】♂♀ともに4月中旬自力ハッチ

【24年6月8日】

あんなに愛でていたテルシテスちゃん。

ちょうど1年で羽化してきたことになります。今回は、自力ハッチなので羽化はもう少し早かったのかも知れません。

じつは、ボトル整理をしているときに『カリカリ』音が聞こえたんです。

ん?と思い目をやるとそこには700CCのボトル。

開いてみると♀ちゃんでした。黒くて可愛い!!

とても元気!!!

使用したマットは、完熟マットからスタートし、後半からTENRYUアルプスマットで。添加剤入り。中粗めの菌床マットですが、しっかりと完品羽化してくれました!

なんと、50Lで1000円!(送料別)とてもコストパフォーマンスの高いマットなのでおすすめです。ヤフオクでしか購入できませんが、発送遅延も有りませんし、しっかりと対応いただけます。六脚堂では数百L購入していますので、安心のできる業者様です。

ヤフオクで、『TENRYUアルプスマット』で検索するとでてきますよ!

あーー。♂単のテルシテスが欲しい。。。累代もそうですが、もっと産ませてあげたい。

2周目も行きますので少々お待ちを!!

♂が不在。累代できない・・・。

そんなことを六脚堂が許すわけ無いでしょうが!!!!

ということで購入しました(^o^)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

スペックです。

産地:メキシコ・バハカリフォルニア産

累代:CBF2

サイズ:36.5mm (小さめの♂)

羽化日 2024年6月10日羽化

♀よりもちょいと小ちゃめですが、大丈夫でしょう!到着後数日で早速食べ始めてくれ、期待感は大です。1ヶ月のズレなら全く問題なし!

♂、♀ともにゼリーの喰いっぷりがいい!!六脚堂のペアリングセンサーが働きまして、今だ!ということでペアリングのセッティングです。

これがまた♂は元気が良いのですが♀も元気が良いのです。

逃げて逃げて、逃走中です。

その模様はこちらから。

こんな時は、一旦引き裂いて辞めてしまいます。

1日空けるだけで、すんなり行くものです。ちなみに、♀の両中足の符節が飛んでいるので気持ち的には急ぎたいのですが。。

明日チャレンジし直しましょう。

1日が経ちました。たったの1日、日を改めることで、ペアリングはうまくいくのでしょうか。

こちらの動画を御覧ください。

ほらね。うまくいくんです。

でも、♂の威勢が良かったのか♀ちゃんの左前足の符節が飛んでしまいました。

これで頑張ってもらうしか有りません。

産卵セットは、クリアスライダーラージにアルプスマットをフルイ掛けした微粒子です。

詰めづに、トントンとしただけのものです。うまいこと産んでくれるでしょうか。

テルシテスはリベンジなので、結果を残したいものです。

ときは過ぎて、約3ヶ月です。ここまで開けてしまったのはいくつか理由があります。

・幼虫が見えていなかった

・♀ちゃんがなかなか浮上してこなかった

・忙しかった(笑

の3点。そして実は、ヒナカブト系がこれまでなかなか奮っておらず、上手に取れなかったという「苦手意識」が坑道を鈍らせていました。

では、今回はどんなかんじだったのでしょう。

フタを開けると。。。♀ちゃんが☆になっていました。ペアリング時から、前足の符節も飛んでおりとても心配な産卵セットでした。

ところどころ、白い菌が出ています。白色腐朽菌?なら問題ないと思うのですが。

今回、菌床ベースのTENRYUアルプスマット(フルイ掛けしたもの)を利用しましたが、産んでいないですね。結構サラサラした感触だったので、マットがあっていなかったでしょうか。。。

残念ながら、0でした。。。

と思い、もったいないからもう少し熟度を高めるべく。加水して再発酵を促そうとマットに加水したら・・・・。

幼虫がいました!(ど初令)

そして5頭も!!!

加水時に結構手で撹拌していたんです。あまりにもテンパってしまい写真を取りそこねました。

まずは1頭。まだいるのかも、、、そっとマットを動かして、「2頭目!!」以下ループ。

結局5頭出てきました。。。

ここからは、

・黒土マットをふるいにかけて、微粒子をより分けて

・加水したアルプスマットを半分(黒土とアルプスを50:50に)

したマットを、プリンカップ5つに詰めて初令管理。

ヒナカブトは、完熟微粒子、無添加がセオリーですがこれでどうなっていくか。ブレンドマットで様子を見ていきたいと思います。

そして、このあとどんなマットで羽化させるかも大きなポイントだと思っています!

続報をお楽しみに!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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