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アクティオンゾウカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫飼育まで

KAZ.YOSHII

『アクティオンゾウカブトとは』

ゾウカブトと呼ばれるカブトムシは数種類ありますが、その中でも最大になるのがアクティオンゾウカブトです。

さらに、その重量は50gにも達し、世界最大と言われます。世界で最も体重が重いカブトムシとなります。(ちなみにヘラクレスオオカブトは約40g)。

幼虫時のマットに気を使わなくても良い分、飼育は簡単な部類なのですが、羽化するまでなんと3年以上かかるので根気が必要です。

ですが、幼虫の大きさの迫力は凄まじく、幼虫体重で200g近くなることもあります。

体長は♂75mm - 133.2mm、♀50mm - 85mm。

近年は分類が見直され、「南アメリカ大陸の東側の個体群」を従来通りアクティオンゾウカブトとし、「ペルーやエクアドルなど西側の個体群」をレックスゾウカブトMegasoma rex)として亜種扱いされることになりました。

なので、アクティオンの幼虫として購入後、エクアドル産はレックス(旧アクティオン)などと表記されるようになりました。

ちなみにゾウカブト種は、大きく2手に分かれます。

黒い身体と、茶色の微毛に覆われるものと分かれます。

□黒い種では、

・ヤヌスゾウカブト(ラミレスゾウカブト)

・ヴァズデメロゾウカブト

マルスゾウカブト

・パチェコヒメゾウカブト(小さいゾウカブトです。)

□茶色種では

エレファスゾウカブト

・ギアスゾウカブト(ポリオン、ルンバッシャーなど)

・アヌビスゾウカブト

・イイジマゾウカブト

・ヨルゲンセンヒメゾウカブト(小さいゾウカブトです。

・ボグティヒメゾウカブト(小さいゾウカブトです。

テルシテスヒメゾウカブト(小さいゾウカブトです。

※亜種関連の話は、ゾウカブトは様々論争が有るので、ひとまずこのようなイメージだと

思ってください。

和名:アクティオンゾウカブト

学名:Megasoma actaeon

エレファスのように前足がくの字に折れていない分、とても長く見えますね。

この個体は、ペルーイキトス産のアクティオンとして羽化した個体。飼育中にレックス(旧アクティオン)ということになりました。

大きさもさることながら、カブトを被ったような胸部は男心をくすぐりますね。

ここからは、アクティオンゾウカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は意外と短く、3ヶ月〜6ヶ月ほど。

3年掛けて羽化しても儚い命です。

飼育の適温:

22〜25℃程度

成虫育成メモ:

ペアリングをすると極端に寿命が短くなる印象です。成熟するとフシューフシューフシューと威嚇音を立てるところがとても可愛らしいです。

反面、成熟期のゼリーの消費量が半端ないです。ヘラクレスを超える量を食べます。全盛期は60gのゼリーが1日で消えてなくなるレベルです!16gのゼリーしかない場合は、3個程度入れてあげましょう。

その分おしっこの量も相当増えるため、ケース清掃には気を使ってあげてください。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

《ペアリング方法》

カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。

3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。

とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

これは、エレファスゾウカブトのペアリング風景です。

【後食】

後食までは約1ヶ月と早めです。成熟は、後食が始まってから1ヶ月程度と言われています。

成熟すると、60gのゼリーを1日で食べきってしまします。

♂♀がこの勢いのある期間にペアリングが出来ると、♀のポテンシャル次第ですが相当な産卵数を期待できます。

【産卵方法】

産卵方法はマット産み。完熟系のマットを使用します。

【産卵セット】

マットの下3割を固く詰め、8割までは手で押さえつける程度。あとはふんわりと。

水分量は握って染み出ない程度で大丈夫です。

【ケース】

大ケース以上をおすすめします。100円ショップで販売されている20リットルのケースなどもサイズ的におすすめです。

《産卵セットの作り方》

産卵管理適温:

25〜27℃

産卵数の目安:

手法によりますが1回で20個以上産むこともあり、セット回数によっては100個近く産むこともあります。

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

完熟系の発酵マット。いわゆるカブトマットでOKです。

ヘラクレス用のマットでも大きく育ちます。六脚堂ではヘラクレスなどの食べ残しマットをふるいにかけて食べてもらっています。

【マット交換回数】

2000CC程度のボトルで交換途中7〜8回程度でしょうか。

※ただしマットの劣化や食いつきの量にもよります。オスの大型を狙うなら各種大ケースなどを利用したほうが良いでしょう。

1400CCのボトルでも飼育は可能ですが、マット交換の頻度が増えます。

【設定温度】

23~25℃前後

【孵化から羽化までにかかる時間】

管理温度によりますが、通年23℃で

♂:3年弱〜4年

♀:♂よりも3〜5ヶ月早く羽化する程度

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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