ヘラクレスオオカブトの幼虫の育て方!
世界で一番大きいカブトムシ!ヘラクレスを育てよう!
ヘラクレスオオカブトの幼虫飼育の基本、育て方を学んで、かっこいいヘラクレスを育ててみよう!
ヘラクレスオオカブトは、飼育環境にもよりますが卵が孵って幼虫から成虫になるまでおよそ、1年2ヶ月から1年6ヶ月で羽化してきます。
その長い期間の中で米粒大の卵から10円玉くらいの大きさになり、幼虫はドンドン大きくなって、1年で100gを超えるまでの過程を楽しむのも大きな魅力です。
ヘラクレスだけではなく、ほぼすべてのカブトムシやクワガタは、成虫になってから大きくなることはありません。
大きいヘラクレスオオカブトにするには、幼虫から蛹を以下に大きく育てるかという飼育方法がとても大切になります。
特に見たことのないような大きな蛹が成虫に羽化する過程は圧巻の一言です。
このページでは、はじめてヘラクレスオオカブトの幼虫を飼育する方へ幼虫の育て方、基本とポイントをまとめたいと思います。
□□□ その1 □□□
《ヘラクレスオオカブト幼虫のエサは?》
ヘラクレスオオカブトの幼虫は発酵マットを餌にします。食べさせるマットによって、幼虫の大きさも変わってきます。
完熟発酵させた菌床マットなどがおすすめです。マットは、ヘラクレス専用!というものから100円ショップで扱うものまで種類がたくさんあってきっと迷ってしまうかと思います。
そこで、六脚堂がおすすめするマットは、
この2つは、10Lを単体で購入することもできますし、50L、100Lとまとめて購入することも可能なのです。また、品切れになることもほぼありません。
使い勝手の良さと、価格を考えたときにパフォーマンスが高いという意味でおすすめです。
MEMO
※コバエが出るとか、匂いがでるなど様々なレビューがありますが、マットとは自然界にある土とは違い、飼育用に作られたエサとして作られているため、飼育者としてはある程度理解していくことが大切だと思っています。
六脚堂では、コスパの高いマットを、一度冷凍し、ガス抜きをしないと使えないものを使っていますが、最初から導入の難しいマットはおすすめいたしません。
また、飼育の途中でマットの種類を変えると幼虫にとってストレスになり、マットを食べなくなることも(拒食症状)ありますので、蛹化するまではなるべく同じマットを使用して飼育することもポイントです。
そしてマットには適度な水分が必要になります。目安は握った時に塊になり、触るとポロポロと崩れる程度です。
握った時に水分が指の間から滲み出るようでは量が多く、コバエや雑虫が湧きやすくなりますのでご注意を。
□□□ その2 □□□
《ヘラクレスオオカブト幼虫の飼育ケースは?》
ヘラクレスオオカブトの幼虫を大きくしたい場合には、個別で飼育ケースを用意することがおすすめです。
大きなケースにたくさん飼育することも可能ですが、マットの消費スピードがあがり幼虫にとって良い環境では無くなってしまいますのでここではおすすめしません。
初令〜2令(孵化後1ヶ月〜3ヶ月程度)の時
ヘラクレスの幼虫は、卵から孵化してからおよそ1ヶ月ほどで一度脱皮をし、2令幼虫になります。
この頃はまだ体重が10g前後。プリンカップで飼育することが可能です。
飼育マットは、カップの8割くらいまで自然に詰め込む形で問題ありません。
(ぎゅっと詰めずに、軽く押さえる感じです)
マットの交換は、2〜3ヶ月で交換することが理想です。
幼虫の成長による交換もさることながら、マットの劣化も交換の理由です。
(乾いてカラカラになったり、湿度が高くなりマットがベタベタになったりと、飼育環境に
よって劣化の具合は様々です)
3令前期(孵化後3ヶ月〜6ヶ月程度)
羽化して3ヶ月をすぎると、もう一度脱皮をして3令幼虫となります。
ここからはグングン成長して行くタイミングですのでここからはボトルや専用ケースなどで管理しましょう。
急激にマットを食べる量も増えますのでボトルのサイズが重要になります。なぜなら、♂と♀の大きさ、体重の差が出てきますので、おのずとマットの消費量も変わります。
1500CC程度のボトルに引っ越しさせましょう。
3令中期(孵化後6ヶ月〜9ヶ月程度)
さあ、半年を過ぎる辺りから50gを超えてきます。(飼育環境で体重の差は出ます。)
このタイミングで大きめの飼育ケースに移行させましょう。
♀の場合は1500CCのボトルであればそのままで良いでしょう。
♂は3500CC以上が理想です!
QBOXというケースが安くておすすめです。(QBOX−20は3500CCです。)
この他にもペットショップなどで販売されている大きめの飼育ケースでもOK!ただし、蓋の形状に気をつけましょう。幼虫飼育にはコバエの侵入を防ぐ専用ケースをおすすめします。
飼育ケースのサイズ表はこちらから、
3令後期(孵化後9ヶ月〜12ヶ月程度)
孵化後9ヶ月を過ぎると3令後期です。
♂の場合は体重も100g!を超えてくる個体も珍しくありません。
白かった幼虫が、徐々に黄ばみが出てきます。
黄色みが濃くなり、腹筋運動のような動きが激しくなると、サナギになる合図です。このとき多くの場合はケースの端に空洞が見えてきますので、中の様子が確認ができると思います。
ポイント!
幼虫は蛹になる前に「前蛹(ぜんよう)」という状態に変容し、「蛹室(ようしつ)」という蛹になる部屋を作ります。
前蛹になると体から体液をだしながら、腹筋運動の動きで自分の周りを固めていきます。
安全(蛹の空間を確保する)に蛹室を作るには、前蛹になる前にQBOX‐40などの広めのケースに移し変えるのがベストです。
また、コバエシャッター(中)を使用されている方も多くいます。
なぜなら、QBOX‐20サイズなど小さめの飼育ケースをそのまま使用し続けると、20センチを超える蛹室づくりに容器が壁になって小さな部屋しか作れないケースが出てくるからです。
もし、飼育ケースから蛹室が大きく見えてしまう場合は蛹室づくりに失敗していますので、大きな蛹になれず、写真の様な胸角がぐるり(ぐにゃり)と曲がった成虫になってしまいます。
※とはいえ、飼育スペースの問題もありますので、小さなケースで飼育している場合は、この前蛹のタイミングで移し替えることで回避しましょう。
クワガタ・カブトムシは、一旦蛹になってしまうと形を変えることはできませんので、
蛹になる前に、《人口蛹室》へと移し変える必要があります。
写真は♀の蛹なので、この位置で蛹になっても平気ですが、♂の場合は人口蛹室へ移動しましょう!
□□□ その3□□□
ヘラクレスオオカブト幼虫のマット交換は?
マット交換の頻度は通常2〜3ヶ月に一度くらいが目安になります。あまり頻度が多いと幼虫にとってストレスになります。普段真っ暗な地中で生活しているのに、急に空気が流れ、明るいところに掘り出されるのですから大変ですよね。
しかし、一筋縄では行きません!
マットは微生物を含む生き物なのです!下記の異常を発見したら速やかにマット交換をおすすめします!
①コバエがたくさん沸いて来た!
ケース内にコバエがたくさん飛んでいる場合は、水分量が多すぎた能性があります。
線虫なども出てきますので、幼虫にとっては良い環境ではありませんし、コバエの幼虫が
マットの栄養素を吸い取ってしまい、幼虫が小さくなってしまうこともあります。
②幼虫がマットの上にあがってきた時
幼虫がマットの上に出てきている時は、マットが再発酵して熱を帯びているかも知れません。
また水分量が多く酸欠になっている可能性もあります。
そんなときはまず蓋を開けておき、熱を逃がすか、空気を取り込んであげてください。また潜っていくこともあります。
他にもなにかマットに異常があると、幼虫はマットから出てきますので日々チェックを行い
ましょう!
③フンが溜まっているとき
交換を予定していたタイミングよりもマットの上がフンだらけの場合があります。
こんなときもマット交換のタイミングになります。
マット交換を怠っていたりするとこの状態になりますので注意しましょう!
《ヘラクレスオオカブト幼虫の飼育温度は?》
ヘラクレスオオカブトの幼虫管理にベストな温度は23℃を基準にして20℃〜25℃と言われています。温度が低めだと幼虫期間は長くなり、逆に温度が高めだと幼虫期間は短くなる傾向があります。
また、寒さには意外と強いのですが、熱にはかなり弱く夏場の温度管理は必須です。
六脚堂の冬の飼育環境では一部10℃を切ってしまうことがありました。その時は10頭中半分は☆になりましたが、もう半分は生存しました。やはり、15℃は最低でもほしいところですね。
温度管理ができそうな場合は20℃〜22℃くらいを管理して維持できると、幼虫期間が長くなるため、その分大きく育てることが可能になります。
この環境を維持するために、暑い日は水を入れ凍らせたペットボトルを交換したり、寒い日にはヒーターをいれるなどしっかりと管理することで立派なヘラクレスを羽化させることができます。
ヘラクレスオオカブトは国産カブトムシとくらべても幼虫期間が長いです。(1年ちょっと)
幼虫飼育のポイントを抑えて、大きなヘラクレスを育てていきましょう!
もう一度おさらいを。
・室内温度は20℃〜25℃を保とう(直射日光が当たらない部屋で)
・飼育マットの交換は2〜3ヶ月に一度でOK
・飼育ケースは余裕を持って大きめが理想です
ここからは、幼虫飼育も大詰め!蛹になる時の方法です!
《ヘラクレス飼育|蛹化すると》
ここからは、立派なヘラクレスにするための大きなポイントとなります。( ♂の場合 )
本来は自然蛹室でそのまま羽化まで行ける場合はそれでも大丈夫です。
ただ、絶対にやらなければならないパターンとして、ケースの壁側に蛹室の一部が見えている時などがあります。
この状態は、ツノが曲がってしまう可能性が出てきます。
♂は孵化から、1年〜1年半ほど経つと、幼虫が蛹室(ようしつ)を作って、蛹になる準備をします。
幼虫は、蛹になる前に前蛹(ぜんよう)という姿になります。
お尻の先がシワシワになって、手は短くなって固まり、口(アゴ)も固まって動かないようになります。側面や下から蛹室のはしが見える場合、前蛹の特徴として腹筋運動のような動きを続けます。
この際、蛹室の作り始めから2週間程度経過するまで我慢してください。
この期間はまだ幼虫の手と口が固まっていません。
前蛹になる前にマット交換してしまったり、人工蛹室に移動をさせてしまうと幼虫はもう一度蛹室を作るために動き回り、サイズダウンしてしまうことになり、最悪は☆になってしまうのです。
ヘラクレスの前蛹の動画
顎が機能しなくなることと、足も外れて機能していません。
※前蛹段階で幼虫は体液を出し、周りの土を固めます。この行動が体重を減らしながら、まさに身を削って羽化の準備に入るのです。
また、蛹室が見えておらずマット交換の際にあやまって蛹室を開けてしまった場合。
この場合、人口蛹室に移すか、そのまま蛹室を使えそうなら、露天掘り状態にしてそのまま様子をみても良いです。
ポイント!
露天掘りとは、蛹室の上のマットを開けた状態で管理すること。
この時、蛹室内の湿度が下がり蛹が乾燥してしまうので、横に水を入れたプリンカップをおいたり、新聞紙をかけてマットを少し被せる。などの対処法があります。
この様に、マット交換しようとして前蛹だった場合。
ちなみにこの子は蛹室が小さかったため、押し硬めて蛹室を広げました。
後日、しっかりと胸角を伸ばしてくれました。
こちらは、ヘラクレスの幼虫が蛹になるシーンです。
そこで注意点!
・露天掘り所たら乾燥しないように対処!
・振動や衝撃を与えないようにしよう!
・直射日光が当たらないようにしよう!
蛹化(蛹になってから)からおよそ1ヶ月〜2ヶ月くらいで羽化します。
いよいよブリードしていて最高の時を迎えました!
最初は赤茶色だった羽の色が、黒になって落ち着いたら成虫管理用の別容器に入れ、活動開始するまではそっとしておきましょう。
羽化して1日経過のヘラクレス。まだ上翅が赤いです。
ポイント!
・羽化直後はまだ体の内部が出来上がっておらずデリケートな状態です!
本来はまだ土の中にいるべき時間。羽化後、長生きしてもらうためにはあまり触らないように
そっとしておくことが大切です!
・1〜2ヶ月の間はエサを食べません!活動し始めるまではゼリーなど与えないようにしましょう!
この子はちゃんと斜めに蛹室を作ってくれました。使用していたケースはセパレートケースの中ケースを使用しました。
サナギで160mmくらいなので、羽化すると150mmいかないくらいでしょうか。
しっかりと胸角も伸びてくれていますね。
体重も測ってみました。
7月に最終72gで、この写真は11月に撮ったものです。おそらく幼虫で90gくらいまで成長し、蛹化したことでこのサイズになったと思われます。
《 ヘラクレス飼育|まとめ 》
男の子の憧れである、世界一大きなカブトムシ。ヘラクレスオオカブト。
大きな成虫にするにはたくさんのお世話が必要になるのです。ギネスサイズは今や180mm超えですが、そのクラスを出すには相当な努力が必要となります。
※レコード狙いのブリーダーさんは、ヘラクレスだけで1000〜2000頭の幼虫を飼育しています!
初めての飼育の際は、まずは大きさよりもちゃんと羽化させてあげることを念頭に育ててあげてください。
カブトムシも、人間と同じ生き物です。これだけやったから大きくなる!というものでもありません。幼虫自体の持っている素質も大事になってきます。
幼虫を購入した方は羽化を楽しみに。成虫ペアを購入した方はペアリングから、産卵セット、割り出しの感動を体験して、小さなお子様がいらっしゃる場合は、命の尊さを教えてあげてください。
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