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カブトムシ・クワガタの飼育用語集

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六脚堂ブログ - カブトムシ飼育用語辞書

カブトムシ飼育用語辞書

用語 説明
亜種(あしゅ) 同じ種であるがいくつかの差異が見られること。
例えば、アローコクワガタは原名亜種。もとの種族ですね。
アローコクワガタ リエンやアローコクワガタ ノブヒロイなどが亜種と言われます。
UP(あっぷ) クワガタ・カブトムシの販売の際に、「110mmアップ!」などの表記を見たことはありませんか?
この業界では「~以上のサイズ」という意味で、羽化個体のサイズを表記する際に使用します。
また、大型の個体だよ!をアピールする際にも使用する表現です。
羽化不全(うかふぜん) 蛹から完全な形で羽化できないことを言います。
翅が開いていると、そこから雑菌などが入り、長生きできないと言われています。

※この子は人工蛹室の水分が多く、下に溜まっていたことで起きた不全と思われます。
※この子は人工蛹室の水分が多く、下に溜まっていたことで起きた不全と思われます。
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用語 説明
ウロ(うろ) 昆虫採集をしている人以外には、なかなか馴染みの薄い言葉でしょうね。
クワガタが好むコナラ、クヌギなどの木のウロは、格好の採集ポイントになります。
近年乱獲により樹木を傷つける方がいますが、ウロを壊すと来年度からそこにクワガタは生まれなくなるので環境保護の気持ちも持ってもらいたいものですね。
追いがけ(おいがけ) 追いがけはクワガタ・カブトムシ業界で使われる言葉です。
意味は交尾済のメスに、再度交尾をさせることを言います。♂を取り替えて行うこともあります。単に交尾させることは「かける」という言い方をすることも。
産卵セットから出てきた時に、卵を産んでいなかった場合など産卵行動に入ってもらうためのスイッチを入れる作業とも捉えられます。
オガコ・オガ 広葉樹を粉砕し小さな粒にしたものを言います。菌糸ビンを作る際、またはマットを制作する場合に使用する原材料です。

完品羽化(かんぴんうか)

ディンプルや軽微な羽パカもなく、きれいに羽化した状態を呼びます。

観賞用であれば販売時にこれを第一にすると良いかと思います。

上翅にシワも凹みもなく、おしりの翅もきれいに閉じた状態を言います。

完品羽化のグランディスオオクワガタ

完熟マット

発酵を重ねて三次発酵までさせたマットの総称。

発酵を重ねるとより土に近づいていくイメージです

月夜野きのこ園産さんの完熟マット

熟度の高いカブト系に使えるマット。コストパフォーマンスや流通切れのないところが安定的でとても良いです。

ガス抜き

マットを空気に晒してバクテリアを活性させること。

メーカーによりますが、密封で送られて来るとマットの酸素が不足し、バクテリアの

活動が停滞します。すると、嫌気発酵臭を放ちます。(糞のような匂いや腐敗臭)

このガス抜きをすることで、いわゆる土の匂いになるまで空気に晒します。

衣装ケースなどに入れ、撹拌して空気にさらします。

管理マット(かんりまっと)

この表現をする場合は、成虫を飼育管理するマットのことを指すことが多いです。

→下記にマット の項目あり

学名(がくめい)

生物学における学名(がくめい、scientific name)は、生物学(かつては博物学)の

手続きに基づいて世界共通で動植物、生物の分類群に付けられる名称のことです。

ラテン語で示されるものです。

「SCP財団」学名についてわかりやすく説明されています。

カワラ材(かわらざい)

カワラタケによって朽ちた産卵用の木材を言います。カワラタケ菌によって樹木成分や組織が分解され、幼虫が食すのに適した状態となっており、オオクワガタが好んで産卵する。

菌糸ビン(きんしびん)

オオヒラタケやカワラタケなどの菌糸を広葉樹のマットに植菌し容器に入れたもの。各種クワガタの幼虫のエサとなる。

原材料や添加剤、ボトルサイズはメーカーによって特徴も有ります。

菌糸ビン飼育(きんしびんしいく)

菌糸ビンで幼虫を飼育する方法。大型のクワガタを作る時に使われます。

(菌糸ビンを使わないクワガタもいますので注意!)

幼虫が食べ進んだ菌糸ビン。

菌床ブロック(きんしょうぶろっく)

各種おが粉に菌を繁殖させ、ブロック状に固めたもの。崩して容器に入れて使用する。

菌糸ビンのサイズを自分に合わせたもので作りたい方や、菌糸ビンよりも安価なものがおおいので経費を削減できる為に使われます。

最近ではブロックを産卵セットとして使う手法も有ります。

後食・未後食(こうしょく・みこうしょく)(ごしょく・みごしょく)

「後食」とは、エサを初めて食べることをいいます。

後食までの期間はそれぞれのカブトムシやクワガタの種類によってさまざまです。

《後食とは》

材(ざい)

クワガタ・カブトムシ業界では、「クワガタに産卵させるための木」のことを指します。

産卵材(さんらんざい)や産卵木(さんらんぎ・さんらんぼく)などと呼ぶこともあります。

材に使われる木の種類としては、クワガタが好むクヌギやコナラなどがあります。

また、発展形としてバクテリア材、カワラ材、レイシ材 なども有ります。

材採集(ざいさいしゅう)

野外の立ち枯れや倒木の中にいる幼虫や成虫を、木を割って採集すること。ここから取れたクワガタやカブトムシを、WD(ワイルド)個体と呼びます。

産卵セット

カブトムシ、クワガタに卵を産ませるために組むケースのことを

産卵セットと呼びます。

《リンク》

初令、2令、3令(しょれい、にれい、さんれい)

クワガタやカブトムシの幼虫は、卵から孵化した後初めて幼虫になります。

そして幼虫の期間は3段階に分けられます。

幼虫は脱皮を繰り返し、その都度次の段階に入っていきます。

初令もしくは1令(いちれい)という言い方も有ります。

ヘラクレスオオカブトの卵から3令まで。

産卵セット(さんらん)

クワガタ・カブトムシが卵を産む環境を再現した飼育セットを言います。

産卵木に産卵するものや、マットに産卵するものなど種によって異なるため、種に適した

用品が必要となります。

産卵木(さんらんぼく)

メスが産卵する為の朽木。原木椎茸栽培に使用されたクヌギやコナラのホダ木が使われる。

上翅(じょうし)

前翅(まえはね)、翅鞘(ししょう)とも呼ばれ、昆虫の上はねの事。昆虫の場合、羽ではなく翅と書く。

食痕(しょっこん)

虫が食べた痕。クワガタ・カブトの世界では主に幼虫の食べ痕をさす。

自力ハッチ(じりきはっち)

飼育ボトルから羽化し、飼育者が掘り出すのではなくクワガタ・カブトムシ自身が

マットからフタの部分まで這い出てくることを言います。

この場合、すぐに後食が始まりますし、非常に良い状態であると言えます。

人工蛹室(じんこうようしつ)

何らかの障害により、前蛹や蛹の状態で飼育ボトルから掘り出し、管理するための

飼育者が作った蛹室のことを言います。

タッパやプラケースに合わせてオアシスを切り取り制作します。

《人工蛹室の作り方》

ティッシュペーパーの人工蛹室でも羽化可能な種もいます。これはパプアキンイロクワガタ。

前蛹(ぜんよう)

幼虫が蛹(さなぎ)になるための準備の状態です。顎と六本の足は外れ、機能しなくなります。

また、おしりがしわしわになるのが特徴。動きは腹筋運動のような動きしかできなくなります。

この時に蛹室を作り終えるとこの状態に変容します。

アゴ、足が外れ、機能しなくなります。
おしりがしわしわになるのも前蛹の特徴です。

即ブリ(そくぶり)

「即時ブリード可能」という意味です。クワガタ・カブトムシは、後食を開始してから性成熟するまでさらに時間がかかります。

後食を終え、数ヶ月経ってすぐにペアリングが可能となった成虫を販売するときに使う用語と言えます。

ディンプル

カブトムシ、クワガタの背中の部分「上羽(うわばね)」、もしくは

「上翅(じょうし)」の部分にある凹みやシワをこう呼びます。

購入時、大きなディンプルなどがあると価格が安かったりします。

添加剤(てんかざい)

マットを醗酵させる際に使用する醗酵促進剤。小麦粉やフスマを使用することが多い。ほかにもキトサンなど栄養素を別途混ぜることも。

同腹(どうふく)

同じ両親から生まれた兄弟姉妹のことを言います。♀が同一でも♂が異なる場合は同腹異父となりますが、表現としては前者しか使われていないですね。

販売の際に、「同腹兄弟で◎◎mmの大型が出ています!」と書いてあることがあります。これは、大きな子が羽化する可能性がありますよ!という表現です。

二次発菌(にじはっきん)

1度発菌した菌糸(一次発菌)を崩し、再度詰めなおして発菌させたもの。

菌床ブロックを一次発菌と考え、菌糸ビンで二次という考え方。菌糸ビンでも一次発菌の商品も二次発菌のものもあります。

羽パカ(はねぱか)

羽化時にうまく翅(後ろ羽)をたためなかった個体をこう呼びます。

孵化(ふか)

卵から幼虫に変態すること。

跗節(ふせつ)

節足動物の足の先端にある節のこと。

ペアリング

交尾、交配のことです。ペアリングも2タイプあり、同居ペアリングとハンドペアリングがあります。

《クワガタ・カブトムシのペアリング方法》

クワガタは数分で完了しますが、カブトムシは、大きくても小さくても1時間以上続くことがあります。

ネプチューンオオカブトのペアリング。

★になる(ほしになる)

生体が死亡してしまうことをこう表現します。 言葉の由来は、死亡する → 星になる → ★になるという流れから来ていると考えられます。

使用例 → 幼虫が全部★になってしまった。

大切に飼育していた虫が死んでしまったことを、大切にすることからマイルドに表現する際に使うように六脚堂では心がけています。

マット(まっと)

クワガタ・カブトムシ業界において「マット」という場合、成虫管理用の敷き物として使うオガやチップなどを指す場合や、幼虫飼育のエサや産卵床として使用する「発酵マット」の意味で使われています。「マット」には元々敷き物という意味があり、飼育のための敷き物という意味で使うようになったと考えられます。

マット飼育(まっとしいく)

発酵マットで幼虫を飼育する方法。

ほとんどのクワガタ・カブトムシの幼虫がマット飼育できますが、一部のクワガタについては菌糸ビン飼育の方が大型に育つものもあります。

メイトガード

同居ペアリングを行ったクワガタやカブトムシが、ペアリングを終えた以降に見せる活動。

♀が他の♂との交尾をさせないように、♀の上に♂が覆いかぶさることを言います。

メタリフェルホソアカクワガタのメイトガードの様子

蛹化(ようか)

幼虫が蛹(さなぎ)になることです。

蛹室(ようしつ)

幼虫が蛹(さなぎ)になる際に作る部屋で、成虫になり野外活動を始めるまでこの部屋に留まる。

ヘラクレスオオカブトの蛹室は大きくて迫力抜群!

らくボックス

とても薄いため、幼虫から蛹、羽化するまでを観察しやすくするためのケースで、学校の自由研究には最適なケースです。

ヘラクレスやネプチューンなど、サナギになる際に角が曲がりやすい種はこのケースで管理するブリーダーさんも多くいます。

らくボックスはこちらから

累代(るいだい)

『累代飼育』とは、何世代にもわたり繁殖させ、飼育することです。

 つまり兄弟間で交尾・産卵させるわけです。 

『インラインブリード』ともいいます。

累代表記

累代飼育における表現の方法です。

霊芝材(れいしざい)

マンネンタケの栽培に使用した後の材。ババオウゴンオニ、タランドゥスオオツヤクワガタの産卵材としてはマストと言える材。しかし、幼虫を大きくは出来ないので、卵のうちに採卵してしまう必要が有ります。

露天掘り(ろてんぼり)

クワガタ・カブトムシ飼育においては、主に幼虫の様子を見たり取り出すことを目的として菌糸瓶やマットを上から掘っていくことを指します。

また、サナギの状態で蛹室の湿度管理や雑虫対策でこれを行うことも有ります。

ワイルド個体

野外採集個体のことで、WDと表記されます。

割り出し(わりだし)

産卵木を割って、卵や幼虫を取り出すことを割り出しと言います。

産卵セットのマットの中にいる卵や幼虫を取り出す場合も割り出しと言います。

(カチカチの硬いマットを割って取り出すのでそれも不自然ではないと思います。)

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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