タウルスヒラタクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫飼育まで
『タウルスヒラタクワガタとは』
インドネシア、マレーシア、フィリピンに生息しているヒラタクワガタの仲間です。
流通しているものでよく見るのは、ボルネオ サバ州、カリマンタン島の北カリマンタンの2種。
パット見、「なーんだ。ただのヒラタか。」と思っちゃうくらい中型の普通のヒラタクワガタ。です。ただ、見つけたらぜひ近くで見てみてください。びっくりですよ。
何と言ってもこの毛並みが、只者じゃない感を出しています。最高のオンリーワン感を出してきます。大顎の縁に生えている毛です。
なんとも言えない高級感を感じてしまいます。
戦いの中でも、この微毛が相手を確実にロックするんだろうな〜と、野生の姿を想像させてくれます。
そして、少し引いて全体を見てみると、足と符節にも多くの毛が生えています。これやば。
所有感が半端ないのです。
この体毛によるオリジナリティがやばいです。
超一目惚れです。この子は販売するよりも我先に自分がやりたいと思ってしまいました。
ということで、すぐペアリングして、産卵セットに入れてしまったので♀の写真が無いのです。
でも安心してください。♀は普通です笑
(はい。写真を撮っていない言い訳なのです。)
バックショットも他のヒラタにない存在感です。また、上翅は褐色寄り。
基本的に私は大きい虫が好き。更にカブト派を主張していますが、この子のただならぬ雰囲気から、たくさん増やしたい。。。と即決してしまいました。
ただ注意も必要です。
亜種間の交雑があるようなのです。うちのコはWF1なので心配は有りませんが、こちらの方は10年以上この種に向き合ってきた方からの警鐘なのでぜひ読んでもらいたいです。
「牡牛屋」さんの記事はこちらから。
とはいえ日本国内では余り目立たず、ヒラタといえばやはり強そうなスマトラやパラワン、短くて太いアルキデスなどが人気種になります。
なのでタウルスはマニア種と言われ、飼育人数も少ないのです。
それなら六脚堂が増やして布教しましょう。
そして飼育はとても容易です。
飼育方法としては国産ヒラタと同じ方法で簡単に累代が可能です。
ビークワレコードは71mm。
サイズ的には、♂は約50〜65mm、♀は、約35〜45。めっちゃ英才教育で添加菌糸付けにしたら大きくなるんでしょうか。
和名:タウルスヒラタクワガタ(クシヒゲヒラタクワガタ)
学名:Dorcus taurus
産地:インドネシア、マレーシア
六脚堂飼育個体で、マレーシア ボルネオ サバ州はMt トゥルスマディ。WF1です。
頑張って累代して行きたいと思います。
ここからはタウルスヒラタクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
1年半~2年半程度
飼育温度:
18~25℃前後
成熟期間:
後食までおよそ2ヶ月程度。そこから1ヶ月程度で成熟と考えてOKです。
成虫飼育メモ:
冬の間は15℃以上を保ち、夏は25℃を超えると危険です。その際は乾燥気味にして蒸れが置きないようにしましょう。(23℃までがベストです。)
高地に住むのでスマトラやパラワンよりも涼しくしましょう。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
【産卵セット】
マット、産卵材(コナラ、クヌギ等)のどちらでも産んでくれます。
特に材は必要ありませんが、材については柔らかめのものを好む傾向。マットのみでもOKです。その場合は微粒子完熟系で組みましょう。
《産卵セット》の作り方はこちらから
【ケースサイズ】
Mサイズ程度。
中サイズの材を2本いれる場合は、コバエ抑制ケース 中。無しならコバエ抑制ケース 小
などを使用しましょう。
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度。
【マットの詰め方】
ケース底面8割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】
20〜23℃前後
【ケース】
材の大きさに合わせて選びましょう。
ペアリング方法:
同居ペアリングをおすすめします。
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。
3)♂、♀を投入し7日間ほど一緒にしておきます。
※ほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。
♂のアゴを縛って同居させることをおすすめします!
この動画は、本土ヒラタクワガタの同居ペアリングの様子です。
100均のケースの底に、これも100均の鉢底ネットをガムテープで止めただけのものです。
♀の隠れ家として、樹皮を1枚入れています。
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
菌糸ビンでもマットでもOKです。 オオヒラタケの菌糸ビンで良いでしょう。
マットでも飼育は可能ですが、菌糸ビン飼育のほうが早く羽化する傾向にあります。
♂は800CCのボトルで途中1〜2回程度。
♀は800で1回程度。500CCでも問題なく羽化してくれます。
※幼虫を割り出すタイミングでボトルの交換回数は変わります。
※温度や菌糸の劣化具合、食い進みにより変化はあります。
【設定温度】
20~23℃前後が理想的です。
下は15℃、上は25℃が限界値かと思われます。低温には強いので、幼虫期間を引っ張ることもできそうです。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂:10〜12ヶ月程度
♀:6〜10ヶ月程度
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2025年8月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
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