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クワガタ

ストリアータツヤクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ストリアータヤクワガタとは』

 黒褐色のボディに、黄褐色の毛がふんわりと模様を描く中型のツヤクワガタ。

よく見ると、頭や前胸のあたりにはびっしりと黄褐色の毛が生えており、光の当たり方で金色っぽく輝く。

上翅(じょうし)にも縦に筋のような毛の帯が入り、なかなか風格のある見た目ですね。

 同じツヤクワガタ仲間のケファロテスツヤクワガタにもよく似ているけれど、並べてみると意外と違う事に気が付きます。

ケファロテスの方は少し小ぶりでスリム、♂の大アゴの根元が板のように縦に長い形。

一方、この種は全体的にがっしり体型で、♂の大アゴの根元が太く幅広いのが特徴。

♀も見分けポイントがあって、ケファロテスは目のあたりの突起が台形っぽく横に張り出すのに対して、こちらの種は“耳”のような丸みを帯びた突起になっている。見比べてみると、ツヤクワガタの奥深さがぐっと感じられる一種で、見ちゃったら欲しくなります笑

クワカブプラネット様の、「ケファロテス」のページ。

クワプラさんのWEBは相当な数の種が乗っているのでとても勉強になります。

参考にどうぞ。

産地は、スマトラ島 ベンクール、パダンがほとんど。

ボルネオ島、ジャワ島 などにも見られるとのこと。

サイズ的には、♂:25.0~52.6mm(レコード)♀:23.5~33mmと小ぶり。

しかし、存在感が大きいのと、珍品のため見つけたら即買いして間違いない種です!

なお、以下はBE-KUWA94号、飼育レコード特集より、レコード個体の情報です!

ストリアータツヤクワガタ

産地:スマトラ島ベンクール

飼育者:クワガタ依存症

記録サイズ:52.6mm(野外最大54.0mm/予想最大59mm)

幼虫エサ:赤枯れ+Uマット(RTN)+α

飼育温度:夏23℃以下、冬18℃以上

飼育履歴:2019年7月産卵セット → 2021年6月羽化確認

最終容器:デジケースHR-1

評価

サイズ評価:★★★☆☆(3.0)

技術評価:★★★☆☆(3.5)

総合評価:★★★☆☆(3.25)

更新履歴

2009年:43.2mm → 2011年:49.9mm → 2012年:50.5mm → 2021年:52.6mm

これを参考にレコード個体を目指そう!

和名:ストリアータツヤタクワガタ

学名:Odontolabis striata

なんだか、一目惚れして購入しちゃいました。ツヤクワガタは、なんだかクセが強い。だから敬遠!という種です。あとは六脚堂のしょーへーがツヤマスターなので、任せてしまっている。という理由もあります。 

ツヤクワガタについて、わからないことがあればいつでもお店に来てしょーへーに聞いて下さい笑

今回の産卵セットもしょーへーが組んでくれました。ありがたや。ということで、紹介です。

スマトラ島:ベンクール WD個体

♂:45mm

もうまるでイノシシの柄じゃないですか。変わった子は大好きです。

漂うクリスマス感は何だ。。。

この写真だけ見るとトナカイフェイス。

こんなのが可愛くて即購入しちゃうと言うことは、シワバネとかクビボソとか見たら即買いしちゃうんだろうなー。

本当に美しいと思いませんか?

黄色く見える部分は、微毛がはえています。

なんだか漆塗りに金筆でラインが書かれているような美しさ。

毛足のアップするとおよそ0.5mmくらいの長さのような気がします。

次に♀ちゃんですね。

模様の感じはまるで♂と同等。

かわいい。

毛足も♂と同等。触るとちゃんと手触りに毛を感じます。

目が大きくて可愛いですね。前胸も艶らしく一部の尖が存在します。

ケファロテスのメスは、目の横に厚い突起が現れます。

(持っていないので写真がありません。。。手に入れたら掲載します!!)

イノシシ模様ですね笑

この角度の♀のっ写真ってあまり見ないですよね。

なぜなら特徴がわからないからでしょう笑

足の根元の黄色い部分も微毛です。

このページではストリアータツヤクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は6ヶ月程度です。

飼育温度:

20〜25℃前後。

成虫育成メモ:

小さくても、♂同士、♂♀ともに一緒のケースにいれるのは避けましょう。

乾燥に弱い種なので、成虫、幼虫とも湿度高めが望ましいです。

羽化後1〜3ヶ月で後食を開始します。(大きさによりばらつきがありますが)

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。

【産卵セット】

カブト系の完熟マットを使います。より熟度の深いマットを好みます。(茶色よりも黒に近いマット)また、赤ガレを多少混ぜると良い反応が出るらしいのですが、月夜野きのこ園さんの黒土マットのみでも産卵結果が出ているのを見ます。六脚堂にも黒土マットは置いております。

加水:

ちょっと多いかな?というくらい。握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!

材は不要です。

底面の半分を固く詰め、残り半分はゆるく。

産卵セットの作り方 

《産卵温度》

23〜25℃程度。

【使用するケース】

コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など、材の大きさに合わせてケースを選択します。

《ケースサイズ表》

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の飼育方法 □□□

【お勧めのエサ】

マットのみです。菌糸ビンでは育ちませんので注意。

そしてツヤクワガタはクセがあるので注意が必要です。

1)初令時は、産卵セットのマットを移行した方が良い

2)コバエなどが発生して産卵セットのマットを使えない場合は、カブト用の完熟マットや黒土など完全発酵がおすすめです。なお、他種の使い捨てマットを半分程度と赤ガレマットを少々混ぜるのがセオリーとされています。

3)大型や大歯を狙う場合は、2〜3令時にカブト用完熟マットをベースに、廃菌床ベースのマットや添加マットを少しづつ増やしていく。

4)マットの全交換は避けたほうが無難です。

ツヤクワガタ種はよく熟したマットを好む傾向があります。初令時は添加に弱いので、無添加の完熟マットを与えます。

2~3令になってから添加されたマットを少しずつ混ぜて行きます。できるだけ大歯を狙うにはこの方法がベストです。

サイズを気にしない場合、初めてで自信の無い場合は食性が合わずに☆になることもありますので、その場合はブレンドせずに無添加完熟マットで通しましょう。

そしてツヤクワガタ種は容器の中間付近に空洞を作って居食いします。交換タイミングを逃すとマットが容器の中で上下に分かれるような状態になり、そのまま☆になることも多いようです。

なので、六脚堂の場合は、ケースの半分古いマットを削ってマットを継ぎ足すイメージで行なっております。

【容器】

500CCから3令で800ccへ移行。

【えさ交換数】

交換は途中3回程度。

上記にあるように、マット交換を失敗すると幼虫が全滅した。。ということもあります。

30頭程度産卵はしますが、☆になることを想定して丁寧に行きましょう 。

【設定温度】

22〜25℃程度。

【孵化から羽化までにかかる時間】

♂、♀ともに12〜14ヶ月程度。

【注意】

幼虫は土繭を作ります。3〜4ヶ月で3令になり、そこから4〜5 ヶ月後に繭入りします。

繭入後2ヶ月位でサナギに。羽化まで2ヶ月。

※個体により時期のズレがかなりあります。あくまでイメージです。

繭入りすると餌を追加できませんのでその前の交換が大きくするための肝になります!

また、繭を壊すと蛹化時、羽化時に☆になりやすくなるのでご注意を!!

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2025年11月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2025-11-01

難関種に着手。だって一目惚れなんだもの。

ーー六脚堂飼育ブログーー

【25年11月1日】

だって欲しくなったんだもん。可愛くて。

こんなの見たら、全人類欲しいでしょ〜に〜。

ということで入手したストリアータツヤクワガタ。買ってから若干後悔したよ。だって産ませてる情報も、羽化させている情報も少ないんだもの。うちのツヤクワ好きのしょーへーが、喜んで産卵セットを組んでくれたからまあいいか。

このためなら赤ガレ何リットルでも買ってやる。

スペックは

産地:スマトラ島:ベンクール

累代:WD

サイズ:♂ 45mm  ♀ 29mm

産地は一般的に入ってくるベンクールです。いやーかわいい。

家に帰ってくるなり、リビングですぐに載せてみました。

うちはどこに虫を置いても怒られない環境なのです。だって虫屋だし。

いつもなら、WDの場合は自分はペアリングしません。ほぼ野生でかかっているので。ただ今回は、なんたってツヤクワ。産まなかった理由を1つでも潰しておきたい。ということで。

もう5分もかからないうちに合体完了です。

これで1つ、産まなかったときの原因を潰せましたね。

産卵セットは、フォーテックの「カブト1番+赤ガレ」です。微粒子も良いみたいだけど今回はダイレクトイン。

まずはこのセットでどんな結果になるか見てみたいと思います。WEBではカブト1番を使っているデータはなかったので、先駆者になりますよ。

近況:

10月のイベント、EZOクワカブフェスタ以降、ブログの更新が止まっておりました。

イベント仕込みは運営部分と販売部分の両方を考えるのに激務。(普通の仕事もしてるのでね。)終わったら終わったで、待機している仕事が溜まっておりそれをこなすのにテンヤワンヤになっていました。

ショップも半年が経ち、お陰様でお客様も増えました。そしてとてもお店に対する期待感と楽しみを持ってご来店いただいているな〜と感じております。本当に感謝です。

マニアックな趣味であることと、札幌でもたくさんの店舗があるわけではないので、こちらも真剣に準備をしなければ、お客様の飼育の手が止まってしまう。

菌糸1つ足りないだけでお客様の飼育計画が狂ってしまう。

そう思うと、在庫の体制も考えて、生体の買い取りや委託さんを増やさないと回らん!

商品ラインナップも増やしたい!企画も考えなきゃ!となるわけです。

いつまでも楽しいお店、六脚堂であるために走り続けなければいかんのです。

やりたいことはたくさんあります。

従来の昆虫ショップのやり方では、WEBショップ販売に駆逐されます。来年は、EZOクワカブフェスタの数以上に、イベントを行います。

どんどん昆虫飼育という楽しみを、この北海道に根付かせるために!!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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