オオクワガタ(国産)の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『オオクワガタとは』
クワガタ飼育において、現在では様々な外国産の輸入種がいる中でも、変わらず人気N0.1を誇るのが日本のクワガタです。
NO.1の理由として、日本で一番大きなクワガタであるところも魅力の一つでしょう。1990年代後半は、《黒いダイヤ》と呼ばれ1ペア1000万円の値段がついたそうです。そもそも飼育方法も確立されていない時代でもあり、地域によって採集も難しかったそうです。
とはいえ、今でも採集は簡単ではありませんが、地域ごとのブランドや、血統のついたブリード個体も多く流通しております。
性格も大人しく、長生きもしますので初心者には最適のクワガタです。また温度変化にも強く、準備さえしっかりすれば越冬もするので、ぜひチャレンジしてみてほしいですね。
おおよそのサイズは♂で70mm、♀で45mm程度です。飼育レコードは92mmと、圧巻の大きさになります。
2024年現在の価格は、およそ3000円〜8000円程度でしょうか。ブランド(血統)や大きさの出ている個体だとゆうに10000円を超えるものもあります。
なお、主な血統はこちらです。(Wikiより)
- 能勢血統
- 信玄血統
- 久留米血統
- 川西血統
- 熊谷血統
- TFO血統
※上記血統のいくつかは大型化し、外国種との交雑疑いの可能性が指摘されることがあるが、DNA検査などによって明確に証明された例は無い。
クワガタ飼育も深くなると、大きさを求める故にこんな疑惑なども生まれるのでしょうね。
また、オオクワガタは世界にもたくさんいます。
日本のオオクワガタは、ホペイの亜種になります。
1)ホペイオオクワガタ
(中国)
2)グランディスオオクワガタ
(ミャンマー、インド、ラオスなど)
3)クルビデンスオオクワガタ
インド、ネパール、ブータン、ミャンマーなどの「ヒマラヤ系」と、
タイ、ラオス、ベトナムなどの「インドシナ系」がいます。
4)パリーオオクワガタ
フィリピン パラワン島
などがいます。
和名:オオクワガタ
学名:Dorcus hopei binodulosus
写真は六脚堂の能勢SR血統。
昨年、六脚堂にお迎えした能勢SR血統ですが、なかなかのサイズです。今年はこの子達の累代にチャレンジします!(大きさを求めず緩やかに)
♂89.2mm
♀58.4mm
ここからはオオクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の育て方 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は、2年~3年ほど。
飼育の適温:
室内なら常温飼育が可能です。(関東以南なら室外でも行けるそうです)
温度管理が可能なら、20〜23℃で飼育すると良いでしょう。
ただし夏場は30℃を超えないように、冬季は氷点下になるような環境は
避けましょう。15℃を切ると活動が鈍ってきます。
また極端な乾燥・蒸れも好みません。
飼育場所としては直射日光の当たらない場所が良いです。
使用するケース:
おとなしいと言われるオオクワガタですが、♂♀一緒にしておくのはペアリングの時のみにし、普段は別々に管理しましょう。
(♂同士は喧嘩もしますので別々にしましょうね!)
大きさ的にはデジケース HR-2がおすすめです。
成虫育成メモ:
オオクワガタは「活動している時」と「冬眠している時」の2種類の飼育方法があります。
冬が近づいてきたら。
大体11月~3月は越冬期にあたります。(北海道だと10月中旬〜4月後半)
オオクワガタは気温が低くなるとエサを食べなくなりマットに潜って越冬(冬眠)します。15℃を切るようになってきたら、ほぼ地表には出てこなくなり、マット内に潜りっぱなしになります。
冬眠の準備として、下に潜れるように飼育ケースの半分以上に成虫管理用マットを敷いてください。0℃を切る北海道の寒さは流石に危険です。最低でも5℃以上はほしいですね。
暖かくなると、地表に上がってくるのですがその時に転倒して起き上がれなくなっているところを確認できない場合は弱ってしまうので、転倒防止材を入れます。一部だけではなく、広い範囲においてください。
あとは時々ケース内が乾燥しないように霧吹きしてあげます。お部屋の環境によりますが、マット(床材)を触って乾燥しているようなら加水しましょう。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
【ペアリング】
2〜3ヶ月で後食し、その後3〜6ヶ月で成熟と言われています。(個体差はありますが)
ペアリングするのは6〜8ヶ月程度待つ必要があります。
また、常温管理の場合ペアリングのタイミングは気をつけましょう。なぜならペアリング、並びに産卵には23〜25℃程度あるのが理想です。これから寒くなる秋口にペアリングしても、冬季間に産卵するには温度が低い状態になってしまいます。
常温飼育の場合は、春以降にペアリングを行うのが理想です。
ペアリングについてはこちらから。
【産卵セット】
産卵材、または菌床にて。なかでも菌床産卵がおすすめです。
材セットならクヌギ、コナラ。どちらでもOKです。マットには産みませんので、材を固定するためにマットを引きますが床材は基本何でもOKです。(成虫管理用の針葉樹は使いません。)
また、植菌カワラ材なども反応が良いようです。
最近は菌床産卵をされている方が多い様です。
いわゆる菌糸ボトルを飼育ケースに入れて♀を投入する方法や、ケースに菌糸ブロックを入れるなどがあります。(菌糸はカワラ、オオヒラタケなどです。)
菌床産卵のメリットは、材の割り出しよりも簡単であり、プリンカップに引っ越しさせたりという手間が省けるため楽なのです。
【ケース】
材の大きさに合わせて選びましょう。
中サイズの材を2本の場合は、クリアスライダー(大)、コバエシャッター(中)などを使用します。
産卵管理適温:24~26℃が理想です
【SET方法】
水分量は材の加水時間、使用するケースにもよりますが少なめで良いです。
底面のマットは固く詰め、材が半分以上露出するように埋めてください。材の周りを
掘り進むので、時間が経つと材は動くようになります。
《産卵材セット》
□□□ 幼虫の育てかた □□□
【お勧めのエサ】
オオヒラタケの菌糸ビンがよく使われています。
マットでも飼育は可能ですが、菌糸ビン飼育のほうが大型が期待できます。
♂は1000〜1400CCのボトル交換で途中2〜3回。
♀は800〜1000CCで2回程度。
※温度や菌糸の劣化具合、食い進みにより変化はあります。
オオクワガタはブリーダーさんも多く、様々な手法でボトル交換を行なっています。他のブリーダーさんのブログなども参考にしてみてください。
【設定温度】 20~25℃前後で
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂:7~12ヶ月程度
♀:8~10ヶ月程度
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年2月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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