パリーフタマタクワガタ(セアカフタマタ)の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『パリーフタマタクワガタ(セアカフタマタ)とは』
パリーフタマタクワガタ(セアカフタマタ)は名前の通り背中(上翅)の部分が鮮やかな赤色をしています。
大きく湾曲して先端がフタマタに分かれている大アゴはとても迫力があります。 また、何と言っても頭の部分のオニのようなコブ。
安価で購入できる種でもあるため、見た目の力強さ、かっこよさから大変人気のクワガタです。
さらに、いかつい見た目通り気性がとても荒く好戦的です。ゼリーをケースに入れようとするだけで、今にでも攻撃してくるような姿勢をとってきます。
♂74mm スマトラ島産
大きさ的には80mmを超えるサイズのクワガタです。
飼育レコードは 92.1mm(マレー・スマトラ)。(BE-KUWA2022年)
なお、パリーフタマタには4亜種おりますが日本で流通しているもののほとんどはこれです。
【パラドクサス亜種】
学名 Hexarthrius parryi paradoxus
生息 マレー半島・スマトラ島
様々な業者さんがWD個体を大量に輸入販売しているので、1ペア3,000円未満と
大変安価に流通しています。
なお、原名亜種はというと、
【原名亜種】
学名 Hexarthrius parryi parryi
生息 インド北東部
日本国内での生体流通は全くないようで、BE-KUWAレコードにも登録はありません。
【エロンガトゥス亜種】
学名 Hexarthrius parryi elongatus
生息 ボルネオ島
本亜種は全ての脚が赤いのが特徴。
大量流通しているパラドクサス亜種より高額。
【ディロレイ亜種】
学名 Hexarthrius parryi deylloei
生息 タイ北部・ミャンマー南東部
日本国内での流通量は非常に少ない。
ちなみに、スマトラ島やボルネオ島には同じフタマタクワガタ属のマンディブラリスフタマタも生息しており、稀にセアカフタマタとの交雑個体も採集されるとのこと。
セアカフタマタとマンディブラリスフタマタの個体は非常によく似ており、専門家でも同定は困難だそうで、セアカフタマタ(とされる)のWDの子供がマンディブラリスだったり交雑だったりすることも稀にあるようです。その逆パターンもあるのでマンディブラリス(とされる)のWDを使用した場合も、交雑種であることがあるとか。
(私の周りで聞いたことは無いので、相当稀な話かと思いますが。)
和名:パリーフタマタクワガタ
学名:Hexarthrius parryi
日本の俗称としてセアカフタマタクワガタと呼ばれています。
♂:87mm
フタマタに割れた顎が男心をくすぐりますね。
顎の湾曲も魅力の一つ。
♀43mm
こちらはマンディブラリスフタマタクワガタの♀です。
限りなく近いですね。並べられると私は判別がつきません。。。
このページではパリーフタマタクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は約6〜8ヶ月程度。
WD個体の場合は羽化日が不明なので、6ヶ月生きれば良いほうかも知れません。
飼育温度:
23~25℃
成虫育成メモ:
気性が荒いので複数を同じケースでは飼育しないこと。慌てずに成熟をしっかりさせるのがポイントです。
後食後、2〜3ヶ月待つ人もいるようです。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。(♀のポテンシャルも重要です。)
後食まで:羽化後1〜2ヶ月程度で後食。
成熟まで:その後2~3ヶ月で成熟するようです。(温度管理や個体によります。)
《ペアリング方法》
クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう)
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
産卵セット:
基本、産卵材に産みますので材を入れて産卵セットを組みます。
材は埋めてしまわず、転がしになります。
マットには産みませんが、こぼれたときのために完熟マットや、産卵一番などを
使用すると良いでしょう。(添加の強いマットは避ける)
産卵材は、クヌギ、コナラでOK。カワラ材やレイシ材でも産んでくれます。
産卵管理適温:
25~27℃前後でやや高めにセットします。
通常飼育の温度(20〜23℃)よりも少し高めにセットすることで♀が産卵行動に入りやすくなります。
産卵数の目安:
あまり多産ではない印象ですが、♀の当たり外れがやや多い感じです。産む♀は一度の20頭以上という結果もあります。
セットに♀を投入したら、1〜2ヶ月程度はそのままが良いです。材割りの際フタマタクワガタ系は材の表面に産む傾向が強いので少しずつ削いでいくことをおすすめします。
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
発酵マット。菌糸ビンのどちらでも飼育可能。大きさを狙うなら菌糸ビン飼育で臨みましょう。
菌糸はオオヒラタケが良いです。
800cc〜1400cc程度のボトルで交換途中2〜3回でOK。
大型を狙うなら♂は2回目の交換で1400CC以上でチャレンジしましょう。
※マット飼育と菌糸ビン飼育で若干の違いはあります。
【設定温度】
20~23℃度の範囲内。21℃前後が最適値です。
大型を狙う場合は低温でじっくりと行いますが、羽化までやや1年半近くかかることも。
【孵化から羽化までにかかる時間】
マット飼育と菌糸ビン飼育では羽化までの時間が変わる傾向があります。
一般的に菌糸ビンのほうが早く羽化して来るのです。
マット飼育の場合:
♂10~12ヶ月程度 ♀8~10ヶ月程度
菌糸飼育だと:
♂8~10ヶ月 ♀6~8ヶ月
※管理環境の違いによって個体差があります!
この記事は2023年12月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
★★★★★★★★★★★★★★★★
たくさんの種類のカブクワ情報発信中です!
舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
X(旧Twitter) ぜひフォロー& 通知を取ってください!
★★★★★★★★★★★★★★★★