ヒメオオクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『ヒメオオクワガタとは』
北海道、本州、四国、奥尻島、朝鮮半島、中国北部に生息するクワガタ。
特徴として、全身黒色で弱い光沢があり、大アゴは短く、強く湾曲しています。大顎は大歯型のオオクワガタに似ていますが、オオクワよりも細いイメージ。
内歯の形状は個体の大きさにより若干の違いはあるものの、大型個体ほど先端寄りに、小型個体でも大アゴ中央付近にあります。
内歯は小さい個体になると消失している個体もいます。
前胸背板はオオクワと異なり、後方が斜めに切れ込むのでここが見分けるポイント。
上翅は細かく密な点刻におおわれ、スジは無く、脚はオオクワに比べてずいぶんと長いイメージになります。
(カルコソマの様な足の長さの雰囲気がありますね!)
メスについては全身黒色で弱い光沢の中で、前胸は若干光沢が強くでます。
頭部中央にはドルクスコブと呼ばれる2つの突起があり、前胸背板後角がえぐれるように切れ込んでいて、腰がくびれたように見えるのが特徴となります。
脚はオオクワ、コクワに比べるととても長く、越冬するので、寿命は2年程度と長生きします。
サイズ:♂ 25~54mm、♀ 26~42mm
2022年のBE-KUWA飼育レコードは、54.7mm。
和名:ヒメオオクワガタ
学名:Dorcus montivagus montivagus
♂ 48.2mm 北海道 松前
個体提供:レスポール・カスタム様
ドルクスコブがあります。
このページではヒメオオクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は1〜2年です。
ケースの準備をすることで、越冬が可能です。
飼育温度:
18〜21℃前後。(24℃を超えると危険です)
高温多湿に弱いので、低めで管理すると良いです。また、乾燥には強い種です。
(乾燥させたほうが良いというわけではありません。)
成虫育成メモ:
小さくても、♂同士、♂♀ともに一緒のケースにいれるのは避けましょう。
高温に弱い種なので、成虫、幼虫などそのステージでも低温が望ましいです。
累代を考えるならば、産卵も25℃くらいがクワガタ・カブトムシは一般的ですが、ヒメオオクワは低温じゃないと産みませんので、環境を整えられるかがポイントになりそうです。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。また、越冬するヒメオオは、羽化した年に生む可能性は低く、一冬越させたほうが良い結果となります。
【産卵セット】
材産みなので産卵木は必須です。材は固めを好みます。
ベストはブナ。(なかなか手に入りません)よって、コナラがベターです。(クヌギは相性がよくありません。)材の表面に産み付ける特徴があります。
カワラ材で結果が出ているというブログも良く見ますね!
マットは産卵一番や、無添加完熟系のマットが良いでしょう。
材は埋め込みです。少しだけマットから出るようにします。
加水:
ちょっと多いかな?というくらい。握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!
材の加水も多めが良い結果が出ています。
《産卵温度》
18〜20℃程度。日中温度が上がっても低い温度帯のときに産んでいるようです。
ペアリング時も20℃以下の設定が必要です。
【使用するケース】
コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など、材の大きさに合わせてケースを選択します。
《ペアリング方法》
クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
□□□ 幼虫の飼育方法 □□□
【お勧めのエサ】
マットでも菌糸でもOKです。ブナのカワラ菌糸ビンが有効と聞きます。
添加の強いマットだと初齢幼虫は★になりやすいです!
また、生まれたばかりの、いわゆるド初令の幼虫を菌糸カップなどにいれると、食べるスピード
よりも菌の増殖が勝ってしまい、巻かれて☆になるので、1ヶ月はマットで大きくしましょう。
【容器】
♂は500CCから800ccへ移行しましょう。
ケースを大きくしても、サイズには影響されにくいと思います。
交換は途中1回程度。
【設定温度】
20℃程度。低温飼育が必要です。温度が上がると途端に不全率が上がります。
低温にはとても強く、10℃以下でも生存が可能なくらいです。
しかし、冬季に冬眠させてしまうと2年1化(羽化に2年かかってしまうこと)となりますので
加温はできたほうが良いでしょう。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂、♀ともに10~14ヶ月程度。前述の通り冬の加温が無いと2年になることも。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
低温の環境があるならば、是非チャレンジしてみてください!
この記事は2024年4月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
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