スペクタビリスノコギリクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『スペクタビリスノコギリクワガタとは』
インドネシア・スマトラ島・ベンクール を産地とする、とてもきれいな上翅を持つ中型のノコギリクワガタ。
ラコダールツヤ系のような模様の入った黄色い縁取りと、フタマタクワガタ属のように触角のラメラ(片状節)が6節になっています。
種を超えて、同様の模様が上翅に出るというのはとても不思議な感じがしますよね。
また、むし社さんによると、
『スペクタビリスノコギリは野外で採集されるオスのサイズの90%以上が20mm台で、30mm以上の個体は少なく、40mmクラスのオスとなると100分の1以下の確立です。』
『しかし、菌糸ビンで飼育すると比較的簡単に40mmクラスのオスが羽化してきます。大変美しいノコギリなので、50mmに迫る個体を短歯型ではなく、長歯型を出してみたいですね。』
とのことで、実際に私も40mmオーバーの個体は飼育品でも生で見たことはありません。
2012年頃からWD個体が輸入されていますが、価格は3000〜6000円と落ち着いています。が、近年(2023年頃から)は価格が高騰し、ペアで15000円〜20000円ほどにもなっていました。
サイズは、♂20~50mm ♀15~28mm
レコードサイズは53.2mm。野外最大は56mm。(2023年現在)
Xで、長い顎のスペクタビリスノコギリをポストされている方がいらっしゃいました。
なかなか見られない大きさですので、ぜひ御覧ください。こちらから。
和名:スペクタビリスノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus spectabilis
産地:スマトラ島・ベンクール
♂ノコギリはとにかくフォルムが美しいですね。
どのクワガタもそうですが、やっぱり大きく、長歯で出したいですよね。
大きければ大きいほど、迫力よりも美しさが出てくるのがノコギリの良いところ。しかし、大歯を出すのは用意では無い種です。私も見たことがありません。
独特な上翅の模様は、☆になると消えてしまいます。是非、生体を肉眼で見てほしいです。
♀も同様の模様が出ています。
観賞用として最高のクワガタですね。
セットで常に置いておきたいペア。今は私のデスクに乗っています。
ここからはスペクタビリスノコギリクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は3ヶ月~6ヶ月程度。
飼育温度:
20〜23℃前後(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)
常温飼育で10℃くらいになっても問題なかったとの情報もあります。
成虫育成メモ:
後食まではおよそ2ヶ月を要します。
そして成熟の目安は後食から1ヶ月後。充分に時間をおいたほうが良い結果となります。
♂はとても好戦的で♀も傷を付けてしまうので、仕切りをつけるか別のケースで。
同じケースでの飼育は避けましょう。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
【産卵セットについて】
発酵マットのみでOKです。熟度の深いマットを使用します。また、材にも産みます。六脚堂ではコナラ材を投入しました。
水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。
(水が染み出るようでは多すぎです!)
基本はマット産みなので、材は不要ですが産卵時の「足場」にして卵を産んでいるという方もいらっしゃいます。また、材を入れるとマットにも材にも産む傾向があるようですね。
※材にしか産んでいなかったというブログも拝見しました。
ケースは材の大きさや本数に応じて、中〜大ケースが良いでしょう。
《ペアリング方法》
クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系、ノコギリ系は顎縛りしましょう
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
菌糸もしくは完熟系のマット。
通常のカブトマットでも問題ありませんし、ノコギリ専用として販売されているマットでもOKです。マットよりも菌糸の方が早く羽化してくるイメージです。
菌糸で40mmオーバーは簡単に出るという情報もあれば、マットも菌糸も大きく差は出ないという情報もあります。この情報では菌糸はカワラタケでした。
もしかするとブリードルームの環境に依存するのかも知れません。
六脚堂おすすめマット
メーカー | マット |
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月夜野きのこ園 | 完熟マット |
SANKO | 育成クヌギマット |
フジコン | プレミアム 有機くぬぎ微細 フレーク |
KBファーム | 栄養フレークEX 50L(大袋) |
【容器のサイズ】
ブロー容器 800CC程度。♂の大型化を狙うなら1000CC以上を使いましょう。
♀なら1本羽化も可能です。
♂は2〜3回。割り出しのタイミングで若干の変化あり。
♀は途中1〜2回でOK。
マットの劣化や環境の変化によって変わります。
【設定温度】
20〜23℃程度。
マットか、菌糸か、という情報もさることながら、管理温度を低温気味にすることは前提のようですね。。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂♀ともにで約7~9ヶ月程度。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年5月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
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