ババオウゴンオニクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『ババオウゴンオニクワガタとは』
発見が1994年の、もっとも新しいオウゴンオニの亜種です。
直線的な大顎と、オウゴンオニの中で最も強い光沢が特徴のため非常に人気のクワガタです。
ボディは全亜種中で最も細長く、♂の大アゴもモセリオウゴンオニよりも長くなります。なお、ババオウゴンオニに関しては、諸説有りますので後述いたします。
ビークワレコード(2023)サイズは、83.4mm と最も大きい亜種です
なお同属のオウゴンオニは4亜種おります。
・モーレンカンプオウゴンオニ(原名亜種)
マレー半島、インドネシア(ボルネオ島、スマトラ島)及びミャンマーに生息する。体色は艶消しで少し銀色がかっており、モセリと比べて頭部が小さく、前胸が幅広く、大顎が短いのが特徴です。また、フルストファーと違って前胸背板がザラついていない点で見分けられます。
ビークワレコード(2023)サイズは、65.3mm
・モセリオウゴンオニ
原名亜種より体型は細く、背中の光沢が強い。 上翅には、全体に不規則な浅いしわがあり、前胸側縁の突起は、やや弱いのが特徴。
本種の亜種の中で最も大型の亜種である。
ビークワレコード(2023)サイズは、80.6mm
・フルストルファーオウゴンオニクワガタ
ボルネオ島(カリマンタン島)に生息する。オウゴンオニクワガタ属の中では最も小型。
全体的にずんぐりむっくり。モーレンカンプ原名亜種に似ていますが、前胸背板がザラついており、体色も原名亜種よりもくすんだような色味をしています。
採集できる数が少ないため、飼育下繁殖された流通個体も出回りにくい。飼育下繁殖もかなりの難易度を誇るためオウゴンオニクワガタ属の中では最も希少種である。
ビークワレコード(2023)サイズは、55.0mm
・ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ
すべてが同じオウゴンオニと思われていますが、同属のモーレンカンプオウゴンオニは4亜種からなるのに対し、ローゼンベルグオウゴンオニの亜種はおらず、独立した位置にいます。
ローゼンベルグの飼育方法はこちら
ビークワレコード(2023)サイズは、80.3mm
・ババオウゴンオニ
ミャンマーのタニンダーリ州(旧テナセリウム)の限られた地域に生息しています。
オウゴンオニクワガタ属の中で最も美しいとされており、人気も高い。
モーレンカンプの亜種の中では最も金色に近い体色をしており、モセリと比較して大顎もやや外股を向き、翅にも光沢がある点が特徴。
なお、ババイはモセリオウゴンオニの亜種として馬場勝氏によって登録されました。
そして詳細な産地は明らかになっていません。馬場氏曰く、ババイと定義できる生息地は、ミャンマー・タニンダーリ(旧テナセリウム)南部のアンダマン海に面した独立峰700‐800mのある場所のみに限定されます。とのこと。
なお、ババオウゴンオニの産地による問題は根が深く、前述していますが、タニンダーリの採集位置を公開していないことから、その信憑性に乏しい個体などが存在しているのも事実です。(勘ぐってしまうと交雑もあるかと考えてしまいますね。)
参考ブログのリンクを置いておきますので勉強したい方はぜひ読んでみてください。
その1。ショップ様のブログで、産地についての解説がされています。こちらから。
その2。こちらのショップ様のブログです。
販売されているオウゴンオニssp.の表記についてご説明されています。こちらから。
とはいえ近年はババオウゴンオニ、ローゼンベルグオウゴンオニは人気で、価格も高騰しております。(2024年現在)
一昔前は難関種と言われてきましたが、先輩たちの数多の実験により最近では飼育方法が広く知られることになり、ビギナーでも産卵や羽化に成功させる人が増えてきたのです。
感謝感謝。
なお菌糸でしか育たないのと、菌糸も「カワラ菌糸」でなければいけなく、癖の強い種だと言われています。
和名:ババオウゴンオニクワガタ
学名:Allotopus mollenkampi babai
ミャンマー タニンダーリ産
これだけ綺麗だと写真映えするのでシャッターを切る回数も増えますね~。
是非この手で70mmオーバーを作出してみたいものですね。80mm近いとそれはもう迫力が違うのです。
光沢感もあり、観賞用としても非常に映えます。まるで百式(分かる人にはわかる)の様です。
♀も美しいですね。
完全に乾くともう少しキンイロが強くなります。
このページではババオウゴンオニクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は 8〜10ヶ月(温度管理下で)
ペアリングをすると寿命は縮まります。
飼育温度:
22〜25℃前後
越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう。
成虫育成メモ:
湿気を少なめに飼育すると、体がオウゴンに光り始めます。かといって乾燥しすぎると寿命に響きますので最低限の湿度はキープしましょう。
軽くマット表面が湿っている程度で大丈夫です。
後食:
1ヶ月半〜2ヶ月程度で後食を開始します。成熟の目安は後食から更に2〜3ヶ月後と言われています。焦ってペアリングを行うと無精卵を産んでしまうので、慌てず待つことが大事です。
後食が始まってすぐにペアリングをして産卵しているという情報もありますが、♀個体のポテンシャルにもよるところがありますので、あくまでセオリーとして考えてください。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
ペアリングについては、♀への攻撃はあまり起こらない種なので同居でも顎縛りは不要です。
(六脚堂ではババに顎縛りをしたことがありません。)
《産卵セット》
最近ババオウゴンオニに関しては産卵セットのバリエーションが増え、皆さんの様々なチャレンジがブログなどで公開されていますね。
基本中の基本としてカワラ材のセット。
他のバリエーションとしてレイシ材を使うケース、カワラ菌糸ボトルそのままでの産卵、カワラ菌床ブロックを使う産卵などです。
そして2024年春。エクストリームマットという、カワラ種がマットに産卵してくれるというとてもアメージングなマットを販売開始しております。
羽化後3-4か月で活動、後食開始しますが、それ以上休眠する個体も居ますので、とにかく焦らずじっくり見極めることが大事です。
六脚堂では後食を始めてゼリーをガツガツと食べ始めて更に最低1ヶ月は待つことにしています。
参考URL
カワラ材での産卵セット
レイシ材での産卵セット
様々なブログを見ても分かる通り、これには反応するが、これにはしない。これにはたくさん産んだがこれには産まなかった。。。などの記事が見られます。完全に、それぞれの♀ちゃんの好み?状態?によるものとわかります。
何が正しい。ということは生き物なのでありません。
そこをご理解いただいた上で、たくさん産んでくれることを「祈り」ましょう!
《産卵温度》
23℃~25℃程度が良いでしょう。
ペアリング時も少し高めだとスイッチが入るようです。
使用するケースは、材の大きさに合わせて中〜大ケースを選択。あまり大きいと、材に向き合うことをしなくなる?のでちょうどよい大きさを選択しましょう。
《ケースサイズ表》
一度に産む卵は5〜15個程度。環境にも寄りますが多くても10個程度なイメージです。
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
菌糸ビン(カワラ菌糸一択です。)
発酵マットでは成長しませんので注意です。なお、初齢幼虫をいきなり菌糸カップにいれると菌糸に巻かれてしまうリスクがありますので、2週間ほど無添加微粒子マットで管理してから菌糸に入れましょう。
♂は1,100CC程度のボトルでも65mmUPが出ているようです。
交換は途中 1〜2回。
割り出しのタイミングが卵なのか、幼虫なのかでボトル交換のタイミングが肝になります。
幼虫割出しの場合は、
♂は300CCカップ→1400CC→1400CC
♀は300CCカップ→800CC→800CC
と言った感じで移行していきます。
【設定温度】
20〜25℃程度。
【孵化から羽化までにかかる時間】
7~9ヶ月程度。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年6月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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