ダールマンツヤクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『ダールマンツヤクワガタとは』
ミャンマー南東部,タイ南西部,マレー半島,スマトラ,ボルネオ,シンケップ島,リンガ島,ナツナ諸島,ラウト島,タレンパ島,カリマタ島などに生息するツヤクワガタ。
大アゴは湾曲せず真っすぐに伸びる傾向がありますが、あまり発達せず中歯型止まりが多いです。本亜種のみ前胸背板と上翅に黄褐色の微毛を生やすため、キンケツヤクワガタとも呼ばれています。♀は無毛。
大きな特徴として、前胸背板部分の外側に尖り、張り出しがあるのが特徴。また、亜種によりボディが黒い光沢を帯びている種もいます。
普通種でWD個体の販売も多いため入手しやすい種となっています。
(写真は、Odontolabis d. celebensis 毛の生えない亜種です。)
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. dalmanni)
ミャンマー南東部,タイ南西部,マレー半島,スマトラ,ボルネオ,シンケップ島,リンガ島,ナツナ諸島,ラウト島,タレンパ島,カリマンタン島
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. simeuluensis)
シムルエ島,バビ島
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. subita)
メンタウエイ諸島(北パガイ島,南パガイ島,シポラ島,シムク島,シベルト島)
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. gracilis)
ニアス島
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. batuensis)
バツー諸島
インターメディアツヤクワガタ(Odontolabis d. intermedia)
フィリピン(パラワン島,ネグロス島,パナイ島,シブヤン島,セブ島)
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. rudicae)
フィリピン(ミンドロ島)
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. celebensis)
スラウェシ,ペレン島,バンクル島,ブトン島,カバエナ島,サンギール諸島(タフナ島),ワンギワンギ島
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. tahulandangensis)
タフランダン島
ダールマンツヤクワガタ(Odontolabis d. sulaensis)
スラ諸島(マンゴレ島,タリアブ島)
これら亜種の中でも、インターメディアだけが100mmを超えるので、大型好きはインターメディアが好まれている様子です。
この子はインドネシア ペレン島亜種。中歯の81mm。
胸部と前胸部の外に張り出しを持つと、痛みが走るくらいの尖りがあります。
正面から見ると、やや頭楯の張り出しも見えます。
WD個体ですが、やや羽パカの♂です。
大顎の根本に内歯があり、先で挟まれるより根本で挟まれたほうが痛そうな感じ。根太っぽいエッセンスあり。
♀47mm。光沢感が強いです。
甲冑を感じさせる胸部。ちょっとかっこよさを感じます。
他のツヤ♀との見分けはつけやすそうですね。
サイズは♂:44.0~82mm ♀:40~48mm
2024年のBE-KUWA飼育レコードは、77.8mm。野外では82.0なのでまだ伸びしろはありそうですね。
和名:ダールマンツヤクワガタ
学名:Odontolabis d. dalmanni
このページではラコダールツヤクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は約1年です。(WD個体の場合は、採集日が不明なのでこの半分くらいで☆になることがあります。)
飼育温度:
18〜23℃前後。
成虫育成メモ:
小さくても、♂同士、♂♀ともに一緒のケースにいれるのは避けましょう。高温多湿に弱い種なので、成虫、幼虫ともに低温が望ましいです。
羽化後1〜2ヶ月で後食を開始します。(大きさによりばらつきがありますが)成熟はその後1ヶ月程度でしょう。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。
【産卵セット】
カブト系完熟マットや、微粒子マットを使います。熟度の深いマットを好みます。(茶色よりも黒に近いマット)
※月夜野きのこ園さんの黒土マットで良い結果が出ているのをよく見ます。
※幼虫飼育で使用済みのマットをふるい掛けして結果を残している方もいらっしゃいます。
stag_beetle_japan様が、ダールマン原名亜種の飼育をブログで公開されています。とても参考になるわかりやすい記事ですので、こちらから是非ご参考ください。
加水:
ちょっと多いかな?というくらい。握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!
材の加水も多めが良い結果が出ています。
なお、マットは固めずにケースをトントンと地面に叩いて詰めるくらいで良い結果が出ているようです。
《産卵温度》
18〜20℃程度。
【使用するケース】
コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など、材の大きさに合わせてケースを選択します。
レコード個体を出した記事を確認すると、発酵マットで管理し最終的に中ケースにいれ48.7gまで体重が乗っていたようです。
《ペアリング方法》
クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
ツヤクワガタは、♀のポテンシャルに依存するケースが大きいです。産む子は5〜80個の卵を産みますが、産まない子は全く産まない。という落差があります。
いろいろなショップさんで、ツヤ用のマットを製作されていますので、試してみるのも良いですね!
さらに、孵化率が高いので採卵したらその分だけ孵化してきますので、飼育できる分だけ取るようにしましょう!
□□□ 幼虫の飼育方法 □□□
【お勧めのエサ】
マット飼育のみです。菌糸ビンでは育ちませんので注意。そしてツヤクワガタはクセがあるので注意が必要です。
1)初令時は、産卵セットのマットを移行した方が良い
2)コバエなどが発生して産卵セットのマットをつ変えない場合は、カブト用の完熟マットや黒土など完全発酵がおすすめです。
3)大型や大歯を狙う場合は、2〜3令時にカブト用完熟マットをベースに、廃菌床ベースのマットや添加マットを少しづつ増やしていく。
4)マットの全交換は避けたほうが無難です。
ツヤクワガタ種はよく熟したマットを好む傾向があります。初令時は添加に弱いので、無添加の完熟マットを与えます。
2~3令になってから添加されたマットを少しずつ混ぜて行きます。できるだけ大歯を狙うにはこの方法がベストです。
サイズを気にしない場合、初めてで自身の無い場合は食性が合わずに☆になることもありますので、その場合はブレンドせずに無添加完熟マットで通しましょう。
そしてツヤクワガタ種は容器の中間付近に空洞を作って居食いします。交換タイミングを逃すとマットが容器の中で上下に分かれるような状態になり、そのまま☆になることも多いようです。
なので、六脚堂の場合は、ケースの半分古いマットを削ってマットを継ぎ足すイメージで行なっております。
【容器】
500CCから800ccへ移行。
♂はそこそこサイズが出ますので3令になったら1400以上のボトルを使用すると良いでしょう。
交換は途中4〜6回程度。
上記にあるように、マット交換を失敗すると幼虫が全滅した。。というブログも有りました。
爆産もしますが、丁寧な交換が必要なのは間違いないです。
【設定温度】
18〜20℃程度。低温で引っ張る場合は羽化タイミングが遅くなります。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂、♀ともに12〜16ヶ月程度。
【注意】
幼虫は土繭を作ります。3〜4ヶ月で3令になり、そこから4〜5 ヶ月後に繭入りします。
繭入後2ヶ月位でサナギに。羽化まで2ヶ月。
※個体により時期のズレがかなりあります。あくまでイメージです。
繭入りすると餌を追加できませんのでその前の交換が大きくするための肝になります!
また、繭を壊すと蛹化時、羽化時に☆になりやすくなるのでご注意を!!
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年4月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
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1mmの違いしか無いので上の写真のほうがカラダが大きく迫力もあります。アゴの大きさについても好みが分かれるようです。