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【飼育の決定版】ニジイロクワガタの飼育方法|幼虫期間から産卵セットまで

KAZ.YOSHII

『ニジイロクワガタとは』

オーストラリアのクイーンズランド州に生息する、名前異常に輝きの強いクワガタです。体長はおよそ 60mm前後、大きいものだと65mm以上にもなります。

しかし、ニジイロクワガタは色味を楽しむ種なので、大きさを求めている人は少ないかもしれないですね。

実際に、ノーマルのグリーン系赤の強いレッド系、落ち着いた色合いの紫紺(しこん)系、青の差し色が入る青紋系など、色を固定化して血統とするブリーダーさんもいます。

通常は、背中の部分に光沢があり、頭の部分(本当は胸部です)はマットな質感なのですが、東京八王子の「RTN」様が作出した胸部も光沢のある「ピカール」という血統も存在しますが、本家様で販売されるものだけが、本来のピカール血統と言えるでしょう。

なぜならこの血統名を悪用し、販売における詐欺行為も多く見られていますので、警鐘をならすブリーダーさんもおりますので、購入を検討されている方はしっかりと情報を得ることも大切です。

飼育に関しては 産卵、幼虫飼育ともに簡単なクワガタで、産卵はマットにも産卵木にも産み、幼虫飼育は発酵マットでも、菌糸ビンでも可能です。そして飼育に関する温度環境も、理想の飼育温度はありますが許容範囲が広いため、常温飼育で15〜30℃の範囲なら幼虫も成虫も問題ないとも聞きます。

よってクワガタブリードの入門種としても有名です。

なお、オーストラリアからの輸入は現在禁止されていますので、ショップやオークションなどで販売されているものはすべて飼育品となります。

和名:ニジイロクワガタ

学名:Phalacrognathus muelleri

♂54mm。レッドボディ個体。

♀も赤くなります。

こちらは『紫紺(しこん)』と呼ばれるタイプ。濃い紫のボディが人気です。

ノーマルカラーであるグリーン個体。ホワイトアイという目が白い種になります。

minagi様個体

通常は、上翅(背中)部分に光沢があり、胸部(頭の部分)がマット(光沢の無いつや消し)になるのですが、この子は「ピカール」というRTN様が作出された血統の子です。胸部にも光沢が発生します。

minagi様個体

ここからはニジイロクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

〜ニジイロクワガタの飼育:飼い方〜

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は割りと長く、1年~1年半ほど。

飼育の適温:

15℃から30℃まで範囲は広いが、理想は20~24℃

成虫育成メモ:

成熟をしっかりさせれば産卵数は多い方ですので、

累代飼育していくには楽しめる種です。飼育者数の多い人気なニジイロクワガタ。その分、産卵の方法など様々な手法でたくさん卵を採っている方がいるようです。

youtubeでも相当な数の動画が有るので、飼育のし易いクワガタ飼育の導入には最適な種です。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

後食:

後食は早い子で1〜2ヶ月。大きめの♂だと長くなる印象です。

成熟は羽化からおよそ3~4ヶ月。一概には言えませんが、16gのゼリーを1日で食べき切るのを7日続けていたり、ケースの蓋や壁におしっこ(茶色いシミが出来ます)が付き始めたらもうGOサインです。

長生きな種なので、焦らず4〜5ヶ月置くと、産卵の具合も良いというデータが多いような気がします。

《ペアリング方法》

ニジイロはハンドペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。

3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。

同居ペアリングの場合は♂の交尾意欲が旺盛なので、期間が長いと♀がつかれてしまうと思います。その場合は隠れ場を用意してあげると良いですね。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

なお、六脚堂のニジイロくんの中で、ハンドペアリングだとなかなか集中してくれない子がいましたので同居させました。

こちらの動画を御覧ください。何度も何度もペアリングしてくれています笑

産卵セット:

産卵木にも産みますが発酵マットのみのセットでも十分産卵します。基本は完熟系のマットを使用し、水分は多めが良いようです。

フォーテックさんの《産卵1番》で良い結果が出ているようです。

(幼虫飼育をそのまま産卵一番だと、栄養が足りず大きくなりにくいですね。)

最近はカワラ菌糸ブロックや、菌糸ボトル(1〜2ヶ月おいた菌の弱ったもの)に入れただけの産卵セットでも産む!というブログや動画が上がっていますね。

※あくまで♀のコンディションや持っているポテンシャル次第です。

産卵管理適温:

23~25℃前後

産卵数の目安:

ケースの大きさにもよりますが10〜30個程度。

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

発酵マット。菌糸ビンのどちらでも飼育できますが、菌糸ビン飼育のほうが大型が期待できるようです。

【えさ交換回数】

800〜1100CC程度のボトルなら交換途中1〜2回程度でしょうか。

【設定温度】

23~25℃前後

【孵化から羽化までにかかる時間】 菌糸ビン飼育の場合8~10ヶ月

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年4月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-09-07

ニジイロクワガタのリベンジです。(紫紺タイプ)

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

2022年冬。幼虫で購入し、羽化してきた紫紺タイプの新成虫をペアリングし、産卵セットへ。

実はこれまで何度かチャレンジしていたニジイロですが、爆産種と言われながらもことごとく2〜3頭しか採れない。。。

ということが続いており、苦手意識が強くチャレンジもしたくないトラウマがありました。

が、せっかく六脚堂で生まれた子たち。ならば環境の耐性もあるだろうと動いてみました。。

【23年9月7日】

これまで、マットの種類変え、菌床ブロックもチャレンジし、あと残っている手法は、、、

『カワラボトル』でのセット!

ちょうど3〜4ヶ月経って余っていたカワラボトルがありましたので、これで産卵にチャレンジです!

カワラボトル産卵セットの組み方

【23年10月1日】

♀を☆にしたくなかったので、ちょいちょい確認していたところ、上の方に♀が見えていたので菌糸を割って救出しました。

その時は幼虫は見えませんでしたが、割った菌糸もボトルに戻してしばらく放置することにします。

【23年10月29日】

驚くほどにボトルが真っ黒に劣化していたので、期待せずに暴いてみます。

※本当に驚くほどドロドロだったので写真を撮り忘れました。。。

そんななかなんと13頭の幼虫ゲット!!!!!

これで少し、ニジイロの苦手意識が晴れた気がします。。

カワラ菌糸ボトルの1400CCが余っていたので、1ヶ月ほど多頭飼育して雌雄判別が出来たら次はマットで単頭飼育に変更していく予定です。

なお、カワラボトルは月夜野きのこ園さんのN-1400。3ヶ月ほどほったらかしになっていたもので、菌が落ち着いている頃合いだったのも良かったと思います。

【24年6月29日】

実は上のラインの前に、先に産んでいた2頭が羽化してきました。(1回目が卵2個でした。)

マットは、TENRYU アルプスマットを使用していました。

中歯?って言っていいかな。この子は完品羽化ですね〜。

交換タイミングを逸してました。そろそろやばいな〜と思って開いたところ、自力ハッチしておりました!

自力ハッチはいいですよね。後食までの管理をせずに済みます。というよりも、自力ハッチが正常。と考えると、少し忘れているくらいのほうが、この子達の調整はしっかりしているんですよね。

もう一本。同じアルプマットです。

お!大歯ですな!この子はハッチしていませんでした。羽化掘り出しってやつです。

↑ の子よりも大きかったので羽化日は少し遅かったのでしょう。

しかし、おしりが出ちゃいました。んーむ。残念。

これは販売出来ないので自分で回しましょう。累代には問題ないはずです。

【24年7月14日】

紫紺ラインの2便。8本残っていました。多頭飼育を長く引っ張りすぎて減りました。

やはり1ヶ月くらいで単頭にしたほうがいいですよ!

ちょっとずぼらしすぎました。

半年近くカワラ菌糸に入れていたのですが、カワラ菌糸がなかったのでRUSHレギュラーマットで3令以降は管理しました。

ボトル1本目は♀で完品羽化です。

ノーマルをいつも見ていると、紫紺の渋さがたまらなくなります。

次のボトルも同じ環境です。ボトルは800に入れていました。

次のボトルは前蛹ですね。

こちらのボトルは見づらいですが前蛹でした。

この子も前蛹。手元に余っているボトルを活用しているので、クリアボトルとPPボトルが混ざっています。ある人が言っていましたが、見えない分管理しづらいけど育ちやすいのはPPボトルだと聞きました。直接の光を入れないのが良いと。

図らずしてその実験が出来たことは良かったのではと思います。

この子も前蛹ですね。

♀完品。

おお!蛹室がでかい!!!

大風呂敷広げてますね笑 蛹室がでかいからと言って、大きな子が羽化するかというとそうでもありません笑。

この子も前蛹。

この子は大きめ♀ですね。

前蛹5頭と♀3羽化でした。

おそらく今前蛹ということは、♂でしょうね〜。ちょいと♂に偏りましたが、完品羽化に期待して単頭販売しましょう!

羽化ズレも、ニジイロは寿命が長いのでいいでしょう!!

この他、『スーパーレッド血統』なる赤いニジイロがいるので、追いリベンジをいたします!!

羽化報告と合わせてお楽しみに!

(ノーマル♀に紫紺♂を掛けたらどうなるんだろう。。。)

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2024-07-16

ニジイロスーパーレッド

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

ニジイロクワガタのスーパーレッドという血統をご存知ですか?

私はあまり血統など信じていないのですが、以前幼虫を購入させていただいたのですが、そこそこ赤いのが出てきました。

♀ちゃんは限りなくノーマルカラーでした。

ニジイロ紫紺タイプで10頭そこそこを産ませることが出来て、ニジイロへの苦手感が減ってきたところで、昨年の11月に羽化してそのままになっていた『スーパーレッド』くん

この子を累代させようと奮起したのです!!

パット見、紫紺に近い感じだけど光が指すと深い赤になります。

それがスーパーレッド?? 他の方のブログ何かを見ると、超まっかっか。これは色が出なかった系ですか??

まあ、あまり見ない色なので増やしてみましょう。もしかしたらすごい赤が出るかも知れないしね。

【24年7月15日】

前回の紫紺タイプでの成功事例に気を良くして今回も『カワラボトル』でのセット!

なーーーーんて。もう一本余っていて使い所がなかっただけ!!!

4ヶ月ほど放置されたボトルは、蓋にビッチりとこびりついたカワラを剥がすと勝手に空気穴の部分まで根こそぎ取れました。改めて穴を開けずにそのまま♀を潜らせます。

ぐんぐん入っていくものですから、足しか写っていません笑

カワラボトル産卵セットの組み方

ちなみにこの子達はハンドペアリングがなんともうまくいかずに同居させました。

羽化後8ヶ月経っているので、もうだめなのかな〜なんて心配でした。そこで、ワンちゃん同居させてみたんです。

その模様がこちらになります。

何回ドッキングしているんだっちゅーの!

これはもう一晩で完璧ですね。同居ペアリングの場合は最近はすべてタイムラプスで録画しています。

同居に3日、セット組んで10日。試し割りして産んでいなかった。この作業だけでやや2週間を無駄にしてしまいます。動画による目視が出来ていれば産んでいないときの対応策が絞られます。

Goproは重宝しますよ。

ではペアリングは成功しているので、あとは1ヶ月ほど放置しておきましょう!!

つぶやき

最近のAIの発達スピードは厄介ですね〜。うちみたいな業種は恩恵も受けるのですが、仕事が無くなってしまう(減ってしまう)という恐怖感はありますよ。

何かと遅れているクワカブ業界にも、ITの波を起こしてみたいものです。

では次回、大爆産のニジイロスーパーレッドを、こうご期待!!

暦的にはちょうど3ヶ月。

カワラボトルも真っ黒になっておりました。幼虫は見えていなかったので、なんとなく見てみぬふりをしていたわけです。

でも、なんだか胸騒ぎ。幼虫がいなければ発こんな真っ黒にならなくないか??

ということであけてみました。

慌ててしまったので、幼虫写真は採れていませんが。ラベルを書くのが大変!!

てなもんで、1400のカワラボトルからは17頭の幼虫たちが出てきました!!

ラベルにはノーマルって書いてしまいました。(このあと、SR:スーパーレッド)と訂正。

結構な忙しさに頭が回っておらずww

カワラを食べさせた後にマット飼育ってのが問題ないかどうか。RUSHレギュラーマットで管理をしていきたいと思います。

温度は21〜22℃で行きます。

赤いニジイロはかっこいいんだよな〜。

あと、カワラボトル産卵は余ってしまって処理に困るな〜。。というくらいのものを使うといい感じですね。これってタイミングを併せて購入は相当難しく、六脚堂では送料無料になるから月夜野さんで数関係なく取ってしまったN-1400ボトルが3ヶ月後とかに数本出てきます。

これがまたちょうど良いのかも知れない笑

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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