アスタコイデスノコギリクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『アスタコイデスノコギリクワガタとは』
ノコギリクワガタのなかでは中型サイズに位置するアスタコイデスノコギリクワガタは、流通量も多くブリーダーの中では「アスタコ」と呼ばれて親しまれています。
色合いは赤褐色系でカッコよく、価格も手頃。
産地はインド~インドネシア、中国、台湾など亜種を含めればかなり広い地域に分布するクワガタなので、販売時の亜種名や産地の表記があるかどうかを良く見てください。亜種間での交雑をしてしまいますので注意です。
その亜種は、実は8タイプありまして。(wikiより抜粋)
『アスタコイデスノコギリクワガタ 原名亜種』
Prosopocoilus astacoides astacoides (Hope, 1840) 産地はインド北東部
ビークワレコードは 49.1mm
『アスタコイデス フラテルナス』
P. a. fraternus (Hope, 1845)
産地はミャンマー北部(Kachin州、Chin州)、中国西部(雲南省南部)、ラオス北部、ベトナム北部
ビークワレコードは 69.0mm
『アスタコイデス カルベイ』
P. a. karubei Nagai, 2000 産地はベトナム中部~南部
ビークワレコードは 70.2mm
『アスタコイデス デュベルナルディ』
P. a. dubernardi (Planet, 1899) 産地は中国(雲南省北部~中部、四川省南部、貴州省西部)ビークワレコードは 67.2mm
『アスタコイデス ブランカルディ』
P. a. blanchardi (Parry, 1873) フタテンアカノコギリクワガタ(フタテンアカクワガタ)
産地はモンゴル、中国(四川省~福建省)、韓国(済州島)、台湾
ビークワレコードは 70.3mm
『アスタコイデス ミズヌマイ』
P. a. mizunumai Fujita, 2010 産地はマレー半島ビークワレコードは 82.4mm
『アスタコイデス パリーディペンニス』
P. a. pallidipennis (Hope, 1841) 産地はスマトラ島、ニアス島、ジャワ島
ビークワレコードは 72.7mm
『レニノコギリクワガタ』
P. a. reni Huang et Chen, 2011
レニノコギリも現在はアスタコイデスの亜種とされています。産地は中国(海南島)
ビークワレコードは 68.7mm
ビークワには他にも、イジェン、イソガイという項目もありますが、私はちょっと見たことが無いですね。
和名:アスタコイデスノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus astacoides
ノコギリはとにかくフォルムが美しいですね。
この子は六脚堂飼育の68mm個体。亜種ミズヌマイです。レコード表記では一番大きくなるサイズなので、まずは累代して親超えをしたいですね。
どのクワガタもそうですが、やっぱり大きく、長歯で出したいですよね。スラっと伸びた光沢ある大アゴは男心をくすぐっちゃいます。
よく見ると、前胸部と上翅の質感に若干の違いが見られます。
アシまで赤褐色名ところも所有感をくすぐります。
レニノコギリはフォルムは似ているものの、全体的に色が黒に近づきます。しかし、茶色の紋が出る子もいるそうです。
♀も同様の赤褐色のボディ。
♂♀ともに観賞用としても最高のクワガタですね。トカラノコのような美しさを持っています。
ここからはアスタコイデスノコギリクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は3ヶ月~8ヶ月程度。WD(野外採集個体)の場合は羽化日が不明のためわかりませんので注意です。
飼育温度:
20〜25℃前後。25℃は超えないようにしましょう。各亜種、1000m近い高地に生息していますので熱いところは苦手のようです。
越冬はしませんので冬はヒーターなどを使用して温度管理します。
成虫育成メモ:
後食まではおよそ1〜3ヶ月程度。大型の♂だと3ヶ月はかかっているようです。
そして成熟の目安は後食から2〜3ヶ月ほどかかります。ばらつきがありますが、寿命が長いとは言い難いので、後食してからのゼリーの消費量、活動量を判断基準にしたほうが良さそうです。
♂は攻撃的ではありませんので、ペアリングでの顎縛りは不要と言われます。が、不安な方は顎縛りしましょう。(100%大丈夫!とは言い切れませんので。)
また、長生きさせるには同じケースでの飼育は避けましょう。
アスタコは日本のノコギリの飼育に似た飼育で問題はないようです。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
【産卵セットについて】
発酵マットのみでOKです。熟度の浅い微粒子マットの固詰めで大丈夫です。また、材にも産みます。水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。
(水が染み出るようでは多すぎです!)
基本はマット産みなので、材は不要ですが産卵時の「足場」にして卵を産んでいるという方もいらっしゃいます。また、材を入れるとマットにも材にも産む傾向があるようですね。
ケースは材の大きさや本数に応じて、中〜大ケースが良いでしょう。
《ペアリング方法》
クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系、ノコギリ系は顎縛りしましょう
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
菌糸もしくは完熟系のマット。
ノコギリクワガタは通常のカブトマットでも問題ありませんし、ノコギリ専用として販売されているマットでもOKです。菌糸を使うとマットよりも早く羽化すると言われています。
六脚堂おすすめマット
メーカー | マット |
---|---|
月夜野きのこ園 | 完熟マット |
SANKO | 育成クヌギマット |
フジコン | プレミアム 有機くぬぎ微細 フレーク |
KBファーム | 栄養フレークEX 50L(大袋) |
【飼育容器】
♂はブロー容器 800CC〜1000ccで十分と思われます。
♂の大型化を狙うなら1000CC以上でいきましょう。マットで1500ccボトル1本孵しで70mm超えをしている方のブログも有りました。
♀なら500ccで十分です。
♂、♀ともに1〜2回。
【設定温度】
18〜25℃程度。25℃前後だと羽化も早くなるので大型は望めないような気もします。
また、18〜20℃帯だと幼虫期間が伸びて大型になるチャンスも。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂は8〜10ヶ月で、♀は6〜8ヶ月で羽化してきます。
※マットの劣化や環境の変化によって変わります。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年5月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
各種情報発信中!
舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★