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クワガタ

カナリクラトゥスホソアカクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで 

KAZ.YOSHII

『カナリクラトゥスホソアカクワガタとは』

マレー半島、ボルネオ南部、インドネシアのスマトラ島、西ジャワ島などに生息する

ホソアカクワガタ。

メタリフェルホソアカクワガタや、エラフスホソアカクワガタなどと同様のキクロマトス属だが、サイズはこれらに比べて大きくならず、♂で20~53mm程度で♀は15~23mm程度。

見た目もメタリックな発色ではなくクプレオニテンスホソアカクワガタ同様、非常に細い体毛が独特の雰囲気を放っています。

亜種も4種ほどいるようですが日本ではあまり流通量は多くはないですが。

一応並べますと、

クワガタの分布
種類 分布地域
consanguineus ボルネオ北部
infans スラウェシ南西部
freygesseneri ジャワ
ramlii カリマンタン

が存在しています。

小さくとも独特のオーラを放つクワガタですので、是非飼育してみてください。

【和名】カナリクラトゥスホソアカクワガタ

【学名】Cyclommatus canaliculatus

六脚堂での羽化個体、♂40mm

大顎の外側にエッジがかかっており、フォルムが美しい。

メタリフェルのように薄い延べ棒を湾曲させたようなものではなく、断面が

台形となるので、刃のようなところが男心をくすぐります。

♀は22mmです。

♀も♂同様に薄っすらと体毛が有る。形的にはメタリフェルにも近いが

区別はパッと見でも付きやすい。

♂が小さいからか、キクロ系にありがちな♂との大きさのギャップをあまり

感じないのが不思議である。

想像していた以上に、綺麗で可愛らしいので累代決定です。

ここからは、カナリクラトゥスホソアカクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の育て方 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は、3〜6ヶ月ほど。

※ペアリングや産卵の回数によっては短くなります。

飼育の適温:

20〜23℃程度

成虫育成メモ:

外国産なので越冬はしませんので温度管理が必要です。

成熟までは後食を始めてからおよそ1ヶ月程度。短命なので羽化後の成熟も他の種に比べて早いような気がします。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系、ノコギリ系は顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

【産卵セット】

マット産みなので材を入れる必要はありません。

しかし材を入れることで足場になり産卵が進むという方もいらっしゃいます。材を使うときは柔らかめのものを使用しましょう。

水分量はやや多めにしますが、握って染み出ない程度にとどめます。また材を入れる場合は材の加水具合によってマットの水分量を減らすなど変化を付けましょう。

※材にたっぷり加水されている場合はマットの水分は少なめにしないと、 劣化が激しくなったりマットにも影響があります。

マットの下7割程度まで手で押さえつけてカチカチに固めます。あとはふんわりとマットをひいてください。

産卵用マット:

フォーテックさんの《産卵1番》で良い結果が出ています。

(幼虫飼育をそのまま産卵一番だと、栄養が足りず大きくなりにくいですね。)

【ケース】

小〜中ケースを用意します。

《飼育ケースサイズ表》

産卵管理適温:

20〜23℃前後

転倒防止にはハスクチップがちょうど良いのですが、私はマットを再利用したいときにキッチスポンジを切って置いています。小型種の場合はマットも汚れないし重宝します。

《産卵セットのリンク》

【割り出し】

産卵セットに♀を投入してから1カ月~2ヶ月経つと、ケースの側面に幼虫が見え始めます。幼虫が見え始めましたら産卵セットを開けて、中の幼虫を取り出します。卵はとても小さいので、採卵よりもできれば幼虫での割り出しが理想です。

材を使用した場合、材の外からは幼虫は見え無いので確認ができませんが、2ヶ月立っていれば割り出しをしてみましょう。

出てきた幼虫はプリンカップなど小さい容器で管理を行います。プリンカップは200CCのサイズでOK。マットは産卵に使用したものと同じ種類の物を使用しましょう。

□□□ 幼虫の育てかた □□□

【お勧めのエサ】

完熟タイプのマット

【えさ交換回数】

500ccのボトル程度で途中1〜2回。♀なら300ccのカップでも充分です。

※温度やマットの劣化具合、食い進みにより変化はあります。

【設定温度】

18~25℃前後、温度の守備範囲が広いですが、30℃に近くなると☆になる幼虫が激増しますので注意です。

【孵化から羽化までにかかる時間】

4〜6ヶ月程度。大きい♂でも50mm程度なので、サイクルがとても早いです。

また、メスがより小さいため♂との羽化時期のズレが出やすいのです。

(これを羽化ズレと言います。)

《羽化ずれとは》リンク

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年9月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-04-01

カナリクラトゥス WD♀のみ購入!

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

日課のごとく、目的なくヤフオクを見ていたところ、カナリクラトゥスホソアカクワガタのWD♀単体の販売を見つけました。そもそも小さいカブクワにあまり興味はないのですが、経験値を上げるため?興味本位?手が空いていたから?

様々な要因が私の人差し指を落札に向かわせていました。まあWDなら持ち腹を期待してセットに入れておくだけだしいいか!ということで、

【23年3月27日】

まだまだ寒い札幌ですが、無事に到着!意外に寒さには耐えてくれるんですよね。仮死状態で届いて、ゆっくりと温めると復活する子が多いです。その後の産卵の影響は感じなくもないのですが、そこは♀ちゃんのポテンシャル次第。という感覚も有ります。

温度環境がいい時期に輸送されてきてもだめな子はだめですしね。そこは生き物の命ということで理解しております。

さあ、産んでくれればラッキー!という感じで早速始めていきたいと思います。

スペックは、

【産地】インドネシア、カリマンタン べサーレ

【累代】WD

【サイズ】♀フリーサイズ

【羽化日】天然採集のため不明

23年4月1日】

早速産卵セットを組みます。WDはいつ☆になってもおかしくないので。

とりあえず、ホソアカクワガタだしメタリフェルと同じセットでいきますか。

ということで定番の産卵一番を硬詰めのみ。材は入れずにやってみます。♀がめちゃめちゃ小さい為、1400ccボトルでセットを組んでも充分でしょう。

管理温度は20度前後でいきます。

23年5月19日】

約一ヶ月が経ち、側面に幼虫が見えてきました。見えたといっても1頭ですが。

しかし!外側に来ていないだけだと考え割り出ししてみることにします。私の誕生日だし、プレゼントレベルで幼虫が出てくるはずです!

ババン!

3頭の初令幼虫発見!!!

少ない。。。。。。

更に悪いことに♀が☆になっておりました。。

やはりWDは時間との勝負ですな。まあこれで♂♀が出てくれれば類題はできるし、

やっている人も多くは無いので増やせばもてはやされることでしょう笑

あとは大きく育ってくれるのを期待するだけです。

23年9月25日】

気がつけば4ヶ月。

うちのルームは温度の低いところは見ずらい場所にあるため、しばらく放任主義でした。まあ割り出しから、ちょうど4ヶ月を迎えたのでちょっと見ておこうとボトルをチェックしてみたところ小窓ができています。。。(蛹室の恥が見えること)

おや。こんなに早いのか。。。

しかもこれは。。羽化している??。。しかも♂では??

早くないか??

やっぱり♀ではなく♂だ! ちいせえぞ!

ちなみに飼育マットはきのこマットを使いました。

ボトルはSeriaの1000CCボトルを使い、穴は自分で空けています。一本羽化でしたね。

いつでも買える。きのこマット。コストパフォーマンス高し。

お次は。

♀だ!!!なんと♂と♀が同時に羽化している!

3頭しかいなかった幼虫で、しかも偏りやすいと言われるキクロ系!

これは神の思し召し!

最後の1本も♀だと最高かもしれない。。。。

おや。。。いない。。。

いや!!この塊は繭玉だ!!

♀出てこい、♀出てこい、♀出てこい、♀出てこい、♀出てこい、♀出てこい!!!!

じゃ~ん!サナギでした笑

しかも♂!

ノギスを当ててみたところ、羽化時推定41mm。

おそらくこの子たちはあと1週間もすれば後食が始まると予想しています。

よって、ペアリングは10月末くらいでしょうか。

是非この子達は類題を重ねていきたいと思っています。

初令からマットを固く詰めすぎた感がありますので、次は緩めにしてあげようと思っています。

いやー。印象と、リアルでこんなにイメージが違ったのは初めてですね。

とにかく小さいですが、サビイロカブトのクワガタ版て感じで、質感が最高に美しいです。

累代決定!

めっちゃ増やしたい!!

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2024-01-11

カナリクラトゥス 2周目に入ります!

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

23年にWD持ち腹から降臨した3頭(2♂1♀)が美しすぎて決定した累代。

12月には後食もはじめ、大きい方の♂と同居ペアリングも完了。いよいよ産卵セットinしたいと思います。

【24年1月11日】

整理しますとスペックは、

【産地】インドネシア、カリマンタン べサーレ

【累代】WF1

【サイズ】♂♀ 共にフリーサイズ

【羽化日】23年9月

♂2頭のうち、大きい方と一緒に産卵セットへ。

産卵セットの内容は、

【ケース】デジケースHR-2

※ デジケースは大好きだったのですが、廃盤のためセパレートケース(コバエ抑制ケース(中)

を私は利用しています。

【マット】川口商会 特選マット(完熟微粒子系)

【材】コナラ 良木

で、下はガチガチ。材はほぼ埋め込みで作ってみました。

なお前回は、産卵一番に材なし。変化をつけてみました。

【24年4月17日】

底に見えている幼虫も大きくなり、そろそろ開けてみるタイミングですね。

ひっくり返してみると、なかなか大きいのがいました!

一応、産卵材も入れていたのですが、どんなもんでしょう。

材のコンディションは悪くなかったのですが、材にはいませんでしたね。次からは材無しで良いでしょう。

結局7頭です。イベントのことを考えるともう少し欲しかったところです。

(♀は☆になっていましたので)

菌糸には入れず、多頭飼育します。

その代わり、産卵セットに使った「川口商会 特選マット+RUSH レギュラーマット」を半分入れてみます。

穴を開けて

1頭づつ入れてみました。

次は6月くらいになったら単頭にしようかな。

ズボラが出てしまったらこのまま行くかもしれませんが笑

せっかくWDからの累代なので途切れるまで行きたいと思います!

【24年8月7日】

さあ、7頭の子たちですが。6月に交換をしようとしたところ蛹室を作っていたのでスルーしてました。様子見をしているうちに、羽化しておりましたので中を見てみましょう。

わーお。

無添加マットと、RUSHレギュラーマットで表面に菌糸が張っていますね。(♀を出したときに転倒防止材などは取っ払っていました。)

ケースをひっくり返すとまずはオスが出てきました。

ゴールドに輝くクワガタは、ババオウゴンオニだけではないぞ!微毛がオウゴンに輝かせます。

赤黄金のボディ。親が小さかったので(まだ小さいけど)、簡単に親超え。

マジオウゴン。

もう1頭見えています。小さいのが。

じゃじゃん!!♀!!かわいい!

♀ちゃんも微毛で鈍いオウゴン。

実はですね。。。この2頭だけでした!!!

やはり、添加のきついRUSHレギュラーマットがあわなかったのでしょう。。。

しかし!!!7頭中、残ったのがペアだったのは最高です!!

WDの♀単から、♂♂♀のWF1に繋がり、♂♀のWF2へ。次はすべての失敗を活かして大爆散を狙いますよ!!!

種類減らしたいのに、まだまだ累代だ〜笑

カナリクラトゥスは3周目へ続く。。。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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