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ラフェルトノコギリクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ラフェルトノコギリクワガタとは』

ニューカレドニア、ニューヘブリデス諸島(バヌアツ共和国)に生息している、ノコギリクワガタの中では大型に位置する種です。

(写真は短歯の個体で、もっと大顎に発達した個体もいます。是非飼育ブログまで御覧ください。)

ハスタート程ではありませんが、がっしりとした体幹。黄褐色で会合部沿いは黒色の細い帯状の上翅は所有感を引き立たせます。

大アゴは比較的まっすぐに伸びており、先端は小さい二又状、基部に小さい内歯、基部近くに大きめの内歯、先端よりにも小さい内歯が発生します。

日本国内では主にニューヘブリデス諸島のタンナ島産のブリード個体が流通しているようです。

一昔前は『3大ノコギリクワガタ』の一つとされており、希少種であるためとても高額で取引されていたそうです。

しかし、その希少性に反して飼育難度が低い(爆産するのです)ため、WDではなく累代個体が相当出回っており、今ではとても手に入れやすくなっています。

写真の通り、黒い胸部と、茶色い上翅のツートーンでとてもきれいなクワガタの一つです。

機会があればぜひとも飼育してもらいたい種です!

レコードサイズは82.4mm。野外最大は81.2mm。(2023年現在)

70mmオーバーは簡単に出るので、迫力を味わうことができますよ!

産地に、ニューカレドニアと、耳馴染みの少ないバヌアツですが、オーストラリアの右上に位置してますね。

主な生息地はニューカレドニアとバヌアツなので、インドネシアでも無い南側のクワガタはなかなか輸入もされないようなのでレアなのかも知れませんね。

和名:ラフェルト ノコギリクワガタ

学名:Prosopocoilus lafertei

産地:バヌアツ ニューヘブリデス諸島など

♂ノコギリはとにかく美しいですね。

どのクワガタもそうですが、やっぱり大きく、長歯で出したいですよね。

大きければ大きいほど、迫力よりも美しさが出てくるのがノコギリの良いところ。

ノコギリはどの種でも♀の色合いが美しいので観賞用としては最高ですよね。

羽化したときに見える美しいボディは、幼虫期間を何ヶ月も待つ価値がありますね!

ここからはラフェルトノコギリクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は3ヶ月~6ヶ月程度。

飼育温度:

20〜25℃前後(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)

成虫育成メモ:

後食まではおよそ2ヶ月を要します。

そして成熟の目安は後食から1ヶ月後。充分に時間をおいたほうが良い結果となります。

♂はとても好戦的で♀も傷を付けてしまうので、仕切りをつけるか別のケースで。

同じケースでの飼育は避けましょう。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態で

あることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差も

ありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

【産卵セットについて】

発酵マットのみでOKです。熟度の深いマットを使用します。また、材にも産みます。六脚堂ではコナラ材を投入しました。

水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。

(水が染み出るようでは多すぎです!)

基本はマット産みなので、材は不要ですが産卵時の「足場」にして卵を産んでいるという方もいらっしゃいます。

また、材を入れるとマットにも材にも産む傾向があるようですね。

ケースは中〜大ケースが良いでしょう。

《ケースサイズ表》

《産卵セット》

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系、ノコギリ系は顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

菌糸もしくは完熟系のマット。

通常のカブトマットでも問題ありませんし、ノコギリ専用として販売されているマットでもOKです。マットよりも菌糸の方が早く羽化してくるイメージです。

六脚堂おすすめマット

六脚堂おすすめマット

メーカー マット
月夜野きのこ園 完熟マット
SANKO 育成クヌギマット
フジコン プレミアム 有機くぬぎ微細 フレーク
KBファーム 栄養フレークEX 50L(大袋)

【飼育容器】

ブロー容器 800CC程度。♂の大型化を狙うなら1000CC以上を

使いましょう。

【えさ交換回数】

♂は2〜3回。割り出しのタイミングで若干の変化あり。

♀は途中1〜2回でOK。

マットの劣化や環境の変化によって変わります。

【設定温度】

20〜25℃程度。

大きくしたい場合は、初〜2令までは25℃。3令になったらすぐに蛹化しないように温度を落とす方法をとる方が多いようです。(20〜21℃)

【孵化から羽化までにかかる時間】 ♂で約10~12ヶ月程度。

♀で約6〜8ヶ月程度。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2024年4月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-03-10

ラフェルトノコギリの飼育を始めます

ーーー六脚堂 飼育ブログーーー

知人のところでラフェルトノコギリが余っていると聞き、特に欲しかった種では無いけど見に行きました。でも、見た途端に欲しくなりました笑(いつものこと)

サイズは小さいものの、つなげて大きい子を作っちゃいますか!

ということでスペックです。

産地:バヌアツ共和国 タンナ島

累代:CBF3

羽化日:♂2022/10/10 ♀2022/9/30

サイズ : ♂56.2mm ♀Free

なんとなく、70mm前後の個体のイメージがありますが、とても小さいです。親超えは楽勝なのではないでしょうか。

【23年3月10日】

年末に後食がスタートし、そろそろ動かないと累代もできないということで早速同居ペアリングでスタートさせます。

こちらは、同居前のアゴ縛りに悶絶する♂。

【23年4月30日】

3月16日に入れた産卵セットを暴いてみたところ、

幼虫8、卵 3 採れました〜。材からは幼虫1、卵1でした。

やはり、あれば産む。という程度でしたね。

なお、産卵セットは、

マット:産卵一番

産卵材:コナラ(良木

管理温度:25℃

この子達は最初は産卵に使ったマットをプリンカップに入れて管理していました。

ちなみに♀ちゃんは3月中に回収されており、再度ペアリングを行なって休んでおります。

【23年5月9日】

4月30日に採卵した時のマット、及び材の残骸を保管しておりまして、そこから8頭発見!!

やっぱり材は捨てちゃいかんです!

※老眼にはきついかも知れない。。

23年6月3日】

2回目のセットを組みました。

【23年6月30日】

2回目のセットを割り出ししたところ、、、、

爆産じゃねーか。。。とどまるところを知らない♀。

結果、37頭採れました〜(^o^)

500ボトルに初令12頭を多頭飼育で。

まとめて購入していた月夜野E1500(カワラタケ)に5頭づつ5本に。流石にバラで管理するには大変かなと。。

23年11月22日

気がつくと5ヶ月が経っていた子たちが。。。危ないやつだけ菌糸、マットの入れ替えを。。。

※完全におろそかになっている。。。

交換作業と合わせて一応体重測定をしましょうかね。

・22g ・24g ・25g ・25g ・26g ・16g。

菌糸のチームと、マットのチームに分けて管理しました。

【24年4月26日】

前回同様。マットも、菌糸も食い上がってはいましたが、交換におけるタイミングを図ることができずに時間が経ってしまいました。。。

写真は撮っているのですが、時系列がどうも不明瞭になっています。ご了承ください。

爆産したのと、同時期に増種やら繁忙期やらでブログ用の準備ができていませんでした。なので、ラフェルトに関しては、これだけ雑に交換タイミングを逃しても、立派に羽化するよ!

ということだけは御理解いただける内容になっています笑

次回!いきなり羽化報告になってしまいます!笑

2024-04-21

ラフェルトノコギリが羽化してきました!!

ーーー六脚堂 飼育ブログーーー

産まれすぎて、雑な飼育になっているラフェルトノコギリクワガタですが、ちょうど1年で羽化を始めております。それら、羽化個体の紹介となります。

紹介の前に。管理日記です!

【24年4月21日】

5頭づつの多頭飼育をしていたクリアスライダーラージ。

12月2日に、きのこマットにて多頭にしていたものです。

4頭ですが、1頭先に潜ってしまっています。

もう1ケース。

食い上がっている!というわけでも無いのですが、マットは流石に劣化していたので交換ですね。ちょうどよく食い上がるケースに、必要な分だけ入れてマットが劣化する前に交換する。

これが理想ですが、いろいろな種をやりすぎていると、その感覚がカラダに入って来ませんね〜。

それでは、羽化個体ですね。

今回羽化していたのは9本です。

まずは♀ちゃん。一番小さい子で36mm。最大46mm。9本中♀は5頭でした。

♂たちです。

73mm

74mm

みんなちょっとづつ、上翅の色味に変化があるのが面白いですね。これは数を飼育していないとわからない醍醐味なのかも知れません。

75mm

もう一頭も74mmでした。カップじゃなくてケースに入れているのは種親候補です。

大きさはさほど気にせずに、上翅が一番キレイな♂を選択。とはいえ、まだまだ数を抱えているので変わるとは思いますが。

他の子達はイベントで販売に回します。

たいそうな話はできませんが、ラフェルトノコギリの1周目ですが今のところニッパーの様な♂は出ていません。マットでも、菌糸でも70mmオーバーです。

そして、♂、♀の羽化がほぼ同時期だということも面白いですね。

まだ蛹の兄弟たちも数多くいますが、ちょっと楽しさが湧いているかも。

しかも、マット(菌糸ビン)交換を5ヶ月サボったりと、環境は特に良くなかったはずです。

温度管理だけは、常温ではないので羽化までほど23℃で通せたのがもしかすると彼らにとって一番良いことなのかも知れません。

マットチームの子達が羽化してきました。

68mm の♂

ボトルは800です。もう少しちゃんと管理して1400に入れれば70mmは楽勝な気がします。

こちらは♀ちゃん。元気に完品羽化。

こちらは65mm。

長歯も当然いいんだけど、ニッパーになったらなったで新種のはスタートみたいでかっこ良い笑

最初にラフェルトに着手したときの種親もこんな感じで、小さいからカッコ悪〜と思っていましたが、何だろ。こっちのほうがむしろかっこいいのかも知れない笑

羽化は遅れるけどマットでも十分大きくなるのがわかりました。

ラフェルトいいな〜。低価格で高級感も有り大きくなり、たくさん生むので初心者さんには超コスパの良いクワガタです。

みんなやって欲しい!!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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