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リノケロスフタマタクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで 

KAZ.YOSHII

『リノケロスフタマタクワガタとは』

大型種の多いフタマタクワガタ属の中でも、2番目に大きくなる種です。

フタマタクワガタは、大きくインドネシアの島々と、マレーシア半島から北に分布する種に分かれます。この種は全亜種がインドネシアの島々に生息しておりまして現在は、スマトラ島 chaudoiri亜種、原名亜種(ジャワ島)、メンタウェイ諸島亜種sadaoiの3亜種に分かれています。

形状には個体差があり、アゴが大きく湾曲するタイプ、マンディブラリスの様にほぼ直線状に伸びるタイプになります。

なお、スマトラ島には、マンディブラリス、パリー(セアカ)、リノケロスが生息しているのですが♀の外観はほぼ同じです。

野外品もさることながら、飼育品は特に交雑の可能性も疑われるほどで、こちらの方のブログがとてもわかり易く説明されています。

ご参考までにこちら。

また、原名亜種のいるジャワ島ではブケットフタマタクワガタと混生しているので交雑している可能性もあるそうです。結果、羽化個体を比較しながら楽しむ。というマニアックな感じかも知れませんね!

大きさ的には

♂:65〜90㎜。♀:35〜45㎜。

レコードは野外で 109.0㎜  飼育レコードは 103.0㎜

♂ 88mm 

スマトラ ベンクール産

大きさ的にもマンディブラリスに限りなくにていますが、この口の部分の突起がリノケロスにはあります。マンディブラリスにはありません。

正面から見るとこんな感じです。

また、リノケロスはアゴが湾曲するのに対し、マンディブラリスは直線的になります。

この2点の違いがあります。

♀ 46mm 

スマトラ ベンクール産

フタマタ属の♀を同定するのはカナリ難しいです。

和名:リノケロスフタマタクワガタ

学名:Hexarthrius rhinoceros chaudoiri 

学名の『rhinoceros』(ライノセラス)は、動物の『サイ』という意味だそうです。

このページではブケットフタマタクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は約4〜7ヶ月程度。

WD個体の場合は羽化日が不明なので、6ヶ月生きれば良いほうかも知れません。

飼育温度:

23~25℃ 

成虫育成メモ:

気性が荒いので複数を同じケースでは飼育しないこと。慌てずに成熟をしっかりさせるのがポイントです。よって、ペアリング時もアゴ縛りは必須となります。

後食後、2〜3ヶ月待つ人もいるようです。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。(♀のポテンシャルも重要です。)

後食まで:羽化後1〜2ヶ月程度で後食。

成熟まで:その後1ヶ月程度で成熟するようです。(温度管理や個体によります。)

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう)

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

産卵セット:

基本、産卵材に産みますので材を入れて産卵セットを組みます。

材は転がしで良さそうです。埋め込み用のマットは幼虫が材からこぼれたときのために完熟マットや、産卵一番などを使用すると良いでしょう。(添加の強いマットは避ける)

産卵材は、コナラが良さそうです。

《産卵セットの組み方》

産卵管理適温:

25℃程度。でやや高めにセットします。

通常飼育の温度(20〜23℃)よりも少し高めにセットすることで♀が産卵行動に入りやすくなります。

産卵数の目安:

あまり多産ではない印象ですが、♀の当たり外れがやや多い感じです。産む♀は一度で20頭以上という結果もあります。

セットに♀を投入したら、1〜2ヶ月程度はそのままが良いです。材割りの際フタマタクワガタ系は材の表面に産む傾向が強いので少しずつ削いでいくことをおすすめします。

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

菌糸でも発酵マットでも可能です。大きさを狙うなら菌糸ビン飼育で臨みましょう。

菌糸はオオヒラタケがオススメです。

【えさ交換回数】

800cc〜1400cc程度のボトルで交換途中2〜3回でOK。

大型を狙うなら♂は2回目の交換で1400CC以上でチャレンジしましょう。

※マット飼育と菌糸ビン飼育で若干の違いはあります。

【設定温度】

20~25℃度の範囲内で。

大型を狙う場合は低温でじっくりと行いますが、羽化までやや1年半近くかかることも。

【孵化から羽化までにかかる時間】

マット飼育と菌糸ビン飼育では羽化までの時間が変わる傾向があります。

一般的に菌糸ビンのほうが早く羽化して来るのです。

マット飼育の場合:

♂10~12ヶ月程度  ♀8~10ヶ月程度

菌糸飼育だと:

♂9~11ヶ月  ♀7~9ヶ月

※羽化時のサイズ、管理温度の違いによって個体差があります!

この記事は2024年10月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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