マルスゾウカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『マルスゾウカブトとは』
全身黒光りで、ハムスターを超えるくらいの大きさになるゾウカブト。
頭角も長く、ゾウカブトの中でもその容姿から大変人気があります。
同じゾウカブト種のなかでも大人しいエレファスゾウカブト(Megasoma elephas elephas)とは違い、軍神マルスの名の通り、闘争心あふれる性格をしています。
(とはいえ、あくまでゾウカブトの中では比較的好戦的なだけであって、オオヒラタ系やコーカサス、フタマタクワガタなどに比べたら温和です。。)
前脚も長くとても力が強いので、木にしがみついているところを引き剥がそうとしても大人でもなかなか剥がれない腕力を持っていますので、素手に掴ませたりするのは危険なので注意しましょう。
幼虫期は約2年と長いのですが、レックスゾウカブトの約3年の幼虫期間に比べればまだ早いほうです。
外見はレックスゾウカブト(旧アクティオン)に非常に似ていますが、違いをあげますと
・放射状に細長く伸びる胸角(両サイドの棘ですね)
レックスはまっすぐ前を向いて太め。
・ボディの艶が強い
レックスはつや消し気味
・胸部の中央にわずかに毛が生えている
この3点で区別が出来ます。
ギネスサイズではゾウカブトの仲間でトップクラス。
♂:70~133mm
♀:60~75mm
(2023年 BE-KUWAレコード! 133.7mmです!RUSHマット利用だそうです。)
本種は南米で広く分布する普通種のレックスゾウカブト(旧アクティオン)よりもずっと分布域が限られており、主にアマゾン川周辺に分布している。
原住民は本種の頭部を首飾りにするそうです。
幼虫期が2年少々と長いのですが、温度管理が多少アバウトであったりマットも中古マットを食べさせてもある程度大きくなってくれるので初心者でも飼育し易い部類です。
ただし注意したいのは、♀が圧倒的に早く羽化してしまうために累代が難しい種でも有ります。近年は飼育するブリーダーさんも増えてきたのでオークションなどでテには入れられやすいです。
(割りと高額ですが)
名前はローマ神話の戦いの神・マルスに由来しています。
またゾウカブトの仲間が属するMegasoma属は南米から北米にかけて以下の14種、7亜種が生息しています。
※こんなに多いんですね!
和名:マルスゾウカブト
学名:Megasoma mars
♂105mmの個体。まるで地を這う黒い戦車。
光沢の有るボディ。この厚さがマルスの魅力ですね。
横から持ち上げてもこの符節に指が当たるときついです。
おでこに有るオレンジのものは毛です。ここがマルスの特徴。
♀の上翅も♂同様光沢がある。
大きいのにキュート
♂同樣、迫力のボディ。
ここからは、マルスゾウカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は意外と短く、3ヶ月〜6ヶ月ほど。
飼育の適温:
22〜25℃程度
成虫育成メモ:
ペアリングをすると極端に寿命が短くなる印象です。成熟するとフシューフシューフシューと音を立てるので可愛らしいです。
同じケースで飼育しても問題はなさそうですが、♂は交尾欲が旺盛なため、♀を追いかけてストレスを与えてしまいます。可能なら仕切りをつけるか別のケースで管理しましょう。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
後食までは約1ヶ月程度。。
成熟は(後食)が始まってからさらに1ヶ月程度と言われています。成熟すると、60gのゼリーを1日でかるく食べきってしまいます。そうなるともう成熟とみなしていいかも知れません。
産卵方法はマット産み。完熟系のマットを使用します。
産卵管理適温:
20〜25℃
【使用ケース】
大ケース〜衣装ケースを用意すると良いでしょう。
場所を確保出来ない場合は遅くとも2週間に1回は採卵しましょう!
産卵数の目安:
手法によりますが10日程度で20個以上産むこともあります。
セット回数によってはトータルで100個近く産むこともありますが、飼育スペースを大きく取りますので産ませ過ぎに注意しましょう。
《ペアリング方法》
カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです。
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。
2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。
3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。
とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。
詳細はこちらから!
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
完熟系の発酵マット。ヘラクレス用のマットでも大きく育ちますし、中古マットももりもり食べてくれます。
♂♀ともに、1800CC程度のボトルなら交換途中8〜9回程度でしょうか。
※ただしマットの劣化や食いつきの量にもよります。オスの大型を狙うなら各種大ケースなどを利用したほうが良いでしょう。
【設定温度】
23~25℃前後
【孵化から羽化までにかかる時間】 約2年から2年半程度でしょうか。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
2023年10月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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