アルキデスヒラタクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『アルキデスヒラタクワガタとは』
アルキデスオオヒラタは、インドネシアのスマトラ島が生息地です。
スマトラ島は赤道直下の島で世界でも有数の豊かな生物多様性を誇る地域で、標高800-1800mの熱帯雨林帯から高地照葉樹林帯にかけて棲息しています。
スマトラ島といえば、その名の通りスマトラオオヒラタが直感的に脳内に現れる方は多いのではないでしょうか。
実はスマトラ島はクワガタなど虫の宝庫なのです!!
アルキデスヒラタは世界最大とも言われるその分厚い横幅が魅力のヒラタクワガタ。
アゴは「長歯型」「中歯型」「短歯型」が現れますが、横幅が強調される短歯型に、圧倒的人気が集まります。短歯型のほうが、その横幅もあって筋肉質なボディになるのが理由です。
そして短歯型はニッパーのように鋭く挟まれると出血を伴うので注意が必要です。
サイズは、♂ 31mm - 104mm、♀ 25mm - 50mm。
ヒラタクワガタの中では最大級の種となります。
飼育レコードは98.3mm、野外レコードは104mm。(BE-KUWA89号)
和名:アルキデスヒラタクワガタ
学名:Dorcus alcides
通常、ヒラタクワガタ(オオクワガタ属ヒラタクワガタ亜種)は、学名にDorcus titanus ◯◯◯◯ とつくのですが、アルキデスは titanusとつかないのでヒラタクワガタ亜種では無く、「ヒラタクワガタ亜属 の種:アルキデスヒラタクワガタ」となるようです。
この子は中短歯といったところでしょうか。もっと短い顎のほうが人気が高いようです。
長歯よりも短歯が人気のアルキデス。
胸の幅が広く、短歯であるほうが筋肉ムキムキ?のようなフォルムになるのでかっこよさが増してくる。
上翅に傷が入ってました。。WDなのでしょうがないですね。歴戦の傷でしょう。
アルキデスの♀は、東南アジアのオオヒラタの中では特徴があり、他のオオヒラタの♀特別するときには、「前胸背板、上翅ともに光沢が強く」出ます。
そしてオオヒラタの♀は上翅に明確な筋状の点刻があり、艶消しのようになっているがアルキデスは点刻が非常に薄く、光沢が強い。
写真でも強めの光沢感は伝わります。
ここからはアルキデスオオヒラタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
1~2年
ペアリングの有無、管理状況によって大きく変わります。また、WD(野外採集個体)はいつ採集されたかによりますので寿命が読めません。
飼育温度:
20~25℃前後
後食:
サイズにも影響しますが1〜2ヶ月程度。大きいほど遅れます。
成熟期間:
後食後3~5ヵ月(羽化してから交尾できるまでの時間)
ブリーダーさんによっては、後食したらすぐにペアリングさせる方もいますし、まちまちです。
実際には、個体のポテンシャルによるところも多いと思われます。
成虫飼育メモ
他のヒラタクワガタと同様の方法で飼育できますが、標高800m以上の高山に生息しているため、実は暑さには弱く、スマトラオオヒラタよりもやや低温な環境での飼育が好ましいようです。また湿地帯に棲息しているため飼育下でもかなり湿潤な環境を好みます。
♂は非常に攻撃的なので、ペアリングや餌交換、掃除の際には絶対に噛まれないよう注意をしてください。(短歯はとくに)
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
♀のポテンシャルにもよりますが、20〜30産んでくれると思います。
【産卵セット】
マットのみでもOKです。完熟系で。
材を入れるなら、クヌギ、コナラ。また、カワラ材でもOKです。材を入れる場合は柔らかめが理想です。
水分量は材の加水時間、使用するケースにもよりますが少なめで良いです。
底面のマットは固く詰め、材はすべて埋めてください。
【ケースサイズ】
Mサイズ程度。
中サイズの材を2本の場合は、クリアスライダー(大)、コバエシャッター(中)
などを使用しましょう。
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度。
【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】
25℃前後
【ケース】
材の大きさに合わせて選びましょう。
ペアリング方法:
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。
3)♂、♀を投入し3日〜7日間ほど一緒にしておきます。
※ほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。
※ ヒラタクワガタ系は興奮して♀を攻撃することもあるので、♂のアゴを縛って 同居させることをおすすめします!
この動画は、本土ヒラタクワガタの同居ペアリングの様子です。
100均のケースの底に、これも100均の鉢底ネットをガムテープで止めただけのものです。
♀の隠れ家として、樹皮を1枚入れています。
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
菌糸ビンでもマットでもOKです。 オオヒラタケの菌糸ビンがよく使われています。
マットでも飼育は可能ですが、菌糸ビン飼育のほうが早く羽化する傾向にあります。
♂は1000〜1400CCのボトル交換で途中2回程度。
♀は800〜1000CCで2回程度。
※温度や菌糸の劣化具合、食い進みにより変化はあります。
大型を狙うなら、管理温度を低めの20℃で設定しておくことが大切です!
また、1400ボトルよりも大きな1800ccや2300ccに投入することも必要かも
しれません。(大型を狙う要素はボトルのおおきさだけではないですが。。)
【設定温度】
20~23℃前後で
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂:8〜12ヶ月程度
♀:6〜8ヶ月程度
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
約1ヶ月半~2ヶ月もすれば、ケース側面に幼虫が見えてくるはずです。もしその位経過しても卵も幼虫も見られない場合は、交配が成功していない可能性がありますので、♀を取り出し、♂と交尾させると良いと思います。
如何でしたでしょうか?スマトラオオヒラタ、体格のよいがっちりとしたボディはまさに迫力満点!!それでいて均整の取れた美しさもあります。飼育も容易な種ですので、まさに外国産オオヒラタ種の入門種としても最適です。皆様も是非機会が御座いましたら一度飼育チャレンジしてみて下さいませ。(^^)
この記事は2023年5月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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