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ヘルマンミヤマの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ヘルマンミヤマとは』

ヘルマンミヤマは中国の福建省や広東省、雲南省などに生息するミヤマクワガタ。

顎の間から突き出ている頭楯が特徴。細くて長く、更に大きく湾曲する大顎が魅力です。

見てのとおり、エッジの聞いた胸部には、メリーメンガタやラコダールツヤのような盾があり、その中央は円形にくぼんでいるという、まるでモビルスーツのデザインのようです。

リノケロスフタマタの頭盾も大きいけど、ヘルマンのはさらに突き出ていますね。

飼育が難しいと言われるミヤマクワガタの中では飼育は簡単な部類と言っていいのではないでしょうか。とはいえ、高温には弱いので、成虫は夏でも25℃以下にしておく必要があります。

累代はできなくとも、一度は手にとって見てほしいクワガタです。

写真を撮っていてもこんなにモデル体型の子は初めてかも。

人間でいうと阿部寛的な感じw

飼育レコードは92.0mmに対して、野外レコードは92.0mmと僅差なのでまもなく野外を超えるでしょうね。六脚堂が。(すみません。無理です笑)

今、ユーロミヤマ3種をやっていますが、この子を始めるとセラーが圧迫されますね。どうしましょうか。

ハケの白い毛が、、、

♀はいわゆるミヤマ。

他のミヤマとの違いを見てみましょう。これがヘルマンの♀。

こちらがアクベシアヌス。

ケルブスの♀。

ユダイクスの♀。うーむ。。。違いがわからん。博識な方は教えて下さい!

小楯板が大きい気がするのですがこのコだけでしょうか。他の子と比べたいところです。

ヘルマンの♀。

アクベシアヌスの小楯板。

ケルブスの小楯板。より小さいです。

ユダイクスの小楯板。

より台形ですね。これらが特有なものなのかどうかはもっと個体数を見ないとわからないですよね。

よくヒラタ系では一緒に置くとわからないので取り違えないように。という話はちょくちょく見られますが、ミヤマも同じですね。

ちょっと増えてきたので、六脚堂も厳重管理で行きます。

ユーロミヤマ一派ほど赤みはなく黒味のある光沢が出ています。

和名:ヘルマンミヤマクワガタ

学名:Lucanus helmani

このページではヘルマンミヤマクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は活動開始から2〜3ヶ月と言われています。

飼育温度:

15〜23℃前後。

成虫育成メモ:

リアルに見るまではこんなにかっこいいと思っていませんでした。

羽化までは♂が2年かかることも。低温管理の環境を作るのがシビアなのに、羽化しても休眠期間(後食するまで)が半年程度。活動は3ヶ月くらいと、とても儚いのがミヤマなので希少価値も高いと言えるでしょう。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。

【産卵セット】

黒土マット、カブト系の完熟マット(カブト1番など)、無添加微粒子マットを使います。特に熟度の深いマットを好みます。(茶色よりも黒に近いマット)

材には産みませんので不要です。

加水

ちょっと多め。ただし、握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!

産卵セットの作り方はこちらから

《産卵温度》

18〜20℃程度。

状況次第ですが、15℃程度でも産卵結果は出ているようです。産卵数は10〜20程度。

【使用するケース】

コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など。

ケースサイズ表はこちらから

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)♀を攻撃しがちなので、安全のために顎縛りしましょう。

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の飼育方法 □□□

【お勧めのエサ】

初令・・・

黒土系の熟度の高いマット。

一番良いのは産卵時に使ったマットが無難です。

月夜野さんの黒土マットや、発酵の深いカブトマットなど。

2〜3令時・・・

廃菌床マットや添加のあるマットを少しづつ混ぜていきます。

菌糸ビンは不要でマット飼育で十分大きくなります。

MEMO

1)初令時は、産卵セットのマットを移行した方が良い

2)コバエなどが発生して産卵セットのマットをつかえない場合は、

    カブト用の完熟マットや黒土など完全発酵がおすすめです。

3)大型や大歯を狙う場合は、2〜3令時にカブト用完熟マットをベースに、廃菌床ベースのマットや添加マットを少しづつ増やしていく。

※低温管理が重要です!

【容器】

初令時には500CCから800cc。

♂は80mm近いサイズが出ますので、2〜3令になったら1400以上のボトルを使用すると良いでしょう。

【えさ交換回数】

交換は途中3〜4回程度。

※環境やコバエの発生などで変化あり。

【設定温度】

18〜20℃程度。

高くても23℃が限界値と考えてください。環境を用意できるかどうかが鍵になります。

【孵化から羽化までにかかる時間】

♂:初令投入して約14~24ヶ月

♀:初令投入して約12~24ヶ月

温度管理の方法によって、2年1化になる場合もあります。

(1年で羽化する場合を1年1化。2年掛けて羽化することを2年1化と言います。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2025年5月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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