アローコクワ(亜種 リエンの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『アローコクワ(リエン)とは』
アローコクワガタはコクワガタの仲間の中でも大型に分類される種になります。
アゴの形状などは国産のアカアシクワガタに似ている感じでしょうか。体色は光沢があり、赤茶色の前翅を持ちます。これに一目惚れする方も多いでしょう。
コクワガタといえば、最近はコクワガタ最大種(80mmを超える)であるドンキエールコクワ(通称:赤ドンキ)が人気で価格もペアで5〜10万円と高騰していますね。(2023年現在)
ブリーダーさんが増えていることを考えると、あと3年位で価格も落ち着いて来るかもしれません。
赤ドンキが高額が故に、次に大型化しやすい本種、アローコクワ亜種リエンも大変人気種で、流通も冷えたことで価格も落ち着いているので入手しやすいと思います。(5~60mmで5000円。70mmを超えると15000円程度)
なお、アローコクワガタは、
原名亜種のDorcus arrowi arrowi。(中国雲南省西武、ミャンマー北部 カチン州)を始め、
タイ北部亜種のDorcus arrowi nobuhiroi。いわゆるノブヒロイ。
ベトナム北部亜種はsspとされているようです。
ベトナム中部亜種が、リエンと呼ばれ、アローコクワの中では最大種になります。
レコードサイズは78.3mm 野外レコードは73mm。
ちょっとMEMO的に。今後記事にしたほうがいいかな?
〜SSPについて〜
まずSSPとは、
◎◎クワガタなんだけど、ちょっと違うよね?でも正式な判断がされていない??という場合の「不明亜種」という意味で使われています。
たとえばアローコクワssp.と表示される場合、アローコクワなんだけど、いまちょっとまだ確定していないから不明亜種!という使われ方です。
どの亜種か分からないという意味であって、新亜種という意味ではありません。
subspecies(サブスピーシーズ)の略でSSPです。
クルビデンスやゴロファ系、数年前はゾウカブトでも曖昧な感じで使われていましたね。
SPという表記もありますが、詳しくはこれから記事を作りますのでお楽しみに。
リエンはもともとマグダレインコクワSSP(ベトナム産)と呼ばれており、同定されずに産地のみで判断して流通されたりもしているらしいので、いろいろ気をつけたほうが良いのかもしれません。
地域同定に関する動画をUPされている方がおりました。気になる方はご覧ください
アローコクワ リエンの産地はベトナム中部となります。
リエンと言えば、ベトナム コントゥム。コントゥムは中部高原で標高500m程度。5月から11月までは雨季なので雨が多く最高気温は乾季と比べると低め。1月の最高気温は10℃台前半まで低くなり最高気温は25℃程度まで上がります。これが飼育に関してなにかヒントになりそうですね。
和名:アローコクワガタ リエン
学名:Dorcus arrowi lieni
六脚堂飼育個体 ♂(73.0mm)
70mmを超えてくると、もうコクワガタとは言えないのでは??笑
褐色の上翅がとにかく美しいです。
内歯の
こちらは亜種ノブヒロイ。ちょっと小さいのであまり比較にはなりませんが、ギザギザが太い感じがしますね。(大型が作出されたら比較画像を追加します!)
アゴの上下の湾曲は見られないですね。
外からうちに大きく湾曲する大顎が特徴。
♀の上翅も♂と同様の褐色具合。
ここからはアローコクワ(リエン)の飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は、1年から2年ほど。
※ペアリングの回数によっては短くなります。
飼育の適温:
20~25℃程度
真夏の常温は流石に堪えられないと思います。六脚堂は真冬の場合18℃くらいまで下がりますが日中が22℃くらいになります。問題なく飼育できています。
成虫育成メモ:
およそ後食まで4~6ヶ月程度。大きめの♂なら8ヶ月かかることもあります。
寿命は長いので慌てずにしっかりと成熟させるのがポイントです。中には10ヶ月は待つという方もいるようです。逆に考えると、10ヶ月経ってからのペアリングでも産んでくれると言うことです。
また、成熟を早めるならば23〜24℃と高めで管理する方法もありますが、産卵のことを考えると無理に起こすことは得策では無いかもしれませんね。
温度管理さえできればブリードは割りと簡単な部類です。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
【産卵セット】
材産みですので、下に引くマットは何でもOKです。産卵木はコナラなど転がし(マットに埋めない)でOK。
また植菌カワラ材などは反応が良いみたいですね。
また、タランドゥス、レギウス、オウゴンオニ、ネパールコクワ(ネパレンシス)の産卵セット同様、カワラ菌糸ボトルのフタを開けて置いておく方法でもOK。
【温度】
23〜25℃程度で管理しましょう。
【ケース】
投入する材の大きさに合わせます。クリアスライダーラージくらいで良いのでは無いでしょうか。多産種なので、1回でたくさん取りたいときは大ケースなどに材を2〜3本入れるのも良いのではでしょうか。ブログなど見ていると、1回で20〜30は産んでいるようです。
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
【えさ交換回数】
500ccのボトル程度で1本孵し。もしくは途中1回程度。
※温度やマットの劣化具合、食い進みにより変化はあります。
【設定温度】
18~23℃前後。
大型を狙うならワインセラーなどを使い、20℃前後でじっくりと。
【孵化から羽化までにかかる時間】
7 ~10ヶ月程度。低温だと12ヶ月程度となります。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年11月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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