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ヒラタクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ヒラタクワガタ(本土ヒラタ)とは』

日本に生息するヒラタクワガタの種類は、

・ヒラタクワガタ

・チョウセンヒラタクワガタ

・スジブトヒラタクワガタの3種類です。

ヒラタクワガタは地域によってさらに12の亜種に分けられていまして、特に離島では多くの場所で別の亜種として見られます。ただし、伊豆諸島北部、隠岐、熊毛諸島などの離島では亜種として分けられていません。→ツシマヒラタクワガタ

チョウセンヒラタクワガタは日本では対馬に、国外では朝鮮半島から中国にかけて分布しています。

スジブトヒラタクワガタは奄美群島に特有の種類で、海外には分布しません。現地では普通に見られる種類で、活動期には多くの個体を見ることができます。オスもメスも上翅に深いスジがあり、特徴的な姿をしています。

寿命は2〜3年前後。

近年、乱獲や採集マナーの問題で、離島種の採集規制が入っていますが、ツシマも未だ禁止ではありませんが、気をつけないとそうなる可能性もあるのではないでしょうか。

2022年 BE-KUWAレコードは欠番。となっており、各離島表記のみになっております。

ハチジョウ、ツシマ、ゴトウ、イキ、トカラ、アマミ、トクノシマ、オキノエラブ、オキナワ、ダイトウ、サキシマ、スジブト、チョウセン、オオの14種。(2023年度版)

なお国産ヒラタクワガタ(titanus属)は下記の全12亜種とされています。

・ヒラタクワガタ D.titanus pilifer 

 本州~九州,種子島,屋久島,伊豆諸島

・ダイトウヒラタクワガタ D.titanus castanicolor  

 大東諸島

・アマミヒラタクワガタ  D.titanus elegans    

 奄美大島

・ハチジョウヒラタクワガタ  D.titanus hachijoensis  

 伊豆諸島(八丈島)

・ゴトウヒラタクワガタ   D.titanus karasuyamai   

 五島列島

・オキナワヒラタクワガタ  D.titanus okinawanus   

 沖縄諸島

・オキノエラブヒラタクワガタ D.titanus okinoerabuensis 

 沖永良部島

・サキシマヒラタクワガタ   D.titanus sakishimanus  

 八重山諸島

・トカラヒラタクワガタ   D.titanus takaraensis    

 トカラ列島(宝島)

・イキヒラタクワガタ    D.titanus tatsutai     

 壱岐

・トクノシマヒラタクワガタ  D.titanus tokunoshimaensis  

 徳之島,与路島,請島

こんなにいると、何種か集まったらコンプリートしたくなっちゃいますね!!

この子は六脚堂のホワイトアイ個体です。♂64mm(岡山県産

オオクワガタやノコギリクワガタも良いですが、ヒラタも存在感とかっこよさがありますね!

ボディの厚さはオオクワガタに劣りますが、スマートで長いフォルムに魅了される人も多いのが本種。

光沢感が強いです。

和名:ヒラタクワガタ

学名:DDorcus titanus

このページではヒラタクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□

寿命:

2〜3年程度

飼育温度:

20~25℃前後

後食まで:

1.5ヶ月〜3ヶ月程度です。サイズや個体差があるようですね。

後食とは

成熟期間:

後食後 2~3ヵ月程度(羽化してから交尾できるまでの時間)

急ぐと産卵数が少なかったり、無精卵だったりするようです。一度越冬させるほうが産卵成功率が高いとおっしゃる方もおります。

成虫飼育メモ

他のヒラタクワガタと同様の方法で飼育できますが、

♂はやや攻撃的なので、♂と♀は別々のケースで飼育することが望ましいです。

越冬のさせ方:

冬になり、15℃を切り始めると越冬(休眠)します。

飼育ケースの中に、昆虫マットを深めに入れ、朽ち木や木の葉を入れておくとその下に潜って行きます。

しかし、暖かい日(15度を超えると)にはマットの上に出てくる事があるので、ゼリーは常に入れておきましょう。 また、乾燥は良くないので適度に霧吹きを忘れないように!

北海道などの場合、下は5℃くらいまで問題有りませんが0℃を切ると危険です。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

※国産ヒラタクワガタは、全て同じ方法で産卵が可能です。

※クワガタ、カブトムシは羽化してすぐに卵は産みません!

産卵

ヒラタ種なので基本マット産みですが、産卵材にも産みます。また産卵木を入れると足場になりやすいので埋め込みセットで行けます。

材は柔らかめで芯の無いものがおすすめです。

産卵マット

完熟系のマットが良いです。

【産卵セット】

マットのみでもOKです。完熟系で。材を入れるなら、クヌギ、コナラ。

材を入れる場合は柔らかめが理想です。

水分量は材の加水時間、使用するケースにもよりますが少なめで良いです。

底面のマットは固く詰め、材はすべて埋めてください。

【ケースサイズ】

Mサイズ程度。

中サイズの材を2本の場合は、クリアスライダー(大)コバエシャッター(小)

などを使用しましょう。

【水分量】

手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度。

【マットの詰め方】

ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。

【設定温度】

25〜27℃前後

【ケース】

材の大きさに合わせて選びましょう。

<マットのみで産卵を行った場合>

【お勧めのマット】

ヒラタクワガタは根食い系ですので熟度の高い、微粒子のマットがおすすめです。

【お勧めの容器】

クリアスライダー(ラージ)コバエシャッター(中)など。

【水分量】

手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度

【マットの詰め方】

ケース底面7割程度固く詰めて上部はフンワリと。

【設定温度】

25℃前後

<材も使用して産卵セットを組んだ場合>

【お勧めのマット】

ヒラタクワガタは根食い系ですので熟度の高い、微粒子のマットがおすすめです。

【お勧めの容器】

クリアスライダー(ラージ)コバエシャッター(小)など。

【水分量】

手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度

【セット方法】

ケース底面3センチ程度を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰めます。 上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。 少し材の頭が出るようにセット!

《産卵セットの作り方》

ペアリング方法

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。

3)♂、♀を投入し3日〜7日間ほど一緒にしておきます。

  ※ほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。

※ ヒラタクワガタは興奮して♀を攻撃することもあるので、♂のアゴを縛って

 同居させることをおすすめします!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

この動画は、ヒラタクワガタの同居ペアリングの様子です。

100均のケースの底に、これも100均の鉢底ネットをガムテープで止めただけのものです。

♀の隠れ家として、樹皮を1枚入れています。

□□□ 幼虫の育て方 □□□

※国産ヒラタクワガタは、全て同じ方法で飼育が可能です。

【お勧めのエサ】

クワガタ用発酵マットでOKです。菌糸ビンでも飼育は可能です。

マットはヒラタクワガタ用のものも市販されています。

【えさ交換回数】

♂は1000〜1400CCのボトル交換で途中1回程度。

♀は800~1000CCで1回程度。

※温度や菌糸の劣化具合、食い進みにより変化はあります。

大型を狙うなら、管理温度を20℃に設定し、1400ボトルよりも大きな1800ccなどに投入することも有効な場合が有ります。(大型を狙う要素はボトルのおおきさだけではないですが。。)

【設定温度】

25℃前後です。高くても30℃以下にしましょう。

【孵化から羽化までにかかる時間】

マット飼育の場合:

♂:1令投入して合計10~14ヶ月程度

♀:1令投入して合計8~10ヶ月程度

菌糸飼育の場合は、1~2ヶ月程度早く羽化します。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

約1ヶ月半~2ヶ月経つと、ケース底や側面に幼虫が見えて来ます。(内側にいることもありますが。)もし卵も幼虫も見えない場合、ペアリングがうまくいってないことも有ります。

そんなときは♀を一旦取り出し、♂と再度ペアリングにチャレンジしたほうが良いかもしれません。

ヒラタクワガタはとても魅力的な種です。

スマートな美しさ。飼育も容易。入門種としても最適です!

皆様も是非機会が御座いましたら一度飼育チャレンジしてみて下さいませ。(^^)

この記事は2023年5月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2024-05-09

本土ヒラタのホワイトアイを導入!

【24年5月5日】

先日、スジブトヒラタのホワイトアイを増種しました。

カブト派を名乗る私がホワイトアイに目がくらみ、本土ヒラタのホワイトアイにも手を出してしまいました。しかも、2♀であるという本気度合い。

ここに至る経緯はこちらから。(スジブトヒラタのホワイトアイ導入!)

スペックです。

ホワイトアイ 本土ヒラタ  

産地:岡山県産

累代:CBF4(WW)

種親:CBF3(WW)54mm♂  、   CBF3♀ 36mm(WW)       

羽化日:

♂約64mm 2023.3月羽化

♀約39mm 2023.2月羽化(右顎先に欠け有り)

♀約39mm 2023.2月羽化( 右の中後付節欠損 有り)

なかなかのハンディを背負った♀2頭です。これでどこまで勝負できるでしょうか。

♀A

♀B

それぞれAライン、Bラインとして管理していきます。

【24年5月9日】

すでに後食が始まっていましたので、まずはAラインから同居を始めます。

5月9日から16日まで同居し、セットinしました。

【24年5月16日】

Aとの同居後、すぐにBを同居体制へ。そして5月28日に同居を解除。解除後はゼリーをゆっくり食べさせるために休憩をさせていたました。

【24年6月5日】

いよいよBをセットinさせます。産卵一番に、コナラ良材で勝負です!♀は符節欠損していますが中足なので大丈夫でしょう!!ケースはコバエ抑制ケース(小)です。

コナラ材1本。材の加水は、熱湯で30分。外で日陰干し2時間程度。

同じ親のホワイトアイ同士は出現率100%なので、産まれただけ白眼王国になります。

私は国王になります。

スジブトヒラタのホワイトアイもトリオが控えているので、良いスタートを切りたいものです。

7月にはペアリングできる頃だと思います。

更に!!ギラファのホワイトアイも産卵セットに!!

来年はホワイトアイ王国でホクホクの予定!!!

割り出しまでお楽しみに!!

□□□□ 今回使った用品はこちら □□□□□□□□

マットはフォーテック、産卵一番

ケースはクリアスライダー小コバエ抑制ケース小

材はコナラ産卵木

□□□□□ AMAZONリンクです □□□□□□□□

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2024-07-08

ホワイトアイは産んでいるのか!(本土ヒラタの産卵セット)

【24年7月8日】

5月と6月にペアリングさせた本土ヒラタのホワイトアイ。 

2♀体制だったので、それぞれを割り出ししてみようと思います。

スペックのおさらいです。

ホワイトアイ 本土ヒラタ  

産地:岡山県産

累代:CBF4(WW)

種親:CBF3(WW)54mm♂  、   CBF3♀ 36mm(WW)       

羽化日:

♂約64mm 2023.3月羽化

♀約39mm 2023.2月羽化(右顎先に欠け有り)

♀約39mm 2023.2月羽化( 右の中後付節欠損 有り)

まずは、Aラインから開けてみましょう。

5月16日に♀を投入し、6月30日に取り出して、今日7月8日。タイミング的には初齢幼虫か卵が出てくるでしょう。

雰囲気はいい感じ。

まずはマットから見ていきます。

ほうほう。いないね。まあ、材に産んでいるんでしょうな〜。

材です。埋め戻しがありますね〜。

いい感じでかじってるよ〜。ここから割っていきますか!

ほうほう。ここもいい感じだよ。

ウム。これは空砲ですね〜。。。

全部空砲でした笑

まあ、何かの間違いってこともあるので材の破片やマットは保管します。

よし!まだBがある!!行くぞ!!!

こちらは5月16日から5月28日まで同居し、6月4日にセットin。今日、7月8日の約1ヶ月で割り出しです。

いい感じ。♀ちゃんも元気元気!まだまだ行ける!

ふむふむ。マットにはいないね。

よしよし。ちゃんとかじってるよ。

良いかじりっぷりだ!期待しちゃうぞ!!

そして空砲。

・・・・・・・・・・。

これはまずいだろ・・・・。

ここからは、皆さんの想像通り0でした。

ということで、Aから先にもう一度同居してもらいます。

ちなみにこちらは、本当にペアリングが出来ているかどうか、導入したGOproによる撮影です。

※無事にペアリングは完了していましたね!

ヒラタやオオクワの場合、一冬越したほうが産みが良い。といいますがこの子達は越冬個体です。羽化後1年を経過してのペアリングなので、十分温まっているはず。

ギラファ、スジブト、ヒラタ、と白眼王国を作る準備をしているので、2回目、3回目と根気よく続けていきたいですね(^o^)

続報をお楽しみに!!!

□□□□ 今回使った用品はこちら □□□□□□□□

マットはフォーテック、産卵一番

ケースはクリアスライダー小コバエ抑制ケース小

材はコナラ産卵木

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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