レギウスオオツヤクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『レギウスオオツヤクワガタとは』
アフリカに生息する、タランドゥスオオツヤクワガタとの近似種。
カメルーン、ギニア、ガボン、コンゴに分布。独立種や亜種とする文献やサイトが存在していますがタランドゥスの地域差という見解がされています。
なおタランドゥスの方は基準産地がアフリカ西部・シオラレオネとされていますが日本ではコンゴ共和国のものが一般的に流通しています。おそらく輸入の問題でしょうね。
ストレートに伸びたアゴと、クワガタトップクラスに艶のあるボディーが最大の特徴のクワガタです。人気はタランドゥスに叶いませんが、WW(白眼の個体)や、赤いボディに特化した種が血統として出回っており、高値になっています。
サイズはビークワレコードで2019年に96.4mmというサイズが出いています。アゴが湾曲しているタランドゥスに比べ、アゴがストーレートのために純粋な大きさではレギウスに軍配が上ります。
ちなみに、タランドゥスのレコードは2022年に94.5mmが出ています。
両方とも、一般的に出回っているサイズが70~80mmが多いので、レコードサイズが驚異的だということはご理解いただけると思います。
また、タランドゥス同様、成熟すると顔を上げた時に一定のリズムで携帯電話のバイブレーション機能のような振動を発します。これは他の種にあまり見られない独特の特徴ですね。
♀はタランドゥスもレギウスも同じと言って良いと思います。私にはまるで違いがわかりません。同様に、卵の色は緑色です。是非、ブリードにチャレンジして、リアルに緑色の卵を見てください!感動しますよ!
なお、成虫を購入する際は、信用できるところから購入しましょう。なぜなら、タランドゥスの大型化にあたり、レギウスとの交雑(元は同じ種とされてはいました)によりアゴが伸びている。という話も出ておりますので。
和名:レギウスオオツヤクワガタ
学名:Mesotopus regius
和名にツヤクワガタと付いていますがツヤクワガタ属ではないのです。
レギウス、タランドゥスのみでオオツヤクワガタ属(Mesotopus)として存在しています。
こちらはレギウスのペア。♂のアゴがストレートに近いのに対し、
タランドゥスは強い湾曲となります。
六脚堂飼育個体。いわゆる赤レギウス血統なのですが、通常のライト下で撮影するとやや赤みがある程度です。
屋外で撮影をすると、より明さが際立ちますので、飼育満足度は高くなります。
タランドゥスを見慣れているとこのアゴのストーレートがまた所有感をくすぐるのです。
バックショットになると、まるでタランドゥス!
レギウスを生で見たことが無い方は、初めてみると衝撃の艶感です。まるで漆塗り。
ツーショット。最高に可愛い。
♀の頭が丸くて本当にかわいい。
アゴも、上に反り返っているのがとてもかわいらしいと思いませんか??
♀の写真が自ずと増えちゃいますね。
ここからはレギウスオオツヤクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□
寿命:
約1年~1年半くらいと丈夫な種類です。
飼育の適温:
22〜25℃程度
冬を越しますが冬眠はしませんので温度管理された部屋で飼育してあげましょう。
成虫育成メモ:
極端に温度変化に弱い種ではありませんので、人間が快適に過ごせる温度でしたら基本的に問題ありません。
羽化してから2~3ヶ月ほどでエサを食べ始めます。
前述したとおり、後食を始めたあとから頭を上下させながらバイブレーションを起こします。警戒心からくる威嚇行動と言われております。
こちらがバイブレーションの様子です。(タランドゥスオオツヤクワガタ)
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態で
あることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
成熟:
後食が始まってから2〜3ヶ月と言われています。(羽化から半年程度とも)
ブリーダーさんによっては後食してから2週間でペアリングをするという方もいらっしゃいます。
ここは本当に意見が別れる部分でして。後食したらすぐにペアリングしないと時間がもったいない!とおっしゃるブリーダーさんもいれば、寿命が長いので、6ヶ月おかないと産みが悪くなる。など相反する意見が有ります。
おそらく、そのくらい♀のポテンシャルが影響している種なのではないかと思います。
六脚堂では、割とゆっくり。しっかりと時間が経ってからスタートしていますが、爆産した!という結果は出ていませんので、皆さんのご判断におまかせします。
(飼育記事をご参照ください)
産卵方法:
2015年位まで、タランドゥスは難関種と呼ばれており、産卵方法が確率されておりませんでした。近年、カワラ材やレイシ材で産むとわかり、ブリーダーさんが増えたことで様々な産卵方法が適用されています。よっていくつか種類があります。
トレンド順でいくと、
1)レイシ材を使用する(レイシ棒という商品も現在は販売されています。)
2)カワラ材を使用する
4)カワラ菌床ブロックを使用する
※3・4は菌糸の勢いが落ち着いた2ヶ月程度保管したものを使用しているようです。菌糸の勢いが強いと、卵や初齢幼虫が菌糸に巻かれてしまうからです。
産卵管理適温:
24〜25℃
産卵数の目安:
手法によりますが5〜20個
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
カワラ菌糸でしか成長しません。
(初齢幼虫など菌糸に入れる前は材の食痕部分や完熟系のマットを使用します)
よって、カワラ菌糸ビンを用意するか、カワラ菌床ブロックを用意し、自身で詰める必要があります。
1100CC程度なら交換途中2~3回程度でしょうか。
※ただし菌糸の劣化やブリード状況にもよります。大型を狙うなら2300CCボトルなどを
使う方もいらっしゃいます。
【設定温度】
23~25℃前後
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂:約7~12か月程度でしょうか。 ♀:約7~10か月程度でしょうか。
割と早く浮かしてくるイメージです。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
レギウスオオツヤクワガタの飼育における基本をお伝えしましたが、専門に近い形で飼育しているブリーダーさんは、産卵から羽化までの管理スケジュールのセオリーを持っていらっしゃいます。
しかし、その地域、ブリード環境、環境にあった菌糸のチョイスなど、同じことをしても大型個体が出るとは限りません。
様々なチャレンジを行って、自分のブリード環境にあう飼育方法を探すのも楽しみの1つと言えますので、頑張ってください!
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