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ウンナンヒラタクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ウンナンヒラタクワガタとは』

中国の西部、貴州、湖南、廣西と限定的に生息する特異な亜種。一時期は希少だったため高額で販売されておりましたが、多産でもあるため近年は価格も落ち着いてきました。

大顎の最大内歯は中央付近に出る特徴がありますが、内歯上がりのタイプも存在しているので個体差はあるようです。

2022年 BE-KUWA飼育レコードは88mm。

ボディは太めで大顎は長めなのでFANも多いのがウンナンヒラタ。

同じアジア圏でも、国内ヒラタの内歯下がりに比べると見た目ですぐに判断がつきます。

スマトラのペレン産やベンクール産の内歯が中間よりのものにも近い気がしますが、スラッと伸びるアゴは多種とは一味違うものを感じます。

産地の雷公山はこちら。

中国にはまだまだ未開の地があるので、新種が出るのが楽しみですよね〜。

(その前に都市開発されちゃうのかな。。)

飼育に関しては、一般的なヒラタの飼育で構いません。

日本名:ウンナンヒラタクワガタ 

学名:Dorcus titanus typhoniformis

この子は、中間に内歯のある特徴がよく出た子ですね。

スマトラなど太いアゴのものばかり見ていると。、ここまでスッキリと伸びるアゴにも魅了されてしまいます。

ツシマヒラタに比べると、ボディは太くしっかりした印象です。

このページではウンナンヒラタクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□

寿命:

2〜3年程度

飼育温度:

20~25℃前後

後食まで:

1〜3ヶ月程度です。サイズや個体差があるようですね。

後食とは

成熟期間:

後食後 2~3ヵ月程度(羽化してから交尾できるまでの時間)

急ぐと産卵数が少なかったり、無精卵だったりするようです。一度越冬させるほうが産卵成功率が高いとおっしゃる方もおります。

成虫飼育メモ

他のヒラタクワガタと同様の方法で飼育できますが、

♂はやや攻撃的なので、♂と♀は別々のケースで飼育することが望ましいです。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

産卵

ヒラタ種なので基本マット産みですが、産卵材にも産みます。また産卵木を入れると足場になりやすいので

埋め込みセットで行けます。

材は柔らかめで芯の無いものがおすすめです。

産卵マット

完熟系のマットが良いです。

【産卵セット】

マットのみでもOKです。完熟系で。

材を入れるなら、クヌギ、コナラ。材を入れる場合は柔らかめが理想です。

水分量は材の加水時間、使用するケースにもよりますが少なめで良いです。

底面のマットは固く詰め、材はすべて埋めてください。

【ケースサイズ】

Mサイズ程度。

中サイズの材を2本の場合は、クリアスライダー(大)コバエシャッター(小)

などを使用しましょう。

【水分量】

手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度。

【マットの詰め方】

ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。

【設定温度】

25〜27℃前後

【ケース】

材の大きさに合わせて選びましょう。

<マットのみで産卵を行った場合>

【お勧めのマット】

ヒラタクワガタは根食い系ですので熟度の高い、微粒子のマットがおすすめです。

【お勧めの容器】

クリアスライダー(ラージ)コバエシャッター(中)など。

【水分量】

手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度

【マットの詰め方】

ケース底面7割程度固く詰めて上部はフンワリと。

【設定温度】

25℃前後

<材も使用して産卵セットを組んだ場合>

【お勧めのマット】

ヒラタクワガタは根食い系ですので熟度の高い、微粒子のマットがおすすめです。

【お勧めの容器】

クリアスライダー(ラージ)コバエシャッター(小)など。

【水分量】

手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度

【セット方法】

ケース底面3センチ程度を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰めます。 上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。 少し材の頭が出るようにセット!

《産卵セットの作り方》

ペアリング方法

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。

3)♂、♀を投入し3日〜7日間ほど一緒にしておきます。

※ほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。

※ ヒラタクワガタは興奮して♀を攻撃することもあるので、♂のアゴを縛って

 同居させることをおすすめします!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

この動画は、本土ヒラタクワガタの同居ペアリングの様子です。

100均のケースの底に、これも100均の鉢底ネットをガムテープで止めただけのものです。

♀の隠れ家として、樹皮を1枚入れています。

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

クワガタ用発酵マットでOKです。菌糸ビンでも飼育は可能です。

マットはヒラタクワガタ用のものも市販されています。

【えさ交換回数】

♂は800〜1400CCのボトル交換で途中1回程度。

♀は800~1000CCで1回程度。

※温度や菌糸の劣化具合、食い進みにより変化はあります。

大型を狙うなら、管理温度を20℃に設定し、1400ボトルよりも大きな1800ccなどに投入することも有効な場合が有ります。(大型を狙う要素はボトルのおおきさだけではないですが。。)

【設定温度】

25℃前後です。

【孵化から羽化までにかかる時間】

マット飼育の場合: ♂:1令投入して合計10~14ヶ月程度 ♀:1令投入して合計8~10ヶ月程度

菌糸飼育の場合は、1~2ヶ月程度早く羽化します。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

約1ヶ月半~2ヶ月経つと、ケース底や側面に幼虫が見えて来ます。(内側にいることもありますが。)もし卵も幼虫も見えない場合、ペアリングがうまくいってないことも有ります。

そんなときは♀を一旦取り出し、♂と再度ペアリングにチャレンジしたほうが良いかもしれません。

ヒラタクワガタはとても魅力的は種です。

スマートな美しさ。飼育も容易。入門種としても最適です!

皆様も是非機会が御座いましたら一度飼育チャレンジしてみて下さいませ。(^^)

この記事は2024年5月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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