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プラティオドンネブトクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『プラティオドンネブトクワガタとは』

パプアニューギニアに分布している、ネブトクワガタ属の代表種です。

内歯が大きく☆のような形状をしているのがかっこよく、ファンの多いネブトクワガタです。

オノツキネブトクワガタとも言われています。

ネブトクワガタの中でも大型の種で、ギネスサイズは、野外で49.6mm。飼育で57.3mm

ちなみにクーランネブトクワガタが最大種。野外でなんと73mm!飼育では60.9mmとなっています。

小ささも魅力ですが、大きく育ててアゴの☆マークをみたいものですね!

六脚堂羽化個体

40mmを超えると内歯に立派な☆マークが現れます。

裏返すとオレンジのヒゲが広範囲にわたっているのがわかります。

50mm超えを作ってみたいですね。10mmの違いでも相当迫力が変わってくるはずです。

少しでも刺激を与えると、手足を縮こませちゃいます。いわゆる《死んだふり》です。

死んだふりのときの足が身体にフィットしているところが最高ですね。

ここからはプラティオドンネブトクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命:

 成虫の平均寿命は、6〜8ヶ月ほど。常温飼育で1年を超えるとも言われます。

※ペアリングの回数によっては短くなります。

飼育の適温:

25℃程度

成虫育成メモ:

プラティオドンネブトクワガタは外国産なので越冬はしません。

繭玉(サナギから羽化までは繭玉の中にいます)から出てきた頃には、すでに成熟してると言われますが、餌の食べ方を見て判断しましょう!

産卵数は多い方で、一度に50頭出てくることも!飼育できる量だけ産ませるようにしましょう。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

【産卵セット】

マット産みなので材を入れる必要はありません。完熟系のマットを使います。

しかし材が入っていると材にも産むようです。

水分量は多めにしますが、握って染み出ない程度に。マットの下8割まで手で押さえつけて固める程度。あとはふんわりとマットをひいてください。

マットは、添加の少ない熟度の深いマットを使いましょう。

六脚堂では、他の幼虫を飼育したあとの糞混じりのマットを加えてセットを組むこともあります。これで小ケースで10頭以上幼虫が採れています。

【ケース】

小ケースでOK。というか充分です。

多産な種なので大きケースを使用すると予想を超える数を産んで

飼育に困るので注意です!!飼育できる分だけに留めることをおすすめします。

《飼育ケースサイズ表》

産卵管理適温

25℃前後

転倒防止に、ハスクチップがちょうど良いのですが、私はマットを再利用したいときに混ざるのが嫌なので、キッチンスポンジを切って置いています。

小型種の場合はマットも汚れないし重宝します。

産卵セットのリンク

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の育てかた □□□

【お勧めのエサ】

完熟系のマット

菌糸でも育ちますがマットと大きさにさほど変わりは無いようです。

【えさ交換回数】

500ccのボトル程度で途中1〜2回。

♀なら300ccのカップでも充分です。

※温度やマットの劣化具合、食い進みにより変化はあります。

【設定温度】

20~25℃前後

【孵化から羽化までにかかる時間】

6ヶ月程度

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年5月の記事です。

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2023-02-25

プラティオドンネブトクワガタの産卵セット〜

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

知人からのいただきものとして1ペアをもらいました。見た通り羽パカなのですが、ペアリングに支障はないでしょうということ。さらに、産卵セットも中古のマットでいい、むしろ中古の汚れているもののほうが良い(本当に??)と聞いて興味が湧いちゃいました。

早速やっていきましょう。

【産地】東インドネシア・モルッカ諸島 モロタイ島

    原名亜種

【累代】CBF1

【サイズ】♂フリー  ♀フリー

【羽化日】2022年12月 羽化

【2月25日】

羽化後、まる2ヶ月経っていたので、充分成熟していると考え50CCのプリンカップに7日間ほど同居させました。

※ケースにそのまま入れても勝手に産みますよ。と聞いておりましたが、何ヶ月後日に開けて1匹もいない。という事になるのが嫌だったので今回は確実性を選択。

【3月3日】

7日間経ちました。

そろそろ始めようということで、

ケースは1500ボトルあたりがちょうど良いと聞きましたので、100均の2Kg お米ケース

調達。これに穴を空け、タイペストシールでコバエ防止。

こちらがお米ケース。100円です。穴を開けるのが大変でした。

穴は、ラジコンのボディの穴あけ工具を利用。シールも100均の包帯シール。

通気があるので問題なしです。

サイドにも穴あけ。

マットは、新品の完熟マット半分。これに使用済みで保管していた川田商会さんのマットを混ぜて作りました。

水分量の感覚は、、強く握って、、、

かっちり塊が残るくらい。少し多めです。

手に少し湿り気とマットがそこそこ、つくくらいです。

下の方は軽く固める程度で。

いつものようにカチカチにはしていません。

転倒防止にはスポンジを使用しました。

ここへ♂♀一緒に投入。同居させていましたが、小さいケースもないので。。。笑

1回に50個は産むとのことなのでたくさん欲しいと思います!!

次回、割り出しです!!

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2023-05-19

プラティオドンネブトの割り出し〜羽化まで(その1)

我慢できずに割り出ししちゃいました。

【5月19日】

最初にゼリーを入れてから2ヶ月の放置だったので。。。ふたりとも☆になっていました。

後、、ごめんよ。。

しかし気を取り直して、結果発表!!!

初〜2令が24頭

正直、抱えられない数が採れたらどうしようかとビビっていましたが丁度よい数です。

管理用のマットが不足していたので、8頭を産卵に使用した100均ケースへ。

200CCカップに13頭。実験でカワラ菌糸カップに2頭を。

※菌糸は食べないらしいですが実験で投入。

♂はとにかく大きくしたい!!!内歯の☆型を見たい!!

【9月26日】

5月の割り出し時に、全てきのこマットで管理を始めていたのですが、月夜野さんの飼育ブログを参考に覗いてみると、きのこマットは合わないとの記述。。。完熟がいいよと。。。

いうことで、seriaの1000CCボトルへ入れ替えを行っておりました。

♂の1頭はデカ目の幼虫になっている!いいね!

入れ替えてよかった〜。

しかし3本は溶けていました。水分過多?それとも調整?

1頭はメスがサナギになっています。

プリンカップに入れていた子もSeriaの1000ボトルに6本管理していました。

入れ替えしていたボトル。外から幼虫の姿は見えていません。。。

蓋を開けてみると、この時点で少し嫌な予感がしました。

水分過多で、ガチガチの状態でした。どうしよう。。

真ん中あたりで幼虫を発見!!!!

よかった~~~~

この子が最大で12gありました。

体も透き通るようにきれいな子です。

5月に初齢割り出しだったので、羽化まであと3~4ヶ月というところでしょうか。

通常なら8ヶ月くらいで羽化ですが、20〜21℃と低めにしてあるので1年くらいかけても

いいかも知れませんね。

原名亜種のギネスは53.7mmで、幼虫の最終体重は19gだったらしいので、あと7g。乗り切るでしょうか!!

なお、ボトルの子は3頭が溶けて☆でした。

理由として

・加水しすぎた(粘土状になってしまっていました)

・硬詰めしすぎた

のだと思います。

もう少しバリエーションを作ればよかったのかも。

次は、1.9リットルタッパに多頭飼育の分です。結構きのこ?が出てますね。

若干のカビっぽさも。

なんかいい感じで保湿されているのでいい感じかも知れません。

ホリホリしてみると、すぐに♀の羽化個体が出てきました!はや!!4ヶ月。。

この子達は繭玉を作るタイプなのですが、4ヶ月で羽化はないと思いザクザクスプーンを入れてしまって、繭玉を破壊していましたね。あぶねー。

4頭入れておりましたが、どうでしょう。すべて無事です。

ボトルと違い、空気穴が大きかった分粘土質にならずに済んだのでしょうか。

そしてこの成長過程の縮図!!!

幼虫→前蛹→サナギ→羽化個体。

これは図らずともいい写真になったぞ笑なお、幼虫は♂。ほかはすべて♀ちゃんですね。

さて問題は、繭玉に入っている個体です。完全な前蛹であればすぐ人工蛹室へ入れますが、確認しましょう。

前蛹チェックとして、

1)アゴは機能していないか → パクパク機能していますね。

2)足は外れているか → ワシャワシャ動いていますね。。。

これは、完全なる前蛹の手前の状態。。。

このままマットに戻すと、再度蛹室作りに入るので幼虫サイズが縮んでしまうのです。

どうしよう。

ダメ元で、壊した部分を再度接続し、マットに埋め戻してみます。

さて。どうなるでしょうか。

♂幼虫は10gでした。これだと50mmは届かいなかなと思います。

では、その2へ続きます。

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2023-09-26

プラティオドンネブトの割り出し〜羽化まで(その2)

前回の続き

【9月26日】

割り出しから4ヶ月で♀が羽化していたり、1.9リットルのケースで、

幼虫→前蛹→サナギ→羽化個体

と生命の縮図が見えたところからの続きになります。

こちらは5頭入れてあったタッパーその2です。開封していきましょう。

まるで新開発されたケーキのような見た目!!!

カリカリクリームチーズブラウニー。的な。

こちらは幼虫が1頭☆でした。ほか、♂幼虫が2頭。♀2頭が羽化していましたよ。

プラティオドンは結構羽化ずれるんだな。という印象です。この子達で累代できるんかな。。

ちょっと不安になってきた。。

(1年超えて元気であるというブログも読んだので、ワンチャン有るかな)

フィリピンネブトは、♂と♀のサイズに差が大きくないので同時期羽化だったので勝手に同時期に羽化するイメージでした。

ではもう一つの多頭ケースを開けてみましょうか。勢いがついてきた!

こっちは白カビ(きのこ?)が少ない。同じマットで同じカゴの中で管理しているのにこの違い。やはり空気の循環など、内側にあるか外側に有るのかで、マットの環境にも大きく差が出るんでしょうね。

こちらは羽化不全で♀ちゃん1頭が☆でした。♂2幼虫に、繭玉2つ。

繭玉を軽く振ってみるとコロコロとした感触が感じられます。これはサナギのコロコロです。

ちなみに、成虫だと中で踏ん張るのでコロコロのあと音がなくなります。前蛹だと、フニャン感を感じます。

参考までに覚えておいてください。実際の感触は、動画でも写真でも伝えるのは難しい。やはり自分の手で感じてみてください。

パッカーン!♀ちゃんのサナギが2頭です。

もう一つのタッパーは少し慎重に削っていきました。これをやりたかったのです。

1頭は羽化不全でした。

その下の繭玉タワー。おそらく3つくらい固まっております。これはこの状態で

蓋をして保存し、自力ハッチを待って見たいと思います。

羽化個体4頭。

今は9月末なので、♂が出てくるであろう12月まで3ヶ月の空きですか。

ペアリングは難しいかな〜。

6本有る♂のボトルを(9g、10g)小さい幼虫2本くらい、産卵セット温度帯にまわして、スピード上げてみます。

今の繭玉ケースは20℃のところに置いて、調整してみたいと思います。

〜今回の途中経過〜

♂幼虫ボトル 6頭

♀サナギ 4頭、前蛹1、繭玉3、羽化4

♂6:♀12

(24頭→18頭(75%))

トリオ6ペアはまあまあいい感じでしょうかね。ちなみに菌糸カップの子は☆になりました。。自詰めカワラカップなのでうまく行かなかったのかも。

ご参考までに。

♂の羽化、50mmアップなるか!!!

お楽しみに!!!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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