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ジュクンドゥス(ユクンドゥス)ヒメヒラタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ジュクンドゥス(ユクンドゥス)ヒメヒラタとは』

フィリピン(ルソン島・ミンダナオ島)原産のおよそ20mm程度のとても小さなクワガタで、ヒメヒラタクワガタにとてもよく似ていますが、♂の体の表面の点刻は小さく、鈍い光沢があります。

また複眼は後方のごく一部を除いて三角形状に張り出した眼縁突起に覆われ、頭楯はなだらかな丸い山状となっています。

大あごは左右対称でやや細長く、先端で大きく上下に二又に分かれて、中央よりやや前方に三角形状の小さい内歯があるのが特徴です。なおあご先の割れ方は、ニジイロクワガタのミニマム版の様です。

ちなみに「ユクンドゥス」と発音するのが正式っぽいです。

同じスペルの「ユダイクスミヤマ(Lucanus cervus judaicus)」が「ジュダイクス」と表記されないように「ユクンドゥス」が良い気がしますね。

希少種と言われるだけあって、とにかく飼育情報が少ないので、六脚堂飼育ブログで保管していければと思います!

和名:ジュクンドゥスヒメヒラタ

学名:Dorcus jucundus

赤いボディと2cmに満たないサイズがとてもキュート。

20mm程度の大きさに、落ち着いた性格とスローな動きが最大の癒やしに。ずっとそばで見ていたくなります。

アゴ先のフタマタ形状のやる気と、大きな可愛い目がアンバランスで虜になります。見た瞬間すぐに累代決定しました。

特筆ずべきところが無い?♀ちゃん。指が太い私はピンセット無しでは動かせません。

♂よりも体の点刻が目立ちます。

ここからは、ここからはジュクンドゥスヒメヒラタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命:

成虫の平均寿命は1〜2年。

飼育温度:

22℃前後(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)

成虫育成メモ:

後食までおよそ1〜2ヶ月です。成熟までは後食のあともう1ヶ月くらいおいたほうが良さそうです。羽化後3〜4ヶ月が目安ですね。

寿命が長いので、焦らずのほうが良いのかと思います。とにかくスペースを取らないので「心の癒やし」に最適です。焦らず飼育できますし!結構可愛いのでおすすめです。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態で

あることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

ペアリング方法

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。

3)♂、♀を投入し3日〜7日間ほど一緒にしておきます。 

※これでほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。

※この子達は小型種なので、プリンカップなどで同居させると良いですね。

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

この動画は、本土ヒラタクワガタの同居ペアリングの様子です。

100均のケースの底に、これも100均の鉢底ネットをガムテープで止めただけのものです。

♀の隠れ家として、樹皮を1枚入れています。

《産卵セット》

産卵方法はオオクワ、ヒラタ系と同じで問題なしです。

完熟系のマットに材でOK。あまり固い材じゃないほうが良さそうです。

水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。

(水が染み出るようでは多すぎです!)

100%♀殺しは無いので、同居で大丈夫です。

産卵セットの作り方

産卵管理適温

23〜25℃

【使用ケース】

ケースは小ケースで良いでしょう。

《ケースサイズ表》

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

無添加マットで問題ありません。

【えさ交換回数】

♂♀ともに200CCカップで充分です。状況にもよりますが1回程度。

【設定温度】

20〜26℃と守備範囲は広い方ですので、それほどシビアではありません。

【孵化から羽化までにかかる時間】23℃で通年管理の場合は5~7ヶ月程度でしょうか。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年4月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-10-01

ジュクンドゥスヒメヒラタを始めてみます。

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

「希少種」というワードだけで欲しくなってしまう私。

新成虫を購入しておりましたが、長生きだしすぐにやらなくてもいいだろうな〜。そばにおいておくのも良い癒やしだし。(産卵セットに入れるなら♂♀両方だから)なんて思いながら気がつくと10月。後食も開始していたので早速始めていこうと思います。

産地:フィリピン ルソン島

累代:CBF1 1♂2♀

羽化日 :23年6月5日割り出し

     23年7月20日より♂♀が後食開始。

【23年10月1日】

♀殺しは無いので、クワBOXで同居開始です。。1♂2♀を一緒に入れました。

残念ながらペアリングを目視は出来ていません。

【23年11月13日】

1ヶ月経ちましたが、未だペアリングを目視できず。まあ100%、2♀にかかっているでしょう。ということで産卵セットを組みました。

・ケースはクリアスライダー小

・材は通常のコナラ材を熱湯処理20分。8時間日陰干しを行いました。(寒いので少し長めで)

・マットは産卵一番

・管理温度は25℃帯で行こうと思います。

転倒防止は剥がした樹皮をそのまま利用。

樹皮がない場合は、樹皮だけの商品があります!使えます。三晃商会 樹皮マット マルチ

【23年11月14日】

1日、ブリードルーム馴染ませたのでいよいよセットへ投入です!

♀の様子を見て、元気な子(左)は単独でケースin。右の子は♂と一緒にケースin。

さあ。どんな結果になるでしょうか。

いろいろゼリーは試して来ましたが、結局のところプロゼリーが一番でしたね。

老眼には採卵不可能だと思われる(笑)

ので、1ヶ月経ったら♀を救出し、取り出して2ヶ月くらい放置しようと思います!

うまいこと救出が出来たらもう1セットくらい組めるのが理想ですね。

では続報をお待ち下さい!

□□□□□ 今回使った用品はこちら □□□□□□□□

ケースはクリアスライダー小

材は通常のコナラ材

マットは産卵一番

転倒防止に樹皮。三晃商会 樹皮マット マルチ

結局のところプロゼリー

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2023-12-31

ジュクンドゥスヒメヒラタの幼虫は??

「希少種」と言われるジュクンドゥスヒメヒラタ。その後の産卵セットの様子を覗いてみましょうか。

【23年12月31日】

大晦日です、除夜のかねを聞きながら幼虫のチェックです笑

改めて確認ですが、産卵セットはこんな感じで組んでいました。

・ケースはクリアスライダー小

・材は通常のコナラ材を熱湯処理20分。8時間日陰干しを行いました。(寒いので少し長めで)

・マットは産卵一番

・管理温度は25℃帯。

セットAには幼虫を発見!!

セットBからは見えませんね〜。微妙かな〜。まあ、AかBで出てきてくれればそれでOKです!!

【24年3月1日】

そろそろ老眼でも見えるくらいになったかな?笑

こんなに小さい子が、材をここまでボロボロに。。

これは神々しい!!

脱皮したては本当に美しいですね〜。

プリンカップには穴を開けましょう。これは六脚堂自慢の穴あけ機です笑

結構出てきたので、2頭いれるカップも。

結果としては

「産卵セットA」はマットに12、材に18

「産卵セットB」マットに4、材に6

A♀が優秀でしたね〜。

Bに関しては、幼虫の数が少ないのですが♂が生存していたのです。とても元気に。

これは食べてしまっていたのでは。。

滑り出しは順調!

♀は☆になっていますので、この♂はゆっくりと余生を過ごしていただき、子どもたちの成長を見守ってもらいましょう!

では、以後の成長期をお楽しみに!!

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2024-04-25

ジュクンドゥスのマット交換です。

「希少種」と言われるジュクンドゥスヒメヒラタ。まだ希少種なのかな?やっている人が少ないだけのような気もしますが笑

その後の産卵セットの様子を覗いてみましょうか。

【24年4月25日】

あれよあれよという間にマット交換の時期が来てしまいました。ここのタイミングを逃すと大きく育ちません。とはいえジュクンドゥスは2~30mm程度なのでそんなに影響はありませんが。

ということで今回は250CCのカップにサイズアップです。

無事にすくすくと育ってくれています。

カップを作りましょう。結構な両を作らなきゃならない・・・。

ギチギチに詰めずに押しつぶす程度で。

どんどん入れていきましょう。

小さいけど、♂♀の判定はし易い種ですね。おしりの裏側にオレンジの卵巣が左右に見えたら♀です。

私はコバエが入るのが嫌なので針で8箇所ほど穴を開けます。

マットはTENRYUアルプスマットとRUSH レギュラーマット、川口商会特選マットに分けてやってみます。どんな結果になるでしょうか。

割り出し時にいれた2頭ずつの120カップから、250カップ単頭へ引っ越し。

(♀の一部120カップへ)

♂18頭、♀21頭。残念ながら☆担った幼虫が2頭。ただ生存率は高いほうかも知れませんね。

バランスはとても良いので安心しました。管理温度は22℃帯へ置いておきます。

【24年7月4日】

更に3ヶ月が経ちました。ちょっと幼虫たちを確認してみましょう。

1頭目です。

元気に、、蛹室作ってますね!

2頭目。

これ、蛹ですね。やった!完品羽化して!!

3頭目。

これはまだ幼虫。マット交換はいらないかな?

4頭目。

これは完全に蛹。黄色っぽくなっているので7月中に羽化かも知れません。

5頭目。

これも蛹。

羽化までは5〜7ヶ月なのでサイクルが早いのも良いですね(^o^)

息抜きで飼育するにはとてもいい個体です!産卵セットが11〜12月なので、予想通りです。

生まれてくるのが超楽しみ!!

次は羽化報告になります!3種のマットで管理したのでそれぞれがどんな結果になるかが楽しみです!

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2024-08-03

ジュクンドゥスヒメヒラタの羽化、1便目!

「希少種」ジュクンドゥスヒメヒラタ!

希少種なのにそこそこ産んでくれた子たちが、羽化し始めてきたので紹介します〜。

【24年8月3日】

今回の産卵セットのおさらいですが、

・ケースはクリアスライダー小で2セット用意。

・材は通常のコナラ材を熱湯処理20分。8時間日陰干しを行いました。(寒いので少し長めで)

・マットは産卵一番

・管理温度は25℃帯。

23年11月14日にセットinして24年3月1日に割出し。

結果としてはこんな感じでした。

「産卵セットA」はマットに12、材に18

「産卵セットB」マットに4、材に6

24年4月に120プリカから240プリカに引っ越し。

途中のマット交換は1回。

24年4月に120プリカから240プリカに引っ越し。

という状態でした。今回、羽化している子達がちらほら見え始めてきましたので、1便の羽化掘り出しです。早速行ってみましょう。

まずはこの子。ラベルにある「R」の文字は、RUSHレギュラーマットのR。添加の強いマットでも行けるかどうかを試して見ました。

1頭目。♂ちゃん。小さすぎて、サイズは計っていません。やっぱ目がキュルンとした種は本当に可愛い。大好き。

ただ指が太いので愛でることが難しいのです。

2頭目。♀ちゃん。この子は羽化したてですね。まだ赤みが残ります。

とはいえ、1頭目の黒い子も光が当たると褐色になります。

3頭目。♀ちゃん。この子はヤフオクで販売されている格安マット。TENRYUアルプスマットでの管理。ちゃんと完品羽化してくれています。

4頭目。♀ちゃん。

バランス良く出てくるところが親孝行で良いです。

赤くて可愛い。

5頭目。♂ちゃん。

レギュラーマットとアルプスマットでの違いは基本先に見られませんね。一応全部羽化してきたらサイズ計ったほうがいいのかな。このサイズ感だと0.5アベレージが違えば大きいのかも知れない。。

と、ここで黒神様。ナムナム。

6頭目、♂ちゃん。真っ赤っ赤でかわいいかわいい。

本当にかわゆす。もう累代決定ですわ。

7頭目、♂。

まだまだカップは残っているので、後半でペアの帳尻は合っていくでしょう。

ラストの8頭目!やば!

蛹だった!!!幸い蛹室は壊さなかったので、その部分をカップの縁につけまして。濡れティッシュで押さえつけて突貫工事は完成!!

こんな感じです。

プリカにティッシュ蛹室でもこのサイズの子(パプキンとかも)達は羽化するんでしょうけど、自然蛹室のバクテリアたちを残すほうが長生きしたりする(と思っている。エビデンスはありません。が、経験上)のでこの形で管理していきます。

あと30頭くらい出てきますので、以降面白いことがあれば続報します!!

ジュクンドゥスはまだまだ続きます!

□□□□□ 今回使った用品はこちら □□□□□□□□

産卵用ケースはクリアスライダー小で十分でした。

材は通常のコナラ材。柔めのものをチョイスしたほうが良いと思います。

マットは産卵一番。鉄板ですかね。

転倒防止に樹皮。三晃商会 樹皮マット マルチ 最近のお気に入り。

□□□□□□□□ AMAZONリンクです □□□□□□□

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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