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クワガタ

スチーブンスツヤクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『スチーブンスツヤクワガタとは』

スラウェシ島に生息するツヤクワガタの一種。

亜種は4つに分けれていて、原名亜種が最も大型になります。

スラウェシ島の北部から南部にかけて広く分布する普通種で北部は全身黒化した個体が多いのですが、中部から南部にかけては上翅の側縁沿いが黄褐色になる個体も出現します。

長歯型の大アゴには必ず先端近くに内歯が発生します。

『基亜種』

Odontolabis stevensi stevensi  スラウェシ北部~南部

 『南スラウェシ中部亜種』

Odontolabis stevensi mamaesaensis        南スラウェシ州中部

『南スラウェシ南部亜種』

Odontolabis stevensi yasusukei  南スラウェシ州南部 

『サンギール諸島亜種』

Odontolabis stevensi duivenbodei サンギール諸島(タフナ島)

ツヤクワガタの特徴として小型の個体が羽化することが多く、その際は極端に顎が短くなるのでブリードをするときは皆、低温飼育で大歯を目指します。

この子はスラウェシ島 パロロパル。短歯の73mm。

この子は同じ、スラウェシ島 パロロパルの74mm。

1mmの違いしか無いので上の写真のほうがカラダが大きく迫力もあります。アゴの大きさについても好みが分かれるようです。

写真はありませんが、サンギール亜種となると「ミイロ(3色)ツヤクワガタ」と呼ばれるほど

美しい黄褐色が混ざり込みます。

虫ナビ 様のサイトに写真があります。美しいので是非見てみてください。

寿命は半年から1年程度です。

サイズは♂: ♂40~85mm ♀:♀30~47mm

2024年のBE-KUWA飼育レコードは、84.4mm。サンギール亜種は86.0mm

野外では91.4なのでまだ伸びしろはありそうですね。

和名:スチーブンスツヤタクワガタ

学名:Odontolabis stevensi

♂ 74mm 個体提供:レスポール・カスタム様

ルマウィノコギリなどのように目の上にシワシワが入って、イカツさが出ています。

スチーブンスといえば、胸部の飛び出た部分のカクカクさが良いと思うのです。

外への張り出した形がなんとも言えませんよね。

この♀は上翅に薄っすらと褐色が出ていました。

このページではスチーブンスツヤクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は半年から8ヶ月です。

飼育温度:

20〜25℃前後。

成虫育成メモ:

小さくても、♂同士、♂♀ともに一緒のケースにいれるのは避けましょう。

高温多湿に弱い種なので、成虫、幼虫ともに低温が望ましいです。

羽化後1〜2ヶ月で後食を開始します。(大きさによりばらつきがありますが)

成熟はその後1ヶ月程度でしょう。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。

【産卵セット】

カブト系完熟マットや、微粒子マットを使います。

熟度の深いマットを好みます。(茶色よりも黒に近いマット)

※月夜野きのこ園さんの黒土マットで良い結果が出ているのをよく見ます。

加水:

ちょっと多いかな?というくらい。握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!

材の加水も多めが良い結果が出ています。

なお、マットは固めずにケースをトントンと地面に叩いて詰めるくらいで良い結果が出ているようです。

産卵セットの作り方 

《産卵温度》

23〜24℃程度。

【使用するケース】

コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など、材の大きさに合わせてケースを選択します。

レコード個体を出した記事を確認すると、発酵マットで管理し最終的に中ケースにいれ48.7gまで体重が乗っていたようです。

《ケースサイズ表》

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

ツヤクワガタは、♀のポテンシャルに依存するケースが大きいです。産む子は5〜80個の卵を産みますが、産まない子は全く産まない。という落差があります。

さらに、孵化率が高いので採卵したらその分だけ孵化してきますので、飼育できる分だけ取るようにしましょう!

□□□ 幼虫の飼育方法 □□□

【お勧めのエサ】

マットのみです。菌糸ビンでは育ちませんので注意。

そしてツヤクワガタはクセがあるので注意が必要です。

1)初令時は、産卵セットのマットを移行した方が良い

2)コバエなどが発生して産卵セットのマットをつ変えない場合は、カブト用の完熟マットや黒土など完全発酵がおすすめです。

3)大型や大歯を狙う場合は、2〜3令時にカブト用完熟マットをベースに、廃菌床ベースのマットや添加マットを少しづつ増やしていく。

4)マットの全交換は避けたほうが無難です。

ツヤクワガタ種はよく熟したマットを好む傾向があります。初令時は添加に弱いので、無添加の完熟マットを与えます。

2~3令になってから添加されたマットを少しずつ混ぜて行きます。できるだけ大歯を狙うにはこの方法がベストです。

サイズを気にしない場合、初めてで自身の無い場合は食性が合わずに☆になることもありますので、その場合はブレンドせずに無添加完熟マットで通しましょう。

そしてツヤクワガタ種は容器の中間付近に空洞を作って居食いします。交換タイミングを逃すとマットが容器の中で上下に分かれるような状態になり、そのまま☆になることも多いようです。

なので、六脚堂の場合は、ケースの半分古いマットを削ってマットを継ぎ足すイメージで行なっております。

【容器】

500CCから800ccへ移行。

♂はそこそこサイズが出ますので3令になったら1400以上のボトルを使用すると良いでしょう。

【えさ交換数】

交換は途中4〜6回程度。

上記にあるように、マット交換を失敗すると幼虫が全滅した。。というブログも有りました。

爆産もしますが、丁寧な交換が必要なのは間違いないです。

【設定温度】

20〜23℃程度。低温で引っ張る場合は羽化タイミングが遅くなります。

【孵化から羽化までにかかる時間】

♂、♀ともに12〜16ヶ月程度。低温で引っ張ると♂は2年近くかかります。

【注意】

幼虫は土繭を作ります。3〜4ヶ月で3令になり、そこから4〜5 ヶ月後に繭入りします。

繭入後2ヶ月位でサナギに。羽化まで2ヶ月。

※個体により時期のズレがかなりあります。あくまでイメージです。

繭入りすると餌を追加できませんのでその前の交換が大きくするための肝になります!

また、繭を壊すと蛹化時、羽化時に☆になりやすくなるのでご注意を!!

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2024年4月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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