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ミヤシタシロカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫の管理まで

KAZ.YOSHII

『ミヤシタシロカブトとは』

広く知られているグラントシロカブトを始め、シロカブトは5種と1亜種に分けられており、その1種となります。見た目の通り、小さなヘラクレスオオカブトといったフォルム。最大サイズは90mm を超える種です。

そのシロカブトたちはディナステス属(ヘラクレスオオカブト属)に属しており、確かに形は非常に近しいものです。

シロカブト

・グラントシロカブト

・ティティウスシロカブト

・ヒルスシロカブト(シロカブトの最大種)

・モロンシロカブト(ヒルスシロカブトの亜種)

・マヤシロカブト

・ミヤシタシロカブト

中でもミヤシタシロカブトは、2004年の2月に新種として認可された種で見た目はヒルスシロカブトに似ているものの、グラントシロカブトに近い種だそうです。

棲息はメキシコ南部プエブラ州テウアカンのみです。

※ここは若干論争がありますので深くは掘り下げません。というか知識不足で掘り下げられません。

和名:ミヤシタイシロカブト

学名:Dynastes miyashitai

六脚堂の、♂ 57mmのやや小さめ個体。

背中の翅は、湿度が高いと限りなく黒く、乾燥してくると薄茶色へ変色します。

シロカブトなのに、正直 白くはありません笑

まるでミニヘラクレス。

生息地はメキシコ・プエブラのみ。累代をしている方もあまり多い種ではありません。

サイズが小さいため、ヘラクレスのような頭角の鍵上の歯が出ていませんね。

個体サイズが大きくなると突起が増えていくようです。

ここからはミヤシタシロカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の育て方 □□□

寿命:

 成虫の平均寿命は6ヶ月程度(温度管理下で)

飼育温度:

23〜25℃前後(越冬はしませんので温度管理をしっかり!)

成虫育成メモ:

属性はヒルスシロカブトに近く、卵の孵化までの期間は一般的な1ヶ月程度。

2ヶ月程度で後食を開始し、成熟はさらに1ヶ月程度待ちましょう。

小さい個体でも割りと大食漢な方で、どんどんゼリーを食べてしまいます。

※ ゼリーの減り方を確認しましょう。成熟は 元気で活発あることが大前提です!

しかし、グラントシロカブトの特性に似ている。との文献もありますがグラントシロカブトの卵は、6ヶ月孵化しないのです。

(生息地がアメリカのアリゾナ州で、夏は40℃、冬は7度と寒暖の差が大きいことで、厳寒期を避けるためとも言われています。)

流通個体数があまり多くないため、WEB上での情報もそれほど多くは無いようですね。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。充分に成熟していればハンドペアリングしてみましょう。

同居ペアリングでも問題ないと思いますが、目視できたほうが安心です。

《産卵セット》

発酵の深いマットが良いです。(黒に近い色のマットです)

《産卵温度》

25℃前後が良いでしょう。

使用するケースは、中〜大ケース程度。

たくさん欲しい場合は、2週間ごとに採卵をおこない数セット組むのが望ましいと良いと思います。

《飼育ケースサイズ表》

《採卵》

そこそこの数を産んでくれるので、まずは卵での割り出しをおすすめします。(取れすぎ注意)

幼虫割り出しの場合は2ヶ月程度待ち、2令幼虫を取ることをおすすめします。

《ペアリング方法》

カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです。

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。

3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。

とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□  幼虫の育てかた □□□ 

【お勧めのエサ】

カブト系の発酵マット

【えさ交換回数】

1500~2000ボトルで5〜6回。

【設定温度】

20〜25℃程度。

♂、♀で羽化のタイミングがずれやすいので、それぞれの管理温度をずらすなど対策をしましょう。

【孵化から羽化までにかかる時間】

1年2ヶ月〜1年8ヶ月程度。♀の羽化が早いので羽化ズレが出やすいので注意です。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年6月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-04-10

ミヤシタシロカブト始まります。(ペアリングから採卵まで)

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

ここからは、六脚堂にいるミヤシタシロカブトの飼育記をお送りします。

ショップさんで見つけた小ぶりの成虫ペアです。

スペックは、

産地 : メキシコ プエブラ州 テウアカン

累代:CBF1

羽化日 ♂  2022年11月  58mm

    ♀  2022年11月  52mm

後食は2月頃。3月末には2頭がタイミングよく全開に食べ始めたので4月10日にハンドペアリングしました。♂も♀も、16gのゼリーを一日で平らげるレベルです。

※ハンドペアリングについてはここをクリック!

800ccプリンカップに、100均で購入した食器のすべらないマット(水分吸収するやつ)を丸くカットして地面に敷いたペアリングステージ。

♀を置き、上からゆっくりと♂の口を、♀の小楯板あたりに着地させると、10秒立たずに戦闘態勢へ。♂♀のタイミングがバッチリで非常にいい感じです。

【23年4月12日】

ペアリング後、♀ちゃんに2日間ゼリーをゆっくり食べてもらい、産卵セットへ投入。

ケースはDAISOの200円大きめタッパを使用しました。まずは産んでくれるか。有精卵かを知りたいので、ここは小さいケースでもOK。

マットは月夜野きのこ園さんの完熟マットをチョイス。転倒防止には、バークチップを使用しました。

あまり長く置かずに一度割り出しを行い、ちゃんと有精卵かどうかを見極め、産卵数に

よっては次のセット割り出しは幼虫で行おうかと考えています。

【23年4月30日】

7日間くらいを想定していましたが、2週間開けてしまいました。。。

割り出ししてみると、なんと1個!!! 少ねー!

2回目のセットは、今回使用した完熟マットをふるい掛けし、より微粒子にして挑むことに。

再度投入してみました。

【23年5月7日】

2回目のセットを割り出してみますと、3個です。

また少ねー!!

今度は更に環境を買えるために、黒土マットを混ぜて組んで再投入です!

【23年5月14日】

また1週間で採卵します。黒土効果か、15個の卵!

まだまだ♀は元気なのでさらに、黒土を更に足して本日in!!

【23年6月2日】

地上でゼリーを舐めていたので、♀ちゃんを産卵セットから救出します。

【23年6月9日】

4月30日の採卵分、1卵はまだ孵らず。。。2回目以降の卵は孵化しているので無精卵では無いので、この卵だけティッシュ管理しています。

おそらくマット管理のほうが良かったのだと思います。。。

採卵した卵は、

5月7日の 卵3個 100%の孵化率! 単頭飼育で200CCプリカへ。

5月14日の卵15個 10頭孵化しましたので単頭飼育。200CCプリカへ。

5個はまだ卵のままです。

続報をお待ち下さい。

□□□□ 今回使った用品はこちら □□□□□□□□

マットは月夜野きのこ園、 完熟マット 黒土マット

ケースは100均で調達

転倒防止に水苔

□□□□□ AMAZONリンクです □□□□□□□□

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2023-07-04

ミヤシタシロカブトの4回目の産卵セットを

【23年7月4日】

6月30日にペアの撮影をしました。撮影すると、ライトボックス内の温度がいい感じに上がります。ネプチューンやギアスゾウカブトなんかもこの流れでペアリングをしてきましたが、ちょうどいいので彼らにも促してみたところ、、、速攻始まりました。

このあと♀ちゃんのみゼリー補給ルームへ移動となります。

再度産卵セットを組む写真で、おさらいします。

今回は最初から黒土マット多めで行きます。完熟マット5に黒土マット5で混ぜます。

黒土マットを増やしたところで成績が良いので多用してみます。

握ってこのくらいだと

水分が少し少ないです。こればっかりは写真では伝わりにくいので、ある程度の経験が必要となりますが、

手袋に湿り気とマットがついているくらいがベストです。

なので更に水を足します。うちの場合は水道水を何日か置いてカルキを飛ばしています。(気持ちの上で。天然水を使う人もいます。)

水分大目とはいえ、ギュッと握ってジュワ感を感じないくらいでベストです。

「ジュッ」って聞こえたら、やりすぎです。一日置いて水分を飛ばしましょう。

手袋にマットと湿り気が残るくらい。これくらいがベストです。

※ただし、使っているマットの質感によっても若干の違いがありますのでご注意を。

このマットをケース半分まで固めます。もう有精卵で有ることはわかっているので、クリアスライダー(ラージ)を使います。

残り半分はパンパンと叩くくらいで柔らかく。

潜るきっかけの穴に頭を入れて、「いってらっしゃ〜い。」

あとは、祈るだけです!

【23年9月10日】

2ヶ月が経ち、ケースの底面に幼虫が見えてきたので、そろそろ割り出しをしてみたいと思います。約2ヶ月置いておりましたので↑の写真がこう↓なりました。

ゼリーを食べながら動き回ったんだな〜と、努力を感じられます。

裏返すと、こんな感じ!勝利宣言!と行きたいところでしたが、、、

見えているものが全てでした。。。

そして、800ボトルへ個別管理に移行です。

なお、通常は新品マットに入れ替えるのですが、産卵セットのマットをそのまま使用

することで成長スピードや大きさが他と比べてどうなるのかを実験してみます。

※マットにはコバエ・ダニが見られなかったことと、水分は多くなかったので問題ないと

判断しました。(嫌気発酵もしていない)

また、完熟マット+黒土(50:50)で添加が少ないのですが、それも成長の鈍化が

あり得るのかを見ていきたいと思います。

続きをお楽しみに!

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2023-09-29

ミヤシタシロカブトのお引越し

23年9月29日】

ふとブリードルーム内で色々見ていると、これまで飼育記に記録されていなかった謎の(笑)

ミヤシタシロカブトさんのボトルを発見しました。おそらく、8月6日で2令と言うことは6月前後の、2回目の産卵セットを組んだあたりだと思います。

その頃は暖かくなってくる時期で一気にいろんな種のセットを組んだいたために

管理メモの記入漏れだと思います。(管理しきれないほど忙しいんですよ!)

なお、管理している場所の温度は札幌でありながら30℃を超えている期間も数週間ありましたがすくすく育っています。ティティウスシロカブトも同様に、暑さには結構耐えられる種なんだと思います。

※これは貴重なデータだと思っております。

1400ボトルに3頭づつ多頭管理していました。残念ながら9頭から8頭に減っています。

大きい子で2令後期。一番小さい子で2令初期でしょうか。もう少し交換は引っ張っても良かったのかも知れませんが、糞も目立ちマットも減っていたのでお引越しです。

種親の♂が58mmと非常に小さい子だったので、親超えを狙います。

最大は90mmオーバーらしいので、控えめに80mmを目標にしましょう。

今回は800CCボトルでの単頭ですが、次の交換で♂は2000CC。♀は1400へ移動することにしましょう。

いま、90mmを狙っているヒルスシロカブトのボトルは2000CCですのでそれに合わせていきたいと思います。(スペース大丈夫かな??)

では続報をお楽しみに!

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2024-07-20

ミヤシタシロカブトの羽化スタート!

【24年7月20日】

前回の交換が3月で、そろそろ交換しないとな〜ということで、ボトルひっくり返してマットををざざ〜っと大胆に落としていたところ、、、

羽化してる!!

しかも、ちょっとだけ羽が出ています。。完品羽化させてあげられなくてごめん〜。。。

では、どんどんいきましょう。

申し訳程度の2gUP。

孵化から約1年。あと数ヶ月でどこまで伸びるでしょうか。♀ちゃんなのでいいところ50gでしょうかね。

こちらの子は1gダウンです。

マットはアルプスマットとRUSHレギュラーとのミックス。

美味しいマットに出来てなかったかな〜〜。管理方法も考えないとな〜。ちなみにうちでは、アルプスマットもレギュラーマットも冷凍していません。コバエはたまに出るくらいですね。

ガス抜きは、状況によって3日で終わることもあれば7日かかることも。

加水のタイミングが上手くないのかも知れないので改善が必要です。

この子はマットの喰いが良かったのですが

体重が変わっていません。

アルプスマットも、レギュラーマットも廃菌床マットなのですが生オガ由来のマットのほうがあっているのかな??

いずれにしてもマットを安定させることが出来ていないのかも。もっと腕をあげなきゃだめですね〜。

そして今回最後のボトル!

♂ちゃnが羽パカ。。。。

残念。。。

そして次の日ですが。

自力ハッチじゃないのに、ゼリー半分を1日で食い尽くしています。もう羽化して時間が経っていた様子。

3月の時点で50gの子が、7月羽化で76mmでした。

とりあえず大幅に親超えです。CBF1の親はショップで購入したのですが、普通にやって76mmなので、私は出来損ないを購入したようです笑

でも大きな子どもたちを残してあげられたことに満足です!

めっちゃイケメンなのに、羽パカにしちゃってごめんなさい。この子で累代してあげます。

これから産まれてくるきれいな子は里親に出しましょう。

(85mmオーバーとか出たら話しは変わりますが笑)

ミヤシタくんはあと10頭ほどいますので何ペア作れるか楽しみです。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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