カマリネスオオヒラタ(キングテイオウ)の飼育方法|ペアリングから幼虫飼育まで
『カマリネスオオヒラタ(キングテイオウ)とは』
フィリピンのルソン島カマリネス産の内歯上がりタイプのヒラタクワガタで、その直線的に伸びるアゴが魅力で、「キングテイオウヒラタ」とも呼ばれています。
現在の正式名称は「フィリピンヒラタ」ですが、地域やショップによって呼び名が異なるため、注意が必要です。
フィリピンのヒラタクワガタは、通常その産地名が呼び名になります。
・キリーノオオヒラタ
・サマールヒラタクワガタ
・マリンドッケオオヒラタ
・パラワンオオヒラタ
・ミンダナオヒラタ
などがそうですが、総称してフィリピンヒラタとされています。
本件の、カマリネスもこの部類で行くとルソン島のカマリネスで採取されるため、カマリネスオオヒラタと呼ばれます。
が、例外もあります。例えば、「テイオウヒラタ」は地域名を冠して呼ぶならば「カタンドゥアネスオオヒラタ」となります。
この名前の由来は、カタンドゥアネス島で採取された内歯上がりのフィリピンヒラタが大型であったことから、『帝王』の名が相応しいとして命名されたと言われています。
大きさについては、パラワンに次ぐ大型種で、100mmを超える個体も存在します。
寿命は当然個体にもよりますが、1〜2年程度。
WD品(野生採取)は、残りの寿命は見えないので不透明です。
飼育温度は20〜25度位が理想です。
67mmの小さめの♂
87mm♂も間もなく活動し始めますので、写真は後ほど。
80mmを超えるとまた迫力が出てきます。
和名:カマリネスオオヒラタ(フィリピンヒラタ)
学名:Dorcus titanus imperialis
産地:ルソン島南カマリネス Mt,イサロン
※イサロン、イサログと表記されることがあります。
このページではカマリネスオオヒラタ(キングテイオウ)の飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
飼育方法は基本的に、スマトラオオヒラタやパラワンオオヒラタなどと同様の飼育方法で問題ないと思います。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は約1〜2年程度。
飼育温度:
20~25℃
成虫育成メモ:
冬の間は15℃以上を保ち、夏は25℃を超えると危険です。その際は乾燥気味にして蒸れが置きないようにしましょう。
(23℃までがベストです。)
♂は非常に攻撃的なので、ペアリングや餌交換、掃除の際には絶対に噛まれないよう注意をしてください。なので、♂と♀は別々のケースに、もしくは仕切りをつけて飼育しましょう。
慌てずに成熟をしっかりさせるのがポイントです。後食後、半年待つ人もいるようです。
産卵は少しずつ何回も産むようです。
後食開始はサイズにも影響しますが2〜3ヶ月。大きいほど遅れます。成熟はここから3〜4ヶ月でしょうか。
しかし、ブリーダーさんによっては、後食したらすぐにペアリングさせる方もいますし、まちまちです。実際には、個体のポテンシャルによるところも多いと思われます。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。(♀のポテンシャルも重要です。)
羽化後3〜6ヶ月程度で後食。その後1〜2ヶ月で成熟する様子。
(温度管理や個体によります。)
マットのみでもOKですし、産卵材にも産卵します。
【産卵セット】
固めたマット、産卵材(コナラ、クヌギ等)のどちらでも産んでくれます。
材については柔らかめの木を好む傾向。マットのみでもOKです。微粒子完熟系で。
材を入れるなら、クヌギ、コナラ。また、カワラ材でもOKです。材を入れる場合は柔らかめが理想です。
水分量は材の加水時間、使用するケースにもよりますが少なめで良いです。
底面のマットは固く詰め、材はすべて埋めてください。
《産卵セットのリンク》
【ケースサイズ】
Mサイズ程度。
中サイズの材を2本の場合は、クリアスライダー(ラージ)、コバエシャッター(中)
などを使用しましょう。
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度。
【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【推奨温度】
セットする際の推奨温度です。
産卵管理適温:25℃前後でやや高めにセットします。
通常飼育の温度(20〜25℃)よりも少し高めにセットすることで♀が産卵行動に入りやすくなります。
【産卵数の目安】
5〜20個程度で、あまり多くはない印象です。
セットに♀を投入したら、2ヶ月程度はそのままにして2令になった頃合いで割り出しするのが良いと思います。
約1ヶ月半~2ヶ月もすれば、ケース側面に幼虫が見えてくるはずです。もしその位経過しても卵も幼虫も見られない場合は、交配が成功していない可能性がありますので、♀を取り出し、再度ペアリングをさせると良いと思います。
【ペアリング方法】
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。
2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。
3)♂、♀を投入し3日〜7日間ほど一緒にしておきます。
※ほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。
※ ヒラタクワガタは興奮して♀を攻撃することもあるので、♂のアゴを縛って
同居させることをおすすめします!
この動画は、本土ヒラタクワガタの同居ペアリングの様子です。
100均のケースの底に、これも100均の鉢底ネットをガムテープで止めただけのものです。
♀の隠れ家として、樹皮を1枚入れています。
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
菌糸ビンでもマットでもOKです。 オオヒラタケの菌糸ビンがよく使われています。
マットでも飼育は可能ですが、菌糸ビン飼育のほうが早く羽化する傾向にあります。
【えさ交換回数】
♂800cc~1400㏄~1400㏄の3本程度
♀800ccのボトルで1回程度
※菌糸の場合は暴れなどによってもう一本の場合もあります。
※菌糸プリンカップからスタートする場合、後半の交換回数も変わります。
【設定温度】
16~25℃と非常に幅が広いので飼育しやすいと思います。
しかし大型を狙うなら、2令中期から3令初期になったら18〜20℃で菌糸(オオヒラタケ、カンタケなど)での飼育をおすすめします。
初令の頃は暖かくし、後半はできるだけ蛹化を引っ張ると大きくなりやすいと言われます。
【孵化から羽化までにかかる時間】
マット飼育と菌糸ビン飼育では羽化までの時間が変わる傾向があります。一般的に菌糸ビンのほうが早く羽化して来ます。
♂:初令投入して約11~14ヶ月程度
♀:初令投入して約6~8ヶ月程度
※管理環境の違いによって個体差があります!
この記事は2024年5月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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