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クワガタ

レニノコギリクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『レニノコギリクワガタとは』

中国の海南島に生息するノコギリクワガタの1種。

そして、ノコギリクワガタのなかでは中型サイズに位置するアスタコイデスノコギリクワガタの亜種として存在しています。※BE-KUWA79号(2021)のノコギリクワガタ特集号より

WDでの販売は数が少ないのでやや高額ですが飼育品はファンも多いため、1万円以内で入手できます。飼育難度も高くはなく、普通のノコギリクワガタ同様な方法で累代も可能ですので、是非チャレンジしてみてください。

なお、アスタコイデスノコギリクワガタの産地はインド~インドネシア、中国、台湾など亜種を含めればかなり広い地域に分布するクワガタなので、販売時の亜種名や産地の表記があるかどうかを良く見てください。亜種間での交雑をしてしまいますので注意です。

その亜種は、実は8タイプありまして。(wikiより抜粋)

アスタコイデスノコギリクワガタ(亜種 リスト

アスタコイデスノコギリクワガタ(亜種 リスト

クワガタの種類 学名 産地 ビークワレコード
アスタコイデスノコギリクワガタ 原名亜種 Prosopocoilus astacoides astacoides (Hope, 1840) インド北東部 49.1mm
アスタコイデス フラテルナス P. a. fraternus (Hope, 1845) ミャンマー北部(Kachin州、Chin州)、中国西部(雲南省南部)、ラオス北部、ベトナム北部 69.0mm
アスタコイデス カルベイ P. a. karubei Nagai, 2000 ベトナム中部~南部 70.2mm
アスタコイデス デュベルナルディ P. a. dubernardi (Planet, 1899) 中国(雲南省北部~中部、四川省南部、貴州省西部) 67.2mm
アスタコイデス ブランカルディ P. a. blanchardi (Parry, 1873) モンゴル、中国(四川省~福建省)、韓国(済州島)、台湾 70.3mm
アスタコイデス ミズヌマイ P. a. mizunumai Fujita, 2010 マレー半島 82.4mm
アスタコイデス パリーディペンニス P. a. pallidipennis (Hope, 1841) スマトラ島、ニアス島、ジャワ島 72.7mm
レニノコギリクワガタ P. a. reni Huang et Chen, 2011 中国(海南島) 68.7mm

ビークワには他にも、イジェン、イソガイという項目もありますが、私はちょっと見たことが無いですね。

和名:レニノコギリクワガタ

学名:Prosopocoilus astacoides reni

ノコギリはとにかくフォルムが美しいですね。

この子は六脚堂飼育個体。

こちらはアスタコイデス(ミズヌマイ)。比べてみると顎が割と直線ですね。

レニノコギリは少し顎が湾曲しています。色は黒です。頭のオニの様な突起もレニのほうが大きいですね。

レには基本的には黒いボディなのですが、この子の様に茶色の紋が出る子もいます。

この♀も茶色の紋あり。

まるっとしたフォルムが可愛らし良いですね〜。

ここからはレニノコギリクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は3ヶ月~8ヶ月程度。WD(野外採集個体)の場合は羽化日が不明のためわかりませんので注意です。

飼育温度:

20〜25℃前後。25℃は超えないようにしましょう。各亜種、1000m近い高地に生息していますので熱いところは苦手のようです。

越冬はしませんので冬はヒーターなどを使用して温度管理します。

成虫育成メモ:

後食まではおよそ1〜3ヶ月程度。大型の♂だと3ヶ月はかかっているようです。ノコギリクワガタはだいたいそんな感じですよね。

そして成熟の目安は後食から1〜2ヶ月ほどかかります。ばらつきがありますが、寿命が長いとは言い難いので、後食してからのゼリーの消費量、活動量を判断基準にしたほうが良さそうです。

仲間内では後食から1ヶ月で産卵、孵化させていました。

また、長生きさせるには同じケースでの飼育は避けましょう。

基本的に日本のノコギリの飼育に似た飼育で問題はないようです。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

【産卵セットについて】

発酵マットのみでOKです。熟度の浅い微粒子マットの固詰めで大丈夫です。また、材にも産みます。水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。

(水が染み出るようでは多すぎです!)

基本はマット産みなので、材は不要ですが産卵時の「足場」にして卵を産んでいるという方もいらっしゃいます。また、材を入れるとマットにも材にも産む傾向があるようですね。

ケースは材の大きさや本数に応じて、中〜大ケースが良いでしょう。

《ケースサイズ表》

《産卵セットの組み方》

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系、ノコギリ系は顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

菌糸もしくは完熟系のマット。

ノコギリクワガタは通常のカブトマットでも問題ありませんし、ノコギリ専用として販売されているマットでもOKです。菌糸を使うとマットよりも早く羽化すると言われています。

六脚堂おすすめマット

六脚堂おすすめマット

メーカー マット
月夜野きのこ園 完熟マット
SANKO 育成クヌギマット
フジコン プレミアム 有機くぬぎ微細 フレーク
KBファーム 栄養フレークEX 50L(大袋)

【飼育容器】

♂はブロー容器 800CCで十分です。マット飼育、800ccボトルで65mmまでは可能です。

♂の大型化を狙うなら1000CC以上でいきましょうか。

♀なら500ccで十分です。

【えさ交換回数】

♂、♀ともに1〜2回。

【設定温度】

18〜25℃程度。25℃前後だと羽化も早くなるので大型は望めないような気もします。

また、18〜20℃帯だと幼虫期間が伸びて大型になるチャンスも。

【孵化から羽化までにかかる時間】

♂は8〜10ヶ月で、♀は6〜8ヶ月で羽化してきます。

※マットの劣化や環境の変化によって変わります。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2024年7月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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