ブルマイスターツヤクワガタの飼育方法|幼虫管理から羽化まで
『ブルマイスターツヤクワガタとは』
インド南部(ニルギリ)が産地の、上翅にV字型のラインで黒と黄色にくっきりとしたツートン模様が現れる、高級家具の様な美しい色を持っています。
なお、ツヤクワガタの最大種です。
流通量は増えて来ましたが、幼虫の成長にやや癖のある種のためまだまだ希少性が高く、♂は 57~109.2mm 、♀は38~58mmと、100mmを超えるサイズが魅力で、ツヤクワガタのなかでは人気種の一つです。
希少種でありながらも、ツヤクワガタの中では産卵セットがハマると100個近くの産卵をするので比較的累代が簡単といわれています。
何と言っても、ブルマイの飼育の楽しみは「長歯」を出すこと。に尽きます。
羽化において大アゴは、体のサイズに関係せずに短歯〜長歯まで出現します。この中で以下に調子を出すか。そのために低温飼育をされる方が多いようですがそれが正解かどうかは確定していないところも、攻略の楽しみなのかも知れません。
産卵の際は他のクワガタと異なる点が多く、カブトムシのようにマットにバラ撒き型の産卵を行い、幼虫は坑道を作り、土繭の中で蛹になります。
写真は♂の土繭。(縦で16センチ、横で10センチ程度。)
幼虫が作った坑道を崩してしまうと幼虫が☆になるとも言われるので、ブルマイスターはツヤクワガタの中では簡単とは言われますが、カブトムシなどから比べれば難しいと言えるでしょう。
産卵、幼虫の飼育にはカブト用の、熟度の高いマットが適しています。
他に日本で流通しているツヤクワガタといえば、殆どが東南アジアに生息しており
日本ではインドネシア産のツヤクワガタがたくさん流通しています。
・ラコダールツヤクワガタ
・ワラストンツヤクワガタ
・ルデキンツヤクワガタ
・インターメディアツヤクワガタ
など数えればきりがないくらいです。
インド産になると、このブルマイスターツヤや、クベラツヤ、オニツヤ、パレオクサツヤ、ベルシコロールツヤなどがいます。
ツヤクワガタが共通して言える特徴は、幼虫がジャバラでお知りが大きなところでしょうか。
※ 写真は孵化8ヶ月程度のブルマイスター。だいぶ黄色くなっています。
この子は中歯ですね。
90mmを超えてくると相当な迫力が出てきます。
六脚堂でも大歯を出してみたいです。この子は幼虫からの羽化なので、累代して大歯にチャレンジしたいと思っています。
ツヤクワガタの♀は胸部のカットラインが美しいですよね。そして何よりもまるまるとしたフォルム。私はタランドゥスのメスなど、まるまるした♀が好きです。
そして筆で書いたような上翅のライン。自然の織りなすデザイン。
前足の根本に産毛があります。
♀でも挟まれると血が出ます笑
【和名】ブルマイスターツヤクワガタ
【学名】Odontolabis burmeister
このページではブルマイスターツヤクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は、活動開始から3〜6ヶ月程度。
※ペアリングや産卵の回数によっては短くなります。
飼育温度:
18〜23℃前後。
成虫育成メモ:
外国産なので越冬はしませんので温度管理が必要です。
後食まではおよそ1ヶ月。そこからおよそ1ヶ月程度で成熟です。短命なので羽化後の成熟も他の種に比べて早いような気がします。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。
【産卵セット】
マット産みなので材を入れる必要はありません。
発酵マット、熟度の深いマットを好むようです。黒土マットを1/ 3程度混ぜると良いかも知れません。微粒子だと尚良し。
ちょっと多いかな?というくらいに加水します。握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!マットの下 3割程度まで手で押さえつけてカチカチに固めます。あとはふんわりとマットをひいてください。セットにハマると爆産する種です。頑張りましょう。
《産卵温度》
18〜20℃程度。
【使用するケース】
コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など、材の大きさに合わせてケースを選択します。
レコード個体を出された方の記事を確認すると、発酵マットで管理し最終的に中ケースにいれ48.7gまで体重が乗っていたようです。
《ペアリング方法》
クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
ツヤクワガタは、♀のポテンシャルに依存するケースが大きいです。産む子は5〜80個の卵を産みますが、産まない子は全く産まない。という落差があります。
いろいろなショップさんで、ツヤ用のマットを製作されていますので、試してみるのも良いですね!さらに、孵化率が高いので採卵したらその分だけ孵化してきます。飼育できる分だけ取るようにしましょう!
□□□ 幼虫の飼育方法 □□□
【お勧めのエサ】
マット飼育のみです。菌糸ビンでは育ちませんので注意。そしてツヤクワガタはクセがあるので注意が必要です。
1)初令時は、産卵セットのマットを移行した方が良い
2)コバエなどが発生して産卵セットのマットをつ変えない場合は、カブト用の完熟マットや黒土など完全発酵(無添加)がおすすめです。
3)大型や大歯を狙う場合は、2〜3令時にカブト用完熟マットをベースに、廃菌床ベースのマットや添加マットを少しづつ増やしていく。
4)マットの全交換は避けたほうが無難です。
ツヤクワガタ種はよく熟したマットを好む傾向があります。初令時は添加に弱いので、無添加の完熟マットを与えます。
2~3令になってから添加されたマットを少しずつ混ぜて行きます。できるだけ大歯を狙うにはこの方法がベストです。
サイズを気にしない場合、初めてで自身の無い場合は食性が合わずに☆になることもありますので、その場合はブレンドせずに無添加完熟マットで通しましょう。
そしてツヤクワガタ種は容器の中間付近に空洞を作って居食いします。交換タイミングを逃すとマットが容器の中で上下に分かれるような状態になり、そのまま☆になることも多いようです。
なので、六脚堂の場合は、ケースの半分古いマットを削ってマットを継ぎ足すイメージで行なっております。
【容器】
500CCから800ccへ移行。
♂はそこそこサイズが出ますので3令になったら1400以上のボトルを使用すると良いでしょう。
交換は途中4〜6回程度。
上記にあるように、マット交換を失敗すると幼虫が全滅した。。というブログも有りました。
爆産もしますが、丁寧な交換が必要なのは間違いないです。
孵化から8〜9ヶ月で繭玉を作ってから、4〜6ヶ月そのままですので、崩さないようにしましょう。
【設定温度】
18~25℃前後、温度の守備範囲が広いのですが、高い温度だと♂の場合は短歯で羽化する可能性が高まります。大歯を狙うなら18~20℃まで下げてじっくりと待ちましょう。
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂、♀ともに12〜16ヶ月程度。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年4月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
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