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クワガタ

フィリピンネブトクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで  

KAZ.YOSHII

『フィリピンネブトクワガタとは』

名前の通り、たくさんの島で構成されるフィリピンの各島生息するネブトクワガタ属です。

♂の大型個体は大顎がやや長く、中央の内歯が小さいのが特徴で、カシ類の樹液に集まるそうです。

最大サイズは30mm程度。

現レコードは37.8mm(2022年 BE-KUWA)

ネブトクワガタの種族をあげていくとキリがありませんので、フィリピンネブト(原名亜種)に対する亜種を紹介致します。

・フィリピンネブトクワガタ

 原名亜種 A. p. phillippinensis

 ルソン島ミンダナオ島シブヤン諸島や周辺の島々

良く耳にするバンガイエンシスは

・A. p. banggaiensis

 ペレン島マンゴーレ島。ペレン島はメタリフェルホソアカクワガタで有名ですね。

ほとんど流通してないのでは?ギラルディ。

・A. p. girardi

レイテ島パナオン島

ニュートニ?であってますか?

・A. p. newtoni

ネグロス島

などがあります。Wikiより(https://onl.la/4wRCk5Z

【和名】フィリピンネブトクワガタ

【学名】Aegus philippinensis philippinensis

六脚堂の飼育個体です。

♂25mm 次の累代で30mmアップを狙いたいところですね。

♀はフリーサイズ。測ってみましたが18mmです。

写真が安定せずすいません。もう少し詳細に撮れると良かったのですが。

ネブトクワガタの良さが伝われば幸いです。

ここからは、フィリピンネブトクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は、6ヶ月ほど。

※ペアリングや産卵の回数によっては短くなります。

飼育の適温:

22〜25℃程度

成虫育成メモ:

フィリピンネブトは外国産なので越冬はしません。また成熟をしっかりさせれば産卵数はかなり多い方です。

30〜50個の卵を1回の産卵セットで割り出している方もいますので、飼育スペースなどに制限のある方は、小さくて飼育しやすいとはいえケースの大きさやセット期間など考慮したほうが良さそうですね。

あるマットを使って100頭!という話もあります。マットがマッチすると本当にたくさん産むみたいですね。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

《ペアリング方法》

この種は同居ペアリングをおすすめします。

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。

3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。

とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

【産卵セット】

マット産みなので材を入れる必要はありません。しばらく割り出ししないことを想定し、エサとして材を入れておく方もいらっしゃいます。(卵は小さいので幼虫で取るために放置するケースが多いようです)

水分量は他の種よりも多めにします。が、握って指の間から水分が染み出ない程度にします。

ケースの下から3割くらいまで手で押さえつけて固める程度。カチカチにはしません。

あとはふんわりとマットをひいてください。

【ケース】

小ケースでOKです。

多産な種なので大きいケースを使用すると、予想を超える数を産んで飼育に困るので注意!

《飼育ケースのサイズ表》

産卵管理適温

25℃前後

転倒防止に、ハスクチップがちょうど良いのですが、私はマットを再利用したいときにキッチンスポンジを切って置いています。小型の場合はマットも汚れないし重宝します。

□□□ 幼虫の育てかた □□□

【お勧めのエサ】

完熟タイプで微粒子のマット。添加の強いマットや発酵の薄いマットは食べません。

【えさ交換回数】

500ccのボトル程度で途中1〜2回。 ♀なら300ccのカップでも充分です。

※温度やマットの劣化具合、食い進みにより変化はあります。

【設定温度】

20~25℃前後

【孵化から羽化までにかかる時間】

4〜6ヶ月程度

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年5月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-04-27

フィリピンネブトクワガタの飼育記

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

大きなカブトムシ派の私としては、ネブトクワガタ系は飼育することはないだろうと思っていました。ただ、爆産種のこの子らを持て余していた知人から2♀のセットを託されたので、一周だけやってみたいと思います。

【産地】フィリピン シブヤン島 

【累代】WD5

【サイズ】♂25mm 18mm  ♀フリー ×2

【羽化日】2023年2月 羽化

【23年4月27日】

到着したその日より、すぐに産卵セットを組んでみました。

コバエシャッター小に、月夜野きのこ園さんの完熟マットをケースの下半分に固く詰め。残りはふんわりのせておきました。

いざ!3頭(1♂ 2♀)をそのまま投入しました。

♂は若干の羽パカなので産んでくれるのかどうか。。。

23年5月28日】

ちょっとコバエが出てきたのが気になったのと、写真撮影を忘れていたのでどうしても一旦、出したくなっちゃました。笑

ケースの端には卵がチラホラ。

しかもこんなに小さな子たちですが、♂1と♀1を上部に発見したのでピックアップ!

撮影をしました。ケースを暴くのはもう1ヶ月先にしようと思います。

23年5月28日】

せっかく取り出したので、もう1つ産卵セットを組んでみました。(爆産種なのに・・)

ネブトは♂か♀どちらかに偏ると聞いたこともあるので抑えです。抑えなんです。

こちらは前回とは少し趣向を変えて、セットの仕方に手心を加えてみました。

ケースは、洗う予定だった3200のボトルを使用。(洗わないつもり笑)

マットは、川口商会オオクワマット+黒土マット+バクテリア材制作中のマット。

川口商会さんのマットは微粒子。黒土マットは産卵に定評あり。

バクテリア材制作中というのは、主にヘラクレスの糞など混ぜ合わせたもので、水分は多めにしてみました。

【23年6月22日】

産卵セットへ投入から約2ヶ月。

1つ目のセットを暴いてみるとコバエシャッター小ケースから18頭。もりもりです。初令だったのでSeriaの500ボトルに3頭づつセットしました。(6ボトルあります。)

※ 2回転目は今のところズボラしており、開いていません。

【23年9月22日】

4ヶ月経っても、すべてのボトルで幼虫の姿が見せません。ちょっと心配です。

7月に入ってから札幌も急激に暖かくなり管理温度は30℃を超える日が数日続きましたので、

⭐️になっている個体も中にはいるかもしれません。ドキドキ。

ではまず1本目。

完熟マットと黒土のブレンドです。

おやおや。。。。

羽化しとるがな。。

え??5月28日に、卵ちらほら。と記載が。。

4ヶ月経ったくらいだ。。早期羽化??

1♂2♀の爆産セットで羽化してきました笑

2本目はどうだろうか。。

こちらはきのこマットにて管理していました。違いは出るのかなーと思い実験です。

お!繭玉3個!

ネブトクワガタは繭玉を作り、その中で蛹化〜蛹〜羽化をします。

こちらもきれいに羽化!!てか4ヶ月なんですけど。。

繭からお尻でこんにちわ。こちらは♂ちゃんでした。

この子は蛹になれず☆になっておりました。幼虫はすべてが順調に成長するわけでは無いですね。こういうところで、生物の命を感じます。

3本目行きましょう!

♀2。1頭は☆ですね。

♂は羽化したてでした!!

まだ赤い!!かっこいい!! 小さくてかわいい!

4本目行きます。

管理温度は23〜25。後半一ヶ月は30℃近くなってしまったので全部早期羽化??そのために小さくなってしまったのでしょうか。

ちび3頭でした。

同じくらいの大きさですが、羽化したてとしっかり黒いのと2頭の♂。

100均パーツケースで保管です。

こちらは♂ケースとして6頭を管理します。

こちらは♀9頭。

18幼虫から15個体。

羽化率はそこそこですね。30℃超えてもネブトは大方無事に羽化できるみたいですね!良い実験になりました!(羽化が恐ろしく早くなりますが)

また、1本返しだと、お世話した感がないなー。でも息抜きにはとても良い種だと思います。手もかからないので。

気になるのはもう一つの方の産卵セット。セット内で羽化しちゃってるかもな〜。1ヶ月遅れで組んでいるので、今さら温度を下げても大型化は間に合わないし。

30mm以上を出したかったのですが。

もうワンサイクルやるべきか、、、。

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2024-01-31

フィリピンネブト。2サイクル目の産卵セット。

1サイクル目のフィリピンネブトが盛大に羽化してきた10月。

イベントでも大人気でした!

価格が安いからでしょうか。また、ブリーダーさんにとっては気息抜き増種もし易いので良かったのかな?

そしてせっかくだから累代しようと思います。

この子達はWDF5なので何代続くかな。でかいのをチョイスして行こうかな。

ということで仕込んでいきましょう!

手元に残していたのは、少しだけ大きめの♂と小さめの♂。そして♀が3頭。

おすすめしたいのは、ケースはDAISOのもの。1ケースで2分割されていて、蓋がそれぞれに

付いている感じ。ネブト系や小さなノコギリ系にはピッタリの広さと深さなので重宝します。

※ドリルで小さな穴は一箇所づつ当てています。

さてさて。ネブトはマット産み。そして新品のマットよりも、幼虫の廃マットのほうがはかどります。そこで、5ヶ月くらい放置していたフォルスターフタマタ キヨタミ。この幼虫のマット交換の際に出る廃マット(北斗恵栽園のクワガタマット)をそのままセットに使いましょうか。

さすが5ヶ月もの!(交換サボりすぎ。)いい感じの粘りと古さですよ!

これはフィリピンネブト、爆散の予感!

水分は多め。滲み出るまで入れちゃうと再発酵の可能性が上がるのでギリギリのところで

止めましょう。

ちなみにキヨタミくんたちは、添加バキバキのマットに入ってもらいます。

この子達,

フィリピンネブトは、自分のおしっこやゼリーカスなど汚れている方がいいみたいなので、盛大にゼリーを入れてみます。

ちなみにケースは、デジケースのHR-2

1♀ならクリアスライダー小にするのですが、3♀なのでたくさん産んでもらうために

少し大きくしました。

ラージを使うと、フェスできるくらいに産んじゃうので使いませんでした笑

さあ!次の子どもたちが楽しみだ!!

Xやっています。

@rokkyakudou 

KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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