サタンオオカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『サタンオオカブトとは』
サタンオオカブトは、ボリビア・ラパス県(ユンガス山脈)やコチャバンバ県などの標高1000 - 2800mの熱帯雨林に断続的に分布するところに生息しています。
そして実は成虫の生態はよくわかっていない部分も多くあります。
生息地が奥地ということや現地の治安状況等により、以前は標本でもとても珍しい存在だった上にその生態も謎でしたが、最近ではネプチューンオオカブトと活動時間や生態はほぼ同じということが判明しています。
現在でも専門店では高値ではありますが、オークションや個人ブリーダーさんが増えたことで
見かける機会も増えてきていますし、人気種で有ることは間違いありません。
しかし20年前は、100万を超えるほどの希少価値があったそうです!
ですが、CITES附属書IIへ掲載されたことで、ワイルド個体の輸入は難しい状態です。
ヘラクレスオオカブト属の中では3番目に大きくなる種でありますが、ヘラクレスオオカブトやネプチューンオオカブトのようなダイナミックさはありませんが、逆に愛らしさを備えた美しい個体であると思っております。
オスは最大でも体長 55-115 mm 程度ですが、体高、体幅、バランスが美しく、特に胸角のしたに映えるオレンジの体毛は唯一無二。
オスとメス共に体は黒く、体表面の光沢はネプチューンオオカブトに比べてやや鈍く光っています。
前胸背板(胸角下面から前胸前面にかけて)の前縁の毛はブラシ状に密生しています。ネプチューンオオカブトと同じく符節が短く、中脚・後脚の爪は湾曲が極端に強いです。
なお、ネプチューンの♀とは見た目の区別がよりつきにくく、混ざったものも出回っているとも噂されておりますので、見分け方を知っておいたほうが得策です。
ーーーネプチューンとサタンの♀の見分け方ーーー
サタンの♀は、全体に丸みを帯びており 上翅の点刻はより広い部分を覆っています。
サタンとネプチューンの♀を見分ける方法がここにあります。とてもよく似ているのですが、
こちらはネプチューンの♀。サタンよりもやや細く。おしりの部分がツルツルしています。
(ツルツル部分の面積が広い)
こちらはサタンの♀
おしりの先までボツボツしています。
この角度から見るとわかりやすいでしょうか。ボツボツが多いため、ネプチューンのような光沢が少ないのです。(点刻により光沢が失われます。)
種名は元ヘブライ語の「敵対者または悪魔」の意味であるサタン(satanus)に由来しています。
以前本種は同じヘラクレスオオカブト属に属するヘラクレスオオカブトに次いで2番目に大きいカブトムシとされるネプチューンオオカブトの一種とされていましたが、生息域の分断により独立種となりました。
ですが、前肢の形状から依然ネプチューンオオカブトとの近縁関係が指摘されており、これら2種を独立のカバイロオオカブト属(Theogenes属)として扱うこともあり、いろいろな見られ方をするところもまた魅力の一つです。
また、体色なども酷似しているためネプチューンオオカブトの未熟種とする意見もあるようです。
和名:サタンオオカブト
学名:Dynastes satanas
♂ 103mm。そこそこの大きさですね。
まあ美しいカブトムシです。可愛らしさとかっこよさを兼ね備えていますね。
ここからはサタンオオカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の育て方 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は約1年。
飼育温度:
18〜23℃前後。(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)
※ 実際には23〜25℃で羽化させているという話もあります。が、羽化するときに不全することが多いと聞きます。
成虫育成メモ:
25度を超えると動きが鈍りますので、できるだけ涼しいところで管理したい
ところです。また、意外にたくさん食べますので餌切れには注意しましょう。
後食まで:
2〜3ヶ月かかります。成熟は更に2〜3ヶ月程度おくと良いと思います。
慌てずに羽化から5〜6ヶ月じっくりと待ってあげたほうが、産卵数が良いと聞きます。焦らず待ちましょう。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。
後食が始まり2ヶ月もするとゼリーの減りが急激に上がってきます。
1日で18gのゼリーは軽くたいらげますので、動きが良く元気な状態になったら成熟していると判断しても良いでしょう。
《ペアリング方法》
カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。
2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。
3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。
とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。
詳細はこちらから!
こちらはサタンのペアリング中の動画です。字幕が出ない場合はyoutubeで設定してね!
《産卵セット》
発酵マットのみでOKです。
水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。
(水が染み出るようでは多すぎです!)
ケースはLケース以上で。数を取りたい場合は2週間ほどで一度採卵すると良いでしょう。ただし、♀がゼリーを食べに表面に出てきているときに採卵するほうがストレスを与えないので良いと思います。
ケースの7分目ほどまで固く詰め、上2センチほど柔らかくひきます。
温度は18〜20℃がベスト!
24〜5度でも問題ありませんが低めの温度のほうが産卵数は期待できます。
□□□ 幼虫の育てかた □□□
【お勧めのエサ】
完熟系のマット。ヘラクレスマットなどが理想でしょうか。
♂♀1800ccブロー容器で
♂:途中6~8回程度
♀:途中5~6回程度。
幼虫期間が長いので交換回数は多いですね。
【設定温度】
18~20℃程度。23℃でも羽化報告のあるブログもありますが、大型狙いなら
是非低めの温度で!
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂:約16~24ヶ月程度
♀:約14~16か月程度
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2023年7月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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