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ハスタートノコギリクワガタ(原名亜種)の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ハスタートノコギリクワガタとは』

アルキデスヒラタを彷彿させ、且つノコギリクワガタとは思えないようなボディの幅、厚さで、圧倒的な迫力のノコギリクワガタ。

♂の大顎は長歯型と短歯型が存在しており、大型になると長歯型、小型の個体は短歯型とは言われるが、体長によってだけで顎の長さが変わるわけでは無いとのこと。

近縁種のラフェルトノコギリクワガタやウォレスノコギリクワガタも同様のフォルムでガッチリとしており、ノコギリクワガタ属の中でも強い脚力を持つのが特徴です。

なお、

ブラックハスタートと呼ばれる原名亜種は、ソロモン諸島のベララベラが産地。ブラハスなどと呼ばれています。

亜種 ナカゴメイ(Prosopocoilus hasterti nakagomei)は2017年に登録され、産地はガダルカナル島で、上翅がすべて茶褐色。胸部、前胸部は濃い茶色に薄っすらと褐色が入っています。

マライタ島亜種はモイニエリ(Prosopocoilus hasterti moinieri)となり、上翅のツートンカラーが特徴となります。

(ソロモン諸島のガダルカナル島、マラタイ島:亜種 モイニエリ)

それぞれのBE-KUWAレコードサイズは、

ハスタート 原名

飼育 77.0 mm、野外 69.4 mm

ハスタート(ナカゴメイ)

飼育 63.3 mm、野外 52.2 mm

ハスタート(モイニエリ)

飼育 77.5 mm、野外 69.4 mm

ノコギリとして大きさは中型となりますが、そのボディの大きさの迫力は体験してほしいところではあります。ぜひブリードにチャレンジしてほしいですね!

和名:ハスタートノコギリクワガタ

学名:Prosopocoilus hasterti hasterti

産地:ソロモン諸島周辺

※写真は六脚堂飼育の58mmです

小さいとカラダの幅も出ないので可愛らしくなってしまいますね。

60mmを超えてくると迫力が一気に出てきます。

六脚堂では亜種モイニエリを先に飼育しており、流れで原名亜種がどうしても欲しくなったため増種しました。

顎が掛けていますね。笑

むちっとしたカラダは強さを感じます。

この子たちは、6日間同居ペアリングをしましたが♂が♀を攻撃することはありませんでした。小さくて顎縛りが困難だったためであり、通常は縛ってくださいね。責任は持てません!

♀は可愛らしいですね〜。

ここからはハスタートノコギリクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は 6ヶ月~12ヶ月程度。

WD(採集)個体は羽化日がわからないので半分くらいで考えましょう。

飼育温度:

20〜25℃前後(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)

成虫育成メモ:

後食まではおよそ3ヶ月から長い子で5ヶ月を要します。大型の♂は遅いようですね。

そして成熟の目安は後食から4ヶ月後。充分に時間をおいたほうが良い結果となります。

WEB上の様々なご意見を見てみると、4〜6ヶ月は待ってペアリングをされた方が良い結果を残しているように感じます。

また、♂はとても好戦的で♀も傷を付けてしまうので、仕切りをつけるか別のケースで。

同じケースでの飼育は避けましょう。

※今回六脚堂では6日間顎縛りせずに同居ペアリングをしましたがで(短歯で縛れなかった)大丈夫でした。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

【産卵セットについて】

発酵マットのみでもOKです。熟度の深いマットを使用します。また、材があると材にも産みますので、クヌギ、コナラの材を入れておくのが良さそうです。

水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。

(水が染み出るようでは多すぎです!)

材の大きさに合わせてケースは中〜大ケースが良いでしょう。

《ケースサイズ表》

《産卵セット》

《ペアリング方法》

ノコギリは、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系、ノコギリ系は顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

菌糸もしくは完熟系のマット。

通常のカブトマットでも問題ありませんし、ノコギリ専用として販売されているマットでもOKです。マットよりも菌糸の方が早く羽化してくるイメージです。

六脚堂おすすめマット

六脚堂おすすめマット

メーカー マット
月夜野きのこ園 完熟マット
SANKO 育成クヌギマット
フジコン プレミアム 有機くぬぎ微細 フレーク
KBファーム 栄養フレークEX 50L(大袋)

【飼育容器】

ブロー容器 800CC程度。

♂の大型化を狙うなら1000CC以上を使いましょう!

【えさ交換回数】

1〜2回で済みます。割り出しのタイミングで若干の変化あり。

マットの劣化や温度環境の変化によって変わります。

【設定温度】

20〜23℃程度。

大きくしたい場合は、初〜2令までは25℃程度にしつつ。3令になったらすぐに蛹化しないように温度を20℃前後まで落とす方法をとる方が多いようです。

【孵化から羽化までにかかる時間】 ♂で約10~12ヶ月程度。

♀で約7〜10ヶ月程度。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2025年1月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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