グラントシロカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『グラントシロカブトとは』
名前の通り、白いカブトムシです。大きな瞳とふさふさな毛の生えた胸角。
見た目は、小さはホワイトヘラクレスです。それもそのはず。カブトムシの中でも、ディナステス属というヘラクレスと同じ種族に属しているのです。ヘラクレスの仲間ではありますが、その大きさは60〜70mmと小さく、省スペースで飼育することが可能です。超キュートです。
グラントシロカブトは湿気が高いときは黒色をしていますが、乾燥すると白色に変色します。ヘラクレスと同じですね。しかし、白色に変色するのは羽化1ヶ月後~2ヶ月後くらいの期間で、その後は色抜けしなくなります。。
少ししか色抜けをしない(白色にならない)場合がございます。寿命が近づくとだんだん白くならなくなってしまいます。
産地は、アメリカ・アリゾナ州。
また、シロカブトの中でも広く知られている本種を始め、5種と1亜種に分けられているシロカブト。以下の仲間がいます。
・モロンシロカブト
モロンオオカブトとも呼ばれるシロカブトで最大種。
シロカブトの中でも大きなサイズと、前胸部が黒くなるという特異な色彩が特徴的
・ティティウスシロカブト
シロカブト最小種。とてもかわいらしく飼育しやすい。
・ヒルスシロカブト
体長は大きいもので80mmに達します。 幼虫飼育期間は比較的短く、早いものなら7~8ヶ月ほどで羽化します。
・マヤシロカブト
ヒルスの近似種で、頭角先端の斧状の突起が特徴。光沢が強く、胸角も長くなる大変綺麗なカブト。
・ミヤシタシロカブト
こちらもヒルスの近似種とも言われており、生息地がメキシコプエブラ州のみとごく限られている。
写真の通り、シロカブトという名前で本当に白いのはグラントシロカブトだけ。
後は褐色っぽかったり黄色っぽかったりします。
和名:グラントシロカブト
学名:Dynastes granti
♂ 60mmの一般的大きさの個体。
この子は極端に背中の黒点が少ないのですが、通常はもう少し他の種のように
黒点が点在しています。
背中の翅は、湿度が高いと限りなく黒く、乾燥してくると白色へ変色します。
まるでミニヘラクレス。
メスも瞳が大きく可愛らしいです。♀も、顔がヘラクレスに似ています。
この子も背中の黒点は少ない方ですね。
一般的に出回っているものは、もう少し黒点が全体に広がっています。
このページではグラントシロカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は6ヶ月程度(温度管理下で。)
飼育温度:
23〜25℃前後
(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)
成虫育成メモ:
大きな特徴として、白いカブトムシ。
そして、見えない大きな特徴は、卵の期間がとても長いことがあげられます。
産卵後1か月程度で孵化が始まることもありますが、平均3か月~6か月。
長いと1年近く卵のままでいることもあるのです。
同時期に同親から生まれた最初の子供が成虫になるころ、ようやく孵化するなんてこともあるのです!
茶色く干からびたように見えても、孵化する卵もたくさんあるので決して捨てないでください。温度と湿度を調整することで、早期に孵化させるための方法もあります。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。
ハンドペアリングの場合は、およそ20〜30分程度で終了。
成熟さえしていれば、一緒のケースに入れてすぐにペアリングが始まりますので、同居ペアリングは必要無いかと思います。また、同居ペアリングをする場合は、交尾意欲も強いので3日程度で十分ですね。それ以上だと、♂が♀を追いかけ回すので♀のストレスになってしまいますでご注意を。
六脚堂ではペアリングの際、100均などで購入できるセルローススポンジを下に引いています。
爪もかかりますし、取り上げるときも爪に負担がかかりませんので。
(写真はマルガリータヒナカブト)
《ペアリング方法》
カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。
2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。
3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。
とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。
詳細はこちらから!
【産卵に使用するマット】
発酵の深いマットが良いです。(黒に近い色のマットです)
《産卵温度》
25℃前後が良いでしょう。
ペアリング時も少し高めだとスイッチが入るようです。
使用するケースは、中ケース〜クリアスライダー(大)を使用してます。
飼育スペースのこともあると思いますのでちょうどよい大きさを選択しましょう。
《ケースサイズ表》
《卵の孵化におけるクセについて》
グラントシロカブトの産卵で一番のクセ。というか特徴があります。
それは卵が孵化するまでの時間がバラバラということ。
早いもので1〜2ヶ月で孵化し、遅いものだと8ヶ月かかるとも言われます。
なぜ孵化時期がズレてしまうのか。
一説には、グラントの場合はその生息環境に影響を受けて卵の期間が他種より長期に成る様です。成虫の発生時期は現地での6~9月の雨季に成ります。したがって産卵時期もそれぐらいと思われます。
通常の1ヶ月ぐらいで孵化したら初2令の時期が9~11月に成ると思いますがその時期はアリゾナでは外気温の最低気温がマイナス(氷点下)の時期にあたります。おそらくその時期初2令では☆に成る確立が高いので卵は休眠して翌年気温、湿度の上昇と共に孵化するものと考えられています。
《採卵する方法》
採卵の場合、六脚堂の場合は約2週間ごとに(産卵セットの状況にもよる)ケースをひっくり返し、採卵します。多い時には一度の採卵で40近く採卵出来る時もあります。
ケースに穴をつくって卵を落とし込み、その上をマットで覆います。六脚堂では全て卵は一緒に管理し、ケース底に幼虫が見えた時点で一旦とりだし、孵化した分の幼虫を回収し、孵化していない卵があればまた元に戻します。
採卵をせず、産卵セットしたままでの孵化を待つのも一つの手ですが、孵化の時期が読めない以上マットの劣化により孵化ができなかった。という状況を作りたくないため、避けてはおります。
□□□ 幼虫の飼育の仕方 □□□
【お勧めのエサ】
完熟系マット。添加の強いマットだと初齢幼虫は★になりやすいです!
1500CC程度のボトルで2~3回程度。
【設定温度】
25℃程度。
【孵化から羽化までにかかる時間】
1年から1年半 程度です。
後は卵がいつ孵化するかで管理期間は長くなりますね。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年3月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)