ヒルスシロカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『ヒルスシロカブトとは』
ヒルスシロカブトはメキシコ南部からグアテマラにかけて生息するカブトムシで、シロカブトの仲間(ヒルスシロカブト、ティティウスシロカブト、グラントシロカブトなど)の中では大型種。
体長は大きいもので90mmに達します。
金色に輝くボディと、斧状になった頭角とヘラクレスのような見た目が人気です。
産地は、カテマコ産とホンジュラス産とで産地が異なるため、飼育するときは産地混同がないように気を付ける必要があります。
また、カテマコ産は1年6〜10ヶ月、ホンジュラス産は10〜12ヶ月と、羽化タイミングに違いが出てきます。
【補足として】
ヒルスシロカブトはマヤシロカブトである。といった各種論争から、あるWEBサイトではヒルスシロカブトが最大種であると表現しているものや、マヤシロカブトが最大種であると紹介しているところもあります。(マヤシロカブトがヒルスの亜種として捉えている文献もあります。)
情報源によってはどちらも最大種という表記がされていますが、ここに、モロンオオカブト(モロンシロカブト)を交えると、飼育下では100mmを超えているため最大種はモロンオオカブトでは?という状態です。
このブログで、説明してくれていますのでご興味のある方は御覧ください。
六脚堂ブログでは、マヤシロカブトを最大種と表記しているため、本種は大型種と紹介しております。
なお、
ヒルスシロカブト
ギネスサイズ:98.2mm
記録年:2012年
モロンシロカブト(モロンオオカブト)
ギネスサイズ:105.1mm
記録年:2011年
マヤシロカブト
ギネスサイズ:104.2mm
記録年:2012年
となっております。
従来では、メキシコ南部~グアテマラ一帯のシロカブトが「マヤシロカブト」と呼ばれていたのですが、種の細分化が進みミヤシタシロカブト(Dynastes miyashitai)、マヤシロカブト(Dynastes maya)に分けられました。
これまでは上記のように説明されていましたが、実はヒルスシロカブトからマヤシロカブトムシに変更になった経緯があるそうです。と記載されているページも有りました。
ちょっとややこしいですよね。。。
現在では本種を始め、5種と1亜種に分けられているシロカブトには以下の仲間がいます。
現在では本種を始め、5種と1亜種に分けられているシロカブトには以下の仲間がいます。
・グラントシロカブト
シロカブトの中では一番メジャーな種。そして一番白いカブトムシ。
・モロンシロカブト
モロンオオカブトとも呼ばれるシロカブトで最大種。
シロカブトの中でも大きなサイズと、前胸部が黒くなるという特異な色彩が特徴的
・ティティウスシロカブト
シロカブト最小種。とてもかわいらしく飼育しやすい。
・ミヤシタシロカブト
こちらもヒルスの近似種とも言われており、生息地がメキシコプエブラ州のみとごく限られている。
マヤシロカブト
シロカブト最大種。頭角は斧状突起になる。(小型で羽化すると出ないことも)
写真の通り、シロカブトという名前で本当に白いのはグラントシロカブトだけ。
後は褐色っぽかったり黄色っぽかったりします。
和名:ヒルスシロカブト
学名:Dynastes hyllus
♂ 73mm。一般的大きさの個体。
背中の翅は、湿度が高いと限りなく黒く、乾燥してくると黄色く変色します。
薄っすらと金色になる胸部がかっこいい。
六脚堂で産まれたヒルスですが、斧状突起が出ています。
メスも瞳が大きく可愛らしいです。♀も、顔がヘラクレスにそっくり。
おしりのフサフサ。
マヤの♀との見分けはつきにくいですね~。。。正直なところ、やむおえず、気が付かないところで交雑されてしまった種もいると思います。
それはDHヘラクレスも同じだと思います。そこは飼育者のみなさんがこれまでの経緯や状況を把握したうえで『飼育を楽しむ』ことが大事だと思っています。
このページではヒルスシロカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は6ヶ月程度(温度管理下で。)
飼育温度:
20〜25℃前後
(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)
成虫育成メモ:
後食までは1ヶ月程度と、シロカブトの中ではクセが少なく早い方です。
成熟もおよそ2〜3ヶ月程度ですので、ブリードの難度も低いため
初心者さんでも飼育しやすいと思います。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。
充分に成熟していればハンドペアリングしましょう。
同居ペアリングでも、問題ないと思いますが、目視できたほうが安心です。
《ペアリング方法》
カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。
2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。
3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。
とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。
詳細はこちらから!
【産卵に使用するマット】
発酵の深いマットが良いです。(黒に近い色のマットです)
月夜野さんの黒土マットや完熟マットで産卵ができています。
《産卵温度》
25℃前後が良いでしょう。
使用するケースは、大ケースがおすすめです。
たくさん欲しい場合は、2週間ごとに採卵をおこない数セット組むのが
望ましいと良いと思います。
《ケースサイズ表》
【お勧めのエサ】
完熟系マット。
カブト用の発酵マット。
添加剤入の発酵マットは成長が促されますが、初令から入れてしまうと☆になる
確率が上がってしまいますので注意です。
1500~1800CC程度のボトルで4~5回程度。
大きく育てるには3令から2000ボトルにいれると良いでしょう。
【設定温度】
20~25℃程度
【孵化から羽化までにかかる時間】
ホンジュラス産で、♂ 14〜18ヶ月程度 ♀ 12〜14ヶ月程度です。
メキシコ産だと+ 5〜7ヶ月かかると言われています。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2024年3月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
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