舶来 六脚堂

本能のままに生きる。
カブトムシ、クワガタをもっと知れるメディア

クワガタ

ダビディスコクワの飼育方法|ペアリングから幼虫飼育まで

KAZ.YOSHII

『ダビディスコクワとは』

見た目は、ヒメオオクワガタを小さくしたような種で、鈍い光沢があります。

とても小さい種なので、大アゴは短く、先端から1/3のところで「く」の字状に湾曲し、中央から

斜め前方を向いてやや上反した内歯がのびています。

サイズ的にはムシモンオオクワガタに近いイメージですね。

野外品での入荷は相当少ないらしく、ネットで情報を探すと2018年以降は見られません。(私が調べた上では)

よって、飼育情報も少ないため、私の経験談からの情報を織り交ぜながらになりますのでご理解ください!

ダビディスコクワの産地は中国 寧夏回族自治区産です。

ゴビ砂漠の少し下のあたり。地図上にほぼ緑がない場所なのですが、黄河が流れている近辺なのでしょうか。

羽化サイズは、♂22~30mm 24~25mm程度です。

和名:ダビディスコクワガタ

学名:Dorcus davidis

♂ サイズは28mm

とても愛らしいサイズです。

アゴのサイズは大きくは伸びないらしいです。

内歯は途中で裁断されたかのようにスパッと切れているのも特徴的。

♂も♀も、光が当たるとノコギリクワガタ的な褐色がはいってます。とても艶を感じますが、浅めで全体に入る点刻がつや消し効果を施し、マットなツヤ感が美しいです。

バランス的に、大きな目がまた可愛らしさを助長させます。

このページではダビディスコクワの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命:

 成虫の平均寿命は、1〜2年程度。

※ペアリングの回数によっては短くなります。

飼育の適温:

22~25℃程度

成虫育成メモ:

後食が始まってもゼリーを舐めるときだけ表面に出てきている印象です。

あまり活発に動いている印象はありませんが、触るとしっかり威嚇してくるところが可愛いです。寿命は長いので、焦って無精卵を産ませないようにしっかりと成熟させたいところですね。

♂が♀をいじめることは無いので同じケース内で飼育することも可能です。

しかし成熟した♂は交尾意欲が強いので、同じケース内で飼うと♂♀互いの寿命を短くしてしまいますのでおすすめしません!

ケースはコバエシャッタータイニーやクワBOX MS-1あたりで充分です。

飼育ケースのサイズ表はこちら

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態で

あることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

ドルクス系なので、小さいのにやや待ちます。後食は4〜5ヶ月。成熟はさらに1ヶ月程度でしょうか。

※管理温度でも違いは出てきます。

《ペアリング方法》

ハンドペアリングではほぼ目視できませんので、同居ペアリングが理想です。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

《産卵セット》

カワラ材一択ですが、マットにも産むようです。

材は8割程度埋め込む用にセットします。熟度の浅い埋め込みマットを使用しましょう。

(産卵一番など)

100%♀殺しは無いので、同居で大丈夫です。

産卵セットの作り方はこちらから

産卵管理適温

23〜25℃

【使用ケース】

ケースは、クリアスライダーやコバエシャッター小などで良いでしょう。

《ケースサイズ表》

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

カワラ菌糸になります。低添加の微粒子マットでもOK。ミヤマ、コクワなどに合わせたマットを使用すると良いと思います。

※添加の強いマットでは全滅したというブログを拝見しました。

【えさ交換回数】

4〜600菌糸カップで2回程度。劣化しなければ1本でも行けそうです。

ボトルサイズにも寄ります。

【設定温度】

22~24℃程度が理想です。

【孵化から羽化までにかかる時間】

23℃で通年管理の場合は7〜10ヶ月程度でしょうか。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年4月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

各種情報発信中!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

2023-04-23

ダビディスコクワの産卵セット

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

【23年4月23日】

いよいよ着弾!

最近大きな種ばかりだったので、小さいのもやっておこうということで、珍品のダビディスコクワにてを出してみました。うまくいくのでしょうか。

スペックはこちら。

学名 Dorcus davidis

産地  中国 寧夏回族自治区

累代  CBF2

羽化 23年3月

サイズ ♂ 28mm   26mm  ♀ 25mm  24mm

2ペア体制で始めたいと思います。

【23年6月下旬】

♀2頭が後食スタート。スタートとともにほぼ全開にゼリーを食べています。

こんな時に、クオーターカッターが有るととても便利です。

ゼリーを4つにカットしてくれます。小さい種をやっている方は絶対買ったほうがいいです。

【23年9月12日】

満を持して、2ペアの同居開始です!

お昼ころから入れておりましたが、Aラインはすでに3回。目視できました。

4回目??。。。交尾意欲は相当高いようです。

Bラインは最初は♂♀それぞれ隠れていたものの、夕方から始まっています。

【23年9月13日】

カワラ材の産卵セットを作ろう!

カワラ材は湿気が強く埋め込んじゃうとグズグズになるケースが個人的に多いので、セットする前に皮むきを行い、ケースに入れて湿気を飛ばしています。

加水していないマットならそのまま入れて湿度を安定させるという方もいらっしゃいますが。

マットを3〜5センチほどまずは硬詰めします。いわゆる「埋め込みマット」でOK。

針葉樹マットなどを使ってしまうと、幼虫が食べられず☆になりますのでご注意を。

固めたら材を載せて、

周りにマットをぎゅうぎゅうに詰めます。ちなみにマットに加水はしていません。

ケースがクリアスライダーなのでかなり保湿されることと、カワラ材自体に水分が多いからです。

詰めると一回目はこのくらい下がりますので、

もう一度マットを引きます。

このくらい埋まればいいかな。

あとは転倒防止と隠れ場所として剥がした樹皮を引きます。

さあ、準備が整いましたので、早速入れていきましょう。

ペアリング目視を何度もしましたが、産卵スイッチが常に入るように♂♀2ペアを入れてしまいます。(AとBに分けた意味がありませんね笑)

A♀は少し小さめ。♂は大きく変わりません。

おそらく、幼虫の段階で大きめのカワラ菌糸カップを繋げていけばそこそこのサイズ感にはなるのかなと考えました。材は2本入れても良かったのでしょうが、在庫がなかったので。。

早速移動開始。

ささ~っと隠れていきます。

1ヶ月を目処に、4頭を拾い上げて次のセットも組んでいこうかと思っています。

さあ!どうなることやら!!!!

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

各種情報発信中!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

2024-01-08

ダビディスコクワの採卵をしました

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

【24年1月8日】

23年9月に2ペア入れてセットした産卵セットです。4ヶ月経ったので確認したところ。

結構デカくなってました!もう3令ですね。

こっちにも。

底にも。

反対側にも。完全な勝利宣言です。

改めて親のスペックを確認です。

学名 Dorcus davidis

産地  中国 寧夏回族自治区

累代  CBF2

羽化 23年3月

サイズ ♂ 28mm   26mm  ♀ 25mm  24mm

まずはマットから。もうやばいくらいいます。

1ペア生存です。4ヶ月。絶対幼虫食べて生きながらえたんだと思います。

材はどうなっているかというと、、、

触った瞬間に崩れ落ちていきます。

なんと、100均ケースにチョッキリ収まる42頭の幼虫たち。

カワラ菌糸への投入で成長を見守りましょう!

【24年2月3日】

せっかく♂♀が生存していたので、2回目のセットを組んでみました。

コバエシャッター小、産卵一番に、カチカチで使えなかったカワラ材の使い古しをチョイスしました。

柔めの材がセオリーだけどかじってくれるかな?実験です。

マットもそのまま使い古しの産卵1番。加水して、撹拌して再利用します。ねっとりしてきていい感じだと思っています。

そのままペアで入れてしまいましょう。

もう1ペアは☆になっていました。

もうたっぷり採れているけど、産んでくれるならもう少しキープしておきたいですね〜。

このまま産んでくれるかどうかはご期待ください!

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

各種情報発信中!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

2024-05-01

2回目の産卵セットを開きます。

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

【24年5月1日】

2月に組んだ2回目のセットの様子をみてみましょう。1回目は42頭。ペアで元気な親をそのまま投入していたものです。

ちょうど3ヶ月です。ということで割り出します。

♀は☆になってました。ゼリー切れで、これは私の完全な管理ミス。。こんなことは二度と無いようにしたい。。ごめんなさい。♂も☆かな。。姿は見えないけど。。

材をカジッている様子は見られず。不穏な空気が。

あら。裏側はカジッてる。材もいい感じで柔らかくなっており、期待は大かも!

来ました。♂が中から出てきました!

ということは、、、また中で幼虫を、、、

幼虫が通ったあとのような気もするけど、存在はありません。まじか。。

やはり、しっかり管理して、♂♀はいいところで出すべきですね。六脚堂では卵で取ると、孵化率がいまいち良くないので、慌てずに幼虫が見えてから割り出す用にしているのです。それが仇になることもありますが、今回もそれと考えて良いと思います。

たくさんの種類を抱えると、疎かになる部分がどうしても出てしまいます。反省。

結局のところ、卵、幼虫も取ることができませんでした。

神様が、これで納得しなさいと言っていたのでしょうね。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

各種情報発信中!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

2024-06-08

羽化RUSH!!

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

【24年6月8日】

いよいよ羽化が始まりました。メスが多めですがチェックしていきましょう。

菌糸組からの羽化です。

結構劣化しましたが、ギリギリのタイミングでしたね。200カップだと心もとないので400くらいで作ったほうが安心して1本孵しできそう。そっちの方が大きくもなるのかも知れないです。

かわいいなー。

まだ蛹の子もいるので、次のRUSHが楽しみでもあります。

この子は・・

蛹室の感じからすると羽化してますね。

蛹室と幼虫がしっかりと目視できている状態から、窓の部分が曇っていたりマットにまみれていたりすると、おおかた羽化しています。

掘ってみましょう。

やば!ちょっと早い!

まだ赤赤としています。

赤かわいい。

こっちのカップも、蛹室が汚れているので羽化していますね。

ほらね〜。

やはり第一陣は♀のみですかね。どのくらい♂とズレちゃうのかは経過を見たいと思います。

【2024年7月19日】

羽化ラッシュ第2陣きました!

♂はまだ割合が少な目。。まあ、短命な種ではないので大丈夫でしょう^_^

ここでやっと♂ちゃんの登場です。

全体でどのくらいの割合になるかも計測しておきたいところ。羽化タイミングも25℃程度の管理で♀は8ヶ月程度。

♂は9〜10ヶ月ですね。

このあと♀が7頭。

休眠が開けるまでそれぞれのボトルで管理しましょう。

12頭が羽化してましたが、☆になる子も今回はいませんでした!いい感じ!

ダビディスコクワは、たくさん生むし、☆になりにくいし、温度帯も低めがベストでしょうが25℃前後で行けました。

簡単で、可愛いので是非着手してみてください!次は大きくできるかチャレンジしてみようかな〜。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

各種情報発信中!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

2025-03-28

ダビディスコクワの2周目!

ーーーー六脚堂 飼育レポートーーーー

【25年3月28日】

昨年の羽化RUSHから順調にイベントで人気もあり、たくさん売れていたダビディスコクワ。

25セットくらい売れたでしょうか。

北海道でも相当な数が増えたのかな?と思います。とはいえ!!

残った親が3ペアほど。そのうちの1ペアを1月に同居させて2ヶ月過ぎていました。

これはまずい!ということで産卵セットを組んでいたものを紹介します。

小さめの♂と大きめの♀。

バランスが悪いと、♂が上に乗れずにペアリングがうまくいかない・・。なんてこともあるので長めに入れておこう!って2ヶ月は入れすぎ笑

でも、♀を攻撃することもなく一緒に飼育することができるとわかりました。(なーんてね。)

ボトル産卵セットです。

今回のセットは、月夜野きのこ園さんの産卵マット(プロトタイプ)です。

温度は22℃前後で管理。発泡スチロールにピタリ適温(パネルヒーター)で温度を自動でコントロールしてくれています。

メモ書き。

飼育頭数がキャパを超えると一目でわかる様にしないと作業できないのです。

今回組んだセットは、1400ボトルです。

これに、月夜野産卵マット(プロトタイプ)を半分までガチガチに詰めまして。材は入れません。

その代わり、下の方はすりこ木棒を使って、結構ガチガチにしました。材と勘違いしてもらうくらいです。

組んで、温度調整に5日。(忙しくて放置だったのもあるが)3月20日に投入して、22℃の場所においていたところ、卵が見えました!

マットだけで行けましたね。

こっちからは2個。

裏側からも1つ見えました。

あとはもう少し入れておきつつ、♀ちゃんがゼリーを食べに上がってきたところを捕獲したいですね。そうしないと食べちゃうので笑

ちなみに、この記事を書いている際にもう一度見てみると5個になってました。

近況:

ひょんなところから、兵庫のオオクワガタブリーダーさんと繋がることができました!!

私自身、グランディスがメインでしたがショップのオープンのことも考えて、少しオオクワガタを増やそうと思っています。

北海道の季節感を考えると、カブトムシ系よりもドルクスのほうが長生きしやすいんですよね。

子どもたちが頑張ってお小遣いを貯めて買ったムシが、すぐに☆になるところは見たくないなーと。大型のオオクワではなく、70mmいかない程度のオオクワを買いやすい値段で提供できればと思っています。

ちょっと楽しみかも。たくさんの種類に手を出すと結果的に経費も掛かりますが、たくさんの人に楽しさが伝わると良いな^と思っています。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

各種情報発信中!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

《Xのアカウント》

X:@kazuhiroyoshii